キャンバス Research Memo(1):世界で最も注目される抗がん剤フィールド最前線での臨床試験をスタート
[17/04/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
キャンバス<4575>は、独自の創薬アプローチで、現在適切ながん治療薬が見つかっていないがん領域やがん患者に向け、積極果敢にチャレンジする創薬バイオベンチャーである。
1. いち早く抗がん剤開発の最新注目領域への取組を開始
がん治療分野では、ここ数年欧米の学会を中心にパラダイム転換が起きている。がん治療は、過去50年ほどの間に、外科手術が困難なステージまで進行すると、放射線と化学療法(抗がん剤投与)の治療法しかなかった。2000年頃からいわゆる「分子標的薬」による個別化医療が登場し、国内では大手製薬企業、医療行政、マスコミが挙って、“これから分子標的薬の時代が到来する”と大々的に扱われた。一方、欧米の学会では、いち早く分子標的薬が大部分の患者に効かないという論文が相次ぎ発表され、分子標的薬の限界が訴えられてきた。
近年、免疫系抗がん剤(小野薬品工業<4528>のオプジーボ®など)の登場で、がん治療法を根本から覆らせるインパクトが生じている。既に、欧米の製薬企業は免疫系チェックポイント抗体を中心に無数の臨床試験に取り組んでいる。国内製薬企業も遅ればせながら重い腰を上げて、免疫系抗がん剤開発に着手している。
このようなパラダイム転換が進行するがん治療分野において、同社にとっては千載一遇の好機が訪れた。同社は創業前も含め約20年間、がん細胞を“直接叩く薬剤(抗がん剤候補化合物)”の研究開発に取り組んできた。その蓄積された薬剤と知見ノウハウを、現在最も注目されている免疫系抗がん剤と併用することで、長期生存(従来数ヶ月であった延命期間を数年単位へ)、並びにその先にはがんの治癒効果の発揚を目指している。さらに、治療剤の恩恵を受ける患者の比率向上や、今や“数千万円レベル”にものぼり始めた薬価の低減にも寄与することが期待されている。
2. 米国での臨床試験(フェーズ1b試験)開始の承認を取得
一方、抗がん剤臨床開発をめぐる環境は免疫系抗がん剤の登場で大きく変動し、現在は「免疫系抗がん剤と他の抗がん剤」の併用臨床試験が欧米を中心に多数進行している。
今回同社は、同社の抗がん剤候補化合物(CBP501)と免疫系抗がん剤(免疫チェックポイント抗体)との併用臨床試験に満を持して取り組むこととなり、この度、米国FDAより米国での臨床試験(フェーズ1b試験)開始の承認を取得した。
がん治療領域において、免疫系抗がん剤はおそらく今後10年間は世界で最も注目され、世界の有数抗がん剤メーカーが研究開発と事業化に取り組むものと思われる。
同社は、CBP501新臨床試験が計画通りに推移すると、大手製薬企業(ブリストル・マイヤーズ スクリブ、メルクなど)の「免疫系抗がん剤と他の抗がん剤」臨床試験結果が発表される2019年〜2020年には、同社の臨床結果も得られ、世界の抗がん剤開発に大きなインパクトを与えられる可能性がある。そのためにも、臨床試験費用の原資調達や臨床試験マネジメントが重要となる。
3. CBP501新臨床試験の成果に期待
近年のがん治療分野のパラダイム転換により、同社がこれまで蓄積してきたがん治療の技術・知見が世界の檜舞台に登場し、スポットライトが当たるようになった。また、今回の同社のCBP501新臨床試験への取り組みは、同社が2000年に創業して以来、2度目の大きなビジネスチャンスとなる。格言に「ビジネスチャンスの神様は前髪しかない」という言葉があるが、革新的抗がん剤が世界の抗がん剤メーカーから評価されビジネス機会が同社に訪れようとしている。今回の「CBP501新臨床試験」はしっかりと準備と計画を整え、2年後の臨床試験の成果が世界で注目を浴びることを期待する。
■Key Points
・がん治療/抗がん剤分野のパラダイム転換により、同社の千載一遇の好機が訪れる
・注目の免疫系抗がん剤と同社の抗がん剤候補化合物CBP501の作用メカニズムは、シナジーが大きく併用効果大
・米国FDAより、米国での「CBP501新臨床試験」開始の承認取得
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)
