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GセブンHD Research Memo(4):業務スーパー・こだわり食品事業とコインランドリーサービスが好調

注目トピックス 日本株
■G-7ホールディングス<7508>の業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業の売上高は前期比0.4%増の34,010百万円、営業利益は同17.9%増の1,206百万円となった。オートバックス関連を中心としたG-7・オート・サービスの売上高は前期比0.1%増とほぼ横ばい水準にとどまったものの、営業利益は同20%増益となった。売上高については、オートバックス関連の新規出店が無く、店舗数が前期末比横ばいにとどまったことに加えて、期の前半は冬用タイヤからの履き替え需要が低調に推移したこと、カーAV機器の販売低迷などが伸び悩みの要因となった。一方、利益面では付加価値の高い車検サービスや鈑金・塗装等のサービス部門が堅調に推移したことや、2016年12月以降は降雪等の影響で冬用タイヤの需要が回復したことが増益要因となった。

カテゴリー別の前期比増収率を見ると、タイヤ・ホイールが3.6%減、カーAV機器が6.3%減、バッテリーが3.3%増、サービス(車検や鈑金・塗装等)が0.8%減、保険が7.5%増、カーズ(車買取販売)が2.8%増となった。カーエレクトロニクス用品全体では減収だったが、ETCやドライブレコーダ等の一部アイテムは好調だった。また、エリア別で見ると降雪不足の影響が大きかった西日本エリアは低調だったが、関東エリアの店舗に関しては増収増益となった。なお、当期のオートバックスグループ全体の既存店売上高は前期比1.1%減となっており、引き続きグループ内での販売力の高さを維持している。

一方、G-7バイクワールドについては微増収となったものの、利益面では営業損失となった。国内バイク市場の低迷が続くなかで、競合他社との競争が激化していることが背景にある。当期は新規出店1店舗、退店1店舗を実施した。同社では収益力強化のため、2016年11月にバイクの買取販売を行うバイク王&カンパニー<3377>との業務提携を発表した。業務提携の主な内容は、両社の商品・サービスに関して相互送客する仕組みを構築していくこと、「バイクワールド」と「バイク王」の店舗併設の拡大、並びに人的交流・情報共有を進めていくこと等が挙げられる。また、将来的には海外展開での協業についても検討していくこととしている。業務提携に当たって、同社はバイク王&カンパニーの株式の0.98%(32百万円)を取得している。

海外店舗については、マレーシアで「オートバックス」(2店舗)及び「バイクワールド」(2店舗)、タイで「バイクワールド」(1店舗)を展開している。マレーシアには進出して6年目となるが、売上高が前期比35%増と2ケタ成長が続いており、利益面でも「バイクワールド」については黒字化するなど軌道に乗り始めている。2016年3月に出店したタイの店舗については、まだ立ち上げ段階でしばらく時間が掛かりそうなものの、バイク用品の需要は旺盛と見られることから今後の収益化が期待される。

(2) 業務スーパー・こだわり食品事業
業務スーパー・こだわり食品事業の売上高は前期比9.3%増の70,232百万円、営業利益は同14.5%増の2,413百万円と好調な業績が続いた。G-7ミートテラバヤシの業績がフル寄与(前期は10ヶ月分)した効果もあるが、この要因を除いても増収増益となっている。

主力の「業務スーパー」を中心に展開するG-7スーパーマートの売上高は、前期比7.1%増となった。食材コストの上昇に悩む飲食事業者だけでなく一般消費者の客数もデフレ傾向の高まりにより増加し、既存店ベースの売上高が前期比1.9%増と堅調に推移したことに加え、新規出店効果(3月末の店舗数は前期末比7店舗増の127店舗)も寄与した。なお、当期の新規出店は8店舗(東京都1店舗、兵庫県1店舗、埼玉県3店舗、千葉県1店舗、神奈川県1店舗、愛知県1店舗)となっている。

G-7ミートテラバヤシは、「業務スーパー」との同時出店等により新規出店数が8店舗、3月末の店舗数が95店舗と順調に拡大し、当期は年間でフル寄与したこともあり増収増益に寄与した。また、G7ジャパンフードサービスについても、こだわり食品事業において東日本エリアを中心に新規顧客の開拓や取扱品数の拡充を進めたことで増収増益となった。

(3) その他事業
その他事業の売上高は前期比6.9%増の6,135百万円、営業利益は124百万円(前期は39百万円の損失)となった。売上高については、2015年6月より「めぐみの郷」での農産物販売方法を委託販売から買取販売方式に変更したことや、新規事業としてコインランドリーサービス事業、スイーツ事業を開始し、売上規模は小さいもののいずれも好調に推移したことが増収要因となった。一方、利益面では「めぐみの郷」や海外事業が赤字となったものの、新規事業の寄与や不動産事業(賃貸収入)の増加、赤字店舗の縮小効果などにより黒字化した。

「めぐみの郷」の新規出店は兵庫県に2店舗、千葉県に1店舗出店し、3月末の店舗数は23店舗(前期末比2店舗増)となった。売上高は買取販売方式に切り替えたことで増収となったが、利益面では在庫廃棄ロスが想定以上に増加したことにより営業損失となった。青果物は日々の天候状況等によって売れ行きも変わるため、仕入や仕入価格については仕入担当者によるきめ細かな管理が求められるが、まだ、各店舗で人材が十分に育っておらず、仕入システムを最適化していくための試行段階にあり、一時的に損益が悪化する要因となった。

一方、当期より開始したコインランドリーサービス事業は、2017年3月末時点で、オートバックス店舗敷地内に1店舗、G-7モール内に1店舗を出店した。衣服類だけでなく布団や絨毯など自宅では洗濯しにくいものも洗濯・乾燥できることが好評を得ており、売上げは各店舗とも好調に推移している。初期投資額は洗濯機・乾燥機などの設備投資費用で約20百万円かかるが、売上原価は低く、償却費を回収できれば利益が出るビジネスモデルとなる。月間売上高は50〜70万円だが、繁盛店では100万円に達する店舗もある。まだ、収益への貢献は軽微だが、今後はオートバックス店舗だけでなく、業務スーパーやグループ店舗が集積するG-7モール等にも出店して行く予定で、2020年までに50店舗、将来的には100店舗を目標としている。

スイーツ事業についてはチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」を2店舗(大阪府、京都府)出店している。テイクアウト専門店のため1店舗当たりの月間売上高は20〜30百万円となるが、手ごろな価格と美味しさが評判となり行列ができるほどの人気店となっている。小規模店舗で人員も1〜2名で運営できるため、早期段階で利益が出せる収益モデルとなっているのが特徴で、規模は小さいながらも増収増益に貢献した。

海外事業の状況について見ると、ミャンマーとベトナムで運営しているアグリ事業については大きな進捗が見られなかった。また、飲食事業ではマレーシア、インドネシアで「らーめん神戸」を、台湾で「串かつだるま」(FC契約)をそれぞれ直営で1店舗運営している。このうち、2015年12月にオープンした「串かつだるま」については売上が好調に推移している。また、シンガポールで2016年4月に現地企業と合弁でオープンした「業務スーパー」については、やや苦戦している状況のようだ。現地でまだ認知度が十分でないことや、差別化戦略を打ち出せていないことなどが苦戦の要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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