エルテス Research Memo(1):ネット炎上等のソーシャルリスクに対するソリューションを提供
[17/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
エルテス<3967>は、「デジタルリスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術をベースに、SNSやブログ、検索サイトなどWeb上の様々なメディアに起因するリスクに対するソリューションを提供している。インターネットの普及やデジタルデバイスの発展等に伴い、その副作用として、情報漏えいや不適切な投稿等に伴うネット炎上などの被害を受ける個人や企業が年々増加するなか、ソーシャルメディアの監視から緊急対応、アフターケアまで、顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより高成長を実現してきた。
特に、データ解析技術とコンサルティング力に強みがあり、有力ブランドを持つ大手企業を中心に約500社の顧客基盤を有する。足元では、既存のソーシャルリスク領域から内部不正や金融不正、テロ対策など、リスクインテリジェンス領域への事業拡充により、新たな成長軸も立ち上がってきた。2016年11月29日には、東証マザーズに上場した。
1. 2017年2月期はソーシャルリスクへの対策ニーズが拡大し増収増益決算に
2017年2月期の業績は、売上高が前期比43.7%増の1,379百万円、営業利益が同35.8%増の183百万円とほぼ計画どおりの増収増益で着地し、過去最高の業績を達成した。ソーシャルリスクへの対策ニーズの拡大を追い風としながら、既存顧客の深耕や大手企業を中心とした新規顧客の獲得により順調に業績を伸ばすことができた。また、利益面でも、オフィス移転や株式上場費用等の一時的な費用増をこなしながら、大幅な増益を実現した。
2. 2018年2月期は好調な外部環境や新サービスの本格稼働により引き続き増収増益の見通し
2018年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比30.4%増の1,800百万円、営業利益を同30.7%増の240百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。認知度拡大を目的とした積極的なマーケティング投資を予定しているものの、増収により吸収することで増益を確保する見通しである。弊社では、好調な外部環境や積み上げ型のストックビジネスであることに加え、株式上場等による認知度拡大、新サービス(内部不正検知サービスなど)の本格稼働により、足元でも見込み顧客が増加していることから、同社の業績予想はやや保守的な水準であるとみている。
3. リスク対策ニーズの拡大を背景に、中長期的にも高い成長率を維持していく
同社の成長戦略は、既存のソーシャルリスク領域の拡大に加えて、内部不正、金融不正、テロ対策などリスクインテリジェンス領域への事業拡充により、成長を加速するものである。2020年2月期には、売上高の3分の1をリスクインテリジェンス領域で占める成長イメージを描いている。また、利益面でも、AI等へのシステム投資や事業拡大に向けた人材確保など一定の先行費用が見込まれるものの、AI技術の活用による業務効率化や付加価値の向上、増収による固定費の吸収等により収益性をさらに高め、3年以内をめどに営業利益率を25%の水準に引き上げる方針である。
弊社では、デジタル化の進展に伴う新たなリスク対策ニーズの拡大や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会的リスクの高まりなど外部環境がさらに追い風となる中で、他社に先行して優位性を構築してきた同社にとって、中長期的にも高い成長率を維持していくことは可能であるとみている。今後の具体的なソリューション実績や案件の広がりに加えて、他社との連携やM&Aを含めた成長投資に注目していきたい。
■Key Points
・独自のデータ解析技術やコンサルティング力を生かし、ネット炎上等のソーシャルリスクに対するソリューションを提供
・顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショングにより高成長を実現
・2017年2月期はほぼ計画どおりの増収増益で着地し、過去最高の業績を達成
・2018年2月期も認知度拡大や新サービスの本格稼働などにより増収増益を見込む
・既存のソリューション領域の拡大に加えて、内部不正や金融不正、テロ対策などリスクインテリジェンス領域への事業拡充により成長を加速する戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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エルテス<3967>は、「デジタルリスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術をベースに、SNSやブログ、検索サイトなどWeb上の様々なメディアに起因するリスクに対するソリューションを提供している。インターネットの普及やデジタルデバイスの発展等に伴い、その副作用として、情報漏えいや不適切な投稿等に伴うネット炎上などの被害を受ける個人や企業が年々増加するなか、ソーシャルメディアの監視から緊急対応、アフターケアまで、顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより高成長を実現してきた。
特に、データ解析技術とコンサルティング力に強みがあり、有力ブランドを持つ大手企業を中心に約500社の顧客基盤を有する。足元では、既存のソーシャルリスク領域から内部不正や金融不正、テロ対策など、リスクインテリジェンス領域への事業拡充により、新たな成長軸も立ち上がってきた。2016年11月29日には、東証マザーズに上場した。
1. 2017年2月期はソーシャルリスクへの対策ニーズが拡大し増収増益決算に
2017年2月期の業績は、売上高が前期比43.7%増の1,379百万円、営業利益が同35.8%増の183百万円とほぼ計画どおりの増収増益で着地し、過去最高の業績を達成した。ソーシャルリスクへの対策ニーズの拡大を追い風としながら、既存顧客の深耕や大手企業を中心とした新規顧客の獲得により順調に業績を伸ばすことができた。また、利益面でも、オフィス移転や株式上場費用等の一時的な費用増をこなしながら、大幅な増益を実現した。
2. 2018年2月期は好調な外部環境や新サービスの本格稼働により引き続き増収増益の見通し
2018年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比30.4%増の1,800百万円、営業利益を同30.7%増の240百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。認知度拡大を目的とした積極的なマーケティング投資を予定しているものの、増収により吸収することで増益を確保する見通しである。弊社では、好調な外部環境や積み上げ型のストックビジネスであることに加え、株式上場等による認知度拡大、新サービス(内部不正検知サービスなど)の本格稼働により、足元でも見込み顧客が増加していることから、同社の業績予想はやや保守的な水準であるとみている。
3. リスク対策ニーズの拡大を背景に、中長期的にも高い成長率を維持していく
同社の成長戦略は、既存のソーシャルリスク領域の拡大に加えて、内部不正、金融不正、テロ対策などリスクインテリジェンス領域への事業拡充により、成長を加速するものである。2020年2月期には、売上高の3分の1をリスクインテリジェンス領域で占める成長イメージを描いている。また、利益面でも、AI等へのシステム投資や事業拡大に向けた人材確保など一定の先行費用が見込まれるものの、AI技術の活用による業務効率化や付加価値の向上、増収による固定費の吸収等により収益性をさらに高め、3年以内をめどに営業利益率を25%の水準に引き上げる方針である。
弊社では、デジタル化の進展に伴う新たなリスク対策ニーズの拡大や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会的リスクの高まりなど外部環境がさらに追い風となる中で、他社に先行して優位性を構築してきた同社にとって、中長期的にも高い成長率を維持していくことは可能であるとみている。今後の具体的なソリューション実績や案件の広がりに加えて、他社との連携やM&Aを含めた成長投資に注目していきたい。
■Key Points
・独自のデータ解析技術やコンサルティング力を生かし、ネット炎上等のソーシャルリスクに対するソリューションを提供
・顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショングにより高成長を実現
・2017年2月期はほぼ計画どおりの増収増益で着地し、過去最高の業績を達成
・2018年2月期も認知度拡大や新サービスの本格稼働などにより増収増益を見込む
・既存のソリューション領域の拡大に加えて、内部不正や金融不正、テロ対策などリスクインテリジェンス領域への事業拡充により成長を加速する戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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