キリン堂HD Research Memo(7):一時期の停滞期を抜け出し売上高は成長軌道に回帰も、利益率は低迷が続く
[17/05/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略と中期経営計画
1. 過去業績と経営課題
キリン堂ホールディングス<3194>の長期的な業績推移を見ると、2008年2月期に売上高が1,000億円の大台に乗った。これは2007年2月期までの積極出店とニッショードラッグの子会社化が貢献した結果だ。その後は、不振店の整理に伴う停滞期があり、2016年2月期になって1,100億円を突破した。その間、小売事業において買収してきたジェイドラッグやニッショードラッグなどをキリン堂に吸収合併して経営の一体化を行い、経営効率を高める施策を行ってきた。
利益面の動きも基本的には売上高と連動している。2008年2月期にM&A効果もあって過去最高営業利益を記録した。その後、不振店の整理で一時的に利益が落ち込んだが徐々に回復した。2015年2月期には消費増税に伴う駆け込み需要の反動減、天候不順、決算期変更による販管費増などが重なり利益が一時的に落ち込んだが、2016年2月期にV字回復を果たしたという状況にある。更なる成長を期待した2017年2月期は、前述のように越境ECを取り巻く環境の変化、診療報酬の改定及び天候不順の3つの要因から不本意な結果に終わった。しかし、2017年2月期もトップライングロースを確保したという点はポジティブに評価できると考えている。
同社の過去業績でポイントとなるのは利益率の低さだ。過去の同社の売上高営業利益率の推移を見ると、2008年2月期に2.2%を記録した後は1%台で推移している。また、競合他社比較においても、同社の営業利益率は低い部類に属している。
前述のように、同社は売上高については成長軌道に回帰している。一方で利益率が改善しないため、利益の成長が止まっているというのが現状だ。したがって、同社の成長戦略とは利益率改善とほぼ同義ということができる。利益率の低さについては同社自身も強く意識していることであり、新中期経営計画においても利益率の向上は最重要の経営課題と位置付けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>
1. 過去業績と経営課題
キリン堂ホールディングス<3194>の長期的な業績推移を見ると、2008年2月期に売上高が1,000億円の大台に乗った。これは2007年2月期までの積極出店とニッショードラッグの子会社化が貢献した結果だ。その後は、不振店の整理に伴う停滞期があり、2016年2月期になって1,100億円を突破した。その間、小売事業において買収してきたジェイドラッグやニッショードラッグなどをキリン堂に吸収合併して経営の一体化を行い、経営効率を高める施策を行ってきた。
利益面の動きも基本的には売上高と連動している。2008年2月期にM&A効果もあって過去最高営業利益を記録した。その後、不振店の整理で一時的に利益が落ち込んだが徐々に回復した。2015年2月期には消費増税に伴う駆け込み需要の反動減、天候不順、決算期変更による販管費増などが重なり利益が一時的に落ち込んだが、2016年2月期にV字回復を果たしたという状況にある。更なる成長を期待した2017年2月期は、前述のように越境ECを取り巻く環境の変化、診療報酬の改定及び天候不順の3つの要因から不本意な結果に終わった。しかし、2017年2月期もトップライングロースを確保したという点はポジティブに評価できると考えている。
同社の過去業績でポイントとなるのは利益率の低さだ。過去の同社の売上高営業利益率の推移を見ると、2008年2月期に2.2%を記録した後は1%台で推移している。また、競合他社比較においても、同社の営業利益率は低い部類に属している。
前述のように、同社は売上高については成長軌道に回帰している。一方で利益率が改善しないため、利益の成長が止まっているというのが現状だ。したがって、同社の成長戦略とは利益率改善とほぼ同義ということができる。利益率の低さについては同社自身も強く意識していることであり、新中期経営計画においても利益率の向上は最重要の経営課題と位置付けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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