エルテス Research Memo(10):リスクインテリジェンス領域への事業拡充により成長を加速
[17/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
エルテス<3967>は具体的な中期経営計画を公表していない。ただ、既存のソーシャルリスク領域の拡大に加えて、内部不正、金融不正、テロ対策などリスクインテリジェンス領域への事業拡充により、成長を加速する方向性を掲げている。2020年2月期には、売上高の3分の1をリスクインテリジェンス領域で占める成長イメージを描いているようだ。特に、同社の強みであるデータ解析技術やコンサルティング力の活用に加えて、他社との提携を含む新サービスの開発等により、取り扱うデータの種類※1やリスクテーマ※2の拡充を図り、様々な業種や顧客固有のニーズに応える戦略であり、まずは15業種のトップ100社をターゲットに定め、1,500社との取引拡大を目指している。また、前述したとおり、M&Aも視野に入れているようだ。
※1これまでのソーシャルデータや公知情報などオープン情報から、取引情報や組織内データなど、より機密性の高いクローズド情報への拡充
※2これまでの風評ダメージやネット炎上に加えて、IOT、金融犯罪、テロ対策などリスクテーマの拡充
さらに中長期的には、電子登記や電子納税などマイナンバーに紐づく「電子政府化」の進展やテロ対策を含む危機管理体制の強化にもつながる「事前入国管理システム」の導入等を見据え、より専門性の高い領域へ事業ドメインのシフトを目指しており、デジタル化の反動によって生じる社会問題の解決をすることで自らの成長も実現していく戦略である。
また、利益面でも、AI等へのシステム投資や事業拡大に向けた人材確保など一定の先行費用が見込まれるものの、AI技術の活用による業務効率化や付加価値の向上、増収による固定費の吸収等により収益性をさらに高め、3年以内をめどに営業利益率を25%の水準に引き上げる方針である。
弊社では、デジタル化の進展に伴う新たなリスク対策ニーズの拡大や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会的リスクの高まりなど外部環境が一段と追い風となるなかで、他社に先行して優位性を構築してきた同社にとって、中長期的にも高い成長率を維持していくことは可能であるとみている。特に、新たに参入するリスクインテリジェンス領域は、潜在的な市場が大きく、競合も少ないことから圧倒的なポジショニングを確立する可能性が高い。今後の具体的なソリューション実績や案件の広がりに加えて、他社との連携やM&Aを含めた成長投資にも注目していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
エルテス<3967>は具体的な中期経営計画を公表していない。ただ、既存のソーシャルリスク領域の拡大に加えて、内部不正、金融不正、テロ対策などリスクインテリジェンス領域への事業拡充により、成長を加速する方向性を掲げている。2020年2月期には、売上高の3分の1をリスクインテリジェンス領域で占める成長イメージを描いているようだ。特に、同社の強みであるデータ解析技術やコンサルティング力の活用に加えて、他社との提携を含む新サービスの開発等により、取り扱うデータの種類※1やリスクテーマ※2の拡充を図り、様々な業種や顧客固有のニーズに応える戦略であり、まずは15業種のトップ100社をターゲットに定め、1,500社との取引拡大を目指している。また、前述したとおり、M&Aも視野に入れているようだ。
※1これまでのソーシャルデータや公知情報などオープン情報から、取引情報や組織内データなど、より機密性の高いクローズド情報への拡充
※2これまでの風評ダメージやネット炎上に加えて、IOT、金融犯罪、テロ対策などリスクテーマの拡充
さらに中長期的には、電子登記や電子納税などマイナンバーに紐づく「電子政府化」の進展やテロ対策を含む危機管理体制の強化にもつながる「事前入国管理システム」の導入等を見据え、より専門性の高い領域へ事業ドメインのシフトを目指しており、デジタル化の反動によって生じる社会問題の解決をすることで自らの成長も実現していく戦略である。
また、利益面でも、AI等へのシステム投資や事業拡大に向けた人材確保など一定の先行費用が見込まれるものの、AI技術の活用による業務効率化や付加価値の向上、増収による固定費の吸収等により収益性をさらに高め、3年以内をめどに営業利益率を25%の水準に引き上げる方針である。
弊社では、デジタル化の進展に伴う新たなリスク対策ニーズの拡大や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会的リスクの高まりなど外部環境が一段と追い風となるなかで、他社に先行して優位性を構築してきた同社にとって、中長期的にも高い成長率を維持していくことは可能であるとみている。特に、新たに参入するリスクインテリジェンス領域は、潜在的な市場が大きく、競合も少ないことから圧倒的なポジショニングを確立する可能性が高い。今後の具体的なソリューション実績や案件の広がりに加えて、他社との連携やM&Aを含めた成長投資にも注目していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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