カイオム Research Memo(5):新株予約権の行使により当面の事業活動資金は確保
[17/04/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
2016年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比129百万円減少の4,789百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では新株予約権の行使に伴い現金及び預金・有価証券が452百万円増加した。一方、固定資産は減損損失や投資有価証券評価損の計上により、537百万円の減少となった。
負債合計は前期末比130百万円減少の224百万円となった。主に、有利子負債が45百万円、未払金が22百万円、前受収益が27百万円それぞれ減少した。また、純資産は前期末比横ばいの4,565百万円となった。当期純損失の計上により利益剰余金が1,491百万円減少した一方で、新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ741百万円増加したこと、及び新株予約権が9百万円増加したことによる。
カイオム・バイオサイエンス<4583>は2016年9月に第3者割当(メリルリンチ日本証券)による新株予約権を発行している。100%行使された場合の増加株式数は556.7万株で行使前の株式数に対する希薄化率は約25%となっている。12月までに301万株(行使率54.1%)が行使されたほか、2017年1-3月期では39万株が行使され、159百万円を調達している。下限行使価格は312円に設定されているため、現在の株価水準が続けば順調に行使が進むものと思われ(行使価額は行使直前取引日の終値の90%相当)、現在の株価水準(行使価格で360円)で残り全てが行使されたとすれば、940百万円程度を調達できることとなる。調達資金の使途としては、「LIV-1205」の臨床試験準備から初期臨床段階までの開発費用で1,300百万円(2017年1月−2019年12月)、新規パイプラインの創製及び導入で300百万円(2016年12月−2018年12月)、残りを企業への出資やM&A(2016年10月−2018年12月)に充当する予定となっている。
経営指標を見ると、自己資本比率は90%を超えており、現金及び預金・有価証券の水準は4,000百万円を超える水準となっている。2017年12月期以降もパイプラインの導出に伴う契約金等がなければ、研究開発費やその他固定費負担により、年間で1,000百万円前後の損失が続く可能性が高いが、新株予約権の行使による資金調達なども考慮すれば、3〜4年程度の事業活動資金は蓄えられているものと判断される。ただ、今後も開発パイプラインやADLib®システムの技術導出などに進捗が見られなければ、再度、資金調達を行う必要性が出てくるものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
3. 財務状況と経営指標
2016年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比129百万円減少の4,789百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では新株予約権の行使に伴い現金及び預金・有価証券が452百万円増加した。一方、固定資産は減損損失や投資有価証券評価損の計上により、537百万円の減少となった。
負債合計は前期末比130百万円減少の224百万円となった。主に、有利子負債が45百万円、未払金が22百万円、前受収益が27百万円それぞれ減少した。また、純資産は前期末比横ばいの4,565百万円となった。当期純損失の計上により利益剰余金が1,491百万円減少した一方で、新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ741百万円増加したこと、及び新株予約権が9百万円増加したことによる。
カイオム・バイオサイエンス<4583>は2016年9月に第3者割当(メリルリンチ日本証券)による新株予約権を発行している。100%行使された場合の増加株式数は556.7万株で行使前の株式数に対する希薄化率は約25%となっている。12月までに301万株(行使率54.1%)が行使されたほか、2017年1-3月期では39万株が行使され、159百万円を調達している。下限行使価格は312円に設定されているため、現在の株価水準が続けば順調に行使が進むものと思われ(行使価額は行使直前取引日の終値の90%相当)、現在の株価水準(行使価格で360円)で残り全てが行使されたとすれば、940百万円程度を調達できることとなる。調達資金の使途としては、「LIV-1205」の臨床試験準備から初期臨床段階までの開発費用で1,300百万円(2017年1月−2019年12月)、新規パイプラインの創製及び導入で300百万円(2016年12月−2018年12月)、残りを企業への出資やM&A(2016年10月−2018年12月)に充当する予定となっている。
経営指標を見ると、自己資本比率は90%を超えており、現金及び預金・有価証券の水準は4,000百万円を超える水準となっている。2017年12月期以降もパイプラインの導出に伴う契約金等がなければ、研究開発費やその他固定費負担により、年間で1,000百万円前後の損失が続く可能性が高いが、新株予約権の行使による資金調達なども考慮すれば、3〜4年程度の事業活動資金は蓄えられているものと判断される。ただ、今後も開発パイプラインやADLib®システムの技術導出などに進捗が見られなければ、再度、資金調達を行う必要性が出てくるものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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