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キャンバス<4575>は、独自の創薬アプローチで、現在適切ながん治療薬が見つかっていないがん領域やがん患者に向け、積極果敢にチャレンジする創薬バイオベンチャーである。
1. いち早く抗がん剤開発の最新注目領域への取組を開始
がん治療分野では、ここ数年欧米の学会を中心にパラダイム転換が起きている。がん治療は、過去50年ほどの間に、外科手術が困難なステージまで進行すると、放射線と化学療法(抗がん剤投与)の治療法しかなかった。2000年頃からいわゆる「分子標的薬」による個別化医療が登場し、国内では大手製薬企業、医療行政、マスコミが挙って、“これから分子標的薬の時代が到来する”と大々的に扱われた。一方、欧米の学会では、いち早く分子標的薬が大部分の患者に効かないという論文が相次ぎ発表され、分子標的薬の限界が訴えられてきた。
近年、免疫系抗がん剤(小野薬品工業<4528>のオプジーボ®など)の登場で、がん治療法を根本から覆らせるインパクトが生じている。既に、欧米の製薬企業は免疫系チェックポイント抗体を中心に無数の臨床試験に取り組んでいる。国内製薬企業も遅ればせながら重い腰を上げて、免疫系抗がん剤開発に着手している。
このようなパラダイム転換が進行するがん治療分野において、同社にとっては千載一遇の好機が訪れた。同社は創業前も含め約20年間、がん細胞を“直接叩く薬剤(抗がん剤候補化合物)”の研究開発に取り組んできた。その蓄積された薬剤と知見ノウハウを、現在最も注目されている免疫系抗がん剤と併用することで、長期生存(従来数ヶ月であった延命期間を数年単位へ)、並びにその先にはがんの治癒効果の発揚を目指している。さらに、治療剤の恩恵を受ける患者の比率向上や、今や“数千万円レベル”にものぼり始めた薬価の低減にも寄与することが期待されている。
2. 米国での臨床試験(フェーズ1b試験)開始の承認を取得
一方、抗がん剤臨床開発をめぐる環境は免疫系抗がん剤の登場で大きく変動し、現在は「免疫系抗がん剤と他の抗がん剤」の併用臨床試験が欧米を中心に多数進行している。
今回同社は、同社の抗がん剤候補化合物(CBP501)と免疫系抗がん剤(免疫チェックポイント抗体)との併用臨床試験に満を持して取り組むこととなり、この度、米国FDAより米国での臨床試験(フェーズ1b試験)開始の承認を取得した。
がん治療領域において、免疫系抗がん剤はおそらく今後10年間は世界で最も注目され、世界の有数抗がん剤メーカーが研究開発と事業化に取り組むものと思われる。
同社は、CBP501新臨床試験が計画通りに推移すると、大手製薬企業(ブリストル・マイヤーズ スクリブ、メルクなど)の「免疫系抗がん剤と他の抗がん剤」臨床試験結果が発表される2019年〜2020年には、同社の臨床結果も得られ、世界の抗がん剤開発に大きなインパクトを与えられる可能性がある。そのためにも、臨床試験費用の原資調達や臨床試験マネジメントが重要となる。
3. CBP501新臨床試験の成果に期待
近年のがん治療分野のパラダイム転換により、同社がこれまで蓄積してきたがん治療の技術・知見が世界の檜舞台に登場し、スポットライトが当たるようになった。また、今回の同社のCBP501新臨床試験への取り組みは、同社が2000年に創業して以来、2度目の大きなビジネスチャンスとなる。格言に「ビジネスチャンスの神様は前髪しかない」という言葉があるが、革新的抗がん剤が世界の抗がん剤メーカーから評価されビジネス機会が同社に訪れようとしている。今回の「CBP501新臨床試験」はしっかりと準備と計画を整え、2年後の臨床試験の成果が世界で注目を浴びることを期待する。
■Key Points
・がん治療/抗がん剤分野のパラダイム転換により、同社の千載一遇の好機が訪れる
・注目の免疫系抗がん剤と同社の抗がん剤候補化合物CBP501の作用メカニズムは、シナジーが大きく併用効果大
・米国FDAより、米国での「CBP501新臨床試験」開始の承認取得
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)
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