北日本紡績 Research Memo(1):1948年創業の合繊紡績糸メーカーで繊維事業と環境事業を展開
[17/08/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
北日本紡績<3409>は、1948年創業の合繊紡績糸メーカーである。石川県白山市に本社及び本社工場(松任工場)を置き、繊維事業と2015年12月に立ち上げた環境事業を展開している。業界トップレベルの短繊維紡績技術、生産・品質管理能力を武器に、素材メーカーと連携して高機能・高品位の製品を市場に提供している。
繊維事業では、合繊紡績糸の製造販売及び委託加工を行っている。自動車関連資材用・産業用などのアラミド繊維(高機能難燃繊維)・高強力繊維や、衣料用・高機能インナー用・インテリア用などの紡績糸を展開している。帝人<3401>及び帝人グループ企業からの委託加工が約8割を占め、主力は帝人から委託加工のアラミド繊維である。
環境事業は2015年12月に新規事業として立ち上げられた。蘇生材「カラム」を主力製品(仕入販売)として、同製品を組み込んだ水質浄化システム・省エネルギー装置などの販売を行っている。蘇生材「カラム」は特殊パウダーを練り込んだ高分子ポリエチレン材で、プールや浴場施設の塩素障害を抑制する効果や、塩素によるヌメリ・付着物・腐食・錆を抑制する効果がある。2017年7月にはアサヒ衛陶<5341>と代理店契約を締結した。
2017年3月期に、営業利益、営業活動によるキャッシュ・フローともプラスになったことにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性を抱かせる状況は認められないと判断し、2017年3月期決算短信において「継続企業の前提に関する重要事象等」及び「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消した。
1. 業績動向
同社が8月4日に発表した2018年3月期第1四半期(2017年4月−6月)の業績は、売上高が前年同期比15.0%増の114百万円、営業利益が4百万円(前年同期は2百万円の損失)、経常利益が前年同期比75.4%増の9百万円、四半期純利益が6百万円(前年同期は0百万円の損失)だった。自動車関連のアラミド繊維の想定以上の好調がけん引して増収増益となり、各利益とも黒字だった。高付加価値のアラミド繊維の大幅増収で売上総利益率が改善基調である。
2. 今後の見通し
2018年3月期通期の業績予想は、売上高が前期比6.5%増の440百万円、営業利益が10百万円(前期は2百万円)、経常利益が10百万円(同4百万円)、当期純利益が10百万円(同5百万円)としている。高付加価値のアラミド繊維がけん引して増収増益予想である。アラミド繊維が想定以上に伸長しているようであり、通期予想に上振れ余地があるだろう。
早期の収益改善に向けて、更なる生産効率化・合理化を遂行するとともに、重点戦略として成長戦略の実行、収益性の改善、新商品・研究開発の促進の3項目を掲げている。繊維事業では、高付加価値の自動車部品用途向けや衣料品向けの営業に特化する。また、糸・生地の独自の販売供給ルートを開拓する。環境事業では蘇生材「カラム」の認知度を高める。
3. 株主還元策
同社は、長引く市況低迷など厳しい状況にあるため、2017年3月期は無配を継続した。また、2018年3月期も無配継続予想としている。早期復配に向けて全社を挙げて業績の回復に取り組むとしている。
■Key Points
・1948年創業の合繊紡績糸メーカーで繊維事業と環境事業を展開
・繊維事業は帝人及び帝人グループ企業からの委託加工でアラミド繊維が主力
・2018年3月期通期はアラミド繊維がけん引して増収増益予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
<HN>
北日本紡績<3409>は、1948年創業の合繊紡績糸メーカーである。石川県白山市に本社及び本社工場(松任工場)を置き、繊維事業と2015年12月に立ち上げた環境事業を展開している。業界トップレベルの短繊維紡績技術、生産・品質管理能力を武器に、素材メーカーと連携して高機能・高品位の製品を市場に提供している。
繊維事業では、合繊紡績糸の製造販売及び委託加工を行っている。自動車関連資材用・産業用などのアラミド繊維(高機能難燃繊維)・高強力繊維や、衣料用・高機能インナー用・インテリア用などの紡績糸を展開している。帝人<3401>及び帝人グループ企業からの委託加工が約8割を占め、主力は帝人から委託加工のアラミド繊維である。
環境事業は2015年12月に新規事業として立ち上げられた。蘇生材「カラム」を主力製品(仕入販売)として、同製品を組み込んだ水質浄化システム・省エネルギー装置などの販売を行っている。蘇生材「カラム」は特殊パウダーを練り込んだ高分子ポリエチレン材で、プールや浴場施設の塩素障害を抑制する効果や、塩素によるヌメリ・付着物・腐食・錆を抑制する効果がある。2017年7月にはアサヒ衛陶<5341>と代理店契約を締結した。
2017年3月期に、営業利益、営業活動によるキャッシュ・フローともプラスになったことにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性を抱かせる状況は認められないと判断し、2017年3月期決算短信において「継続企業の前提に関する重要事象等」及び「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消した。
1. 業績動向
同社が8月4日に発表した2018年3月期第1四半期(2017年4月−6月)の業績は、売上高が前年同期比15.0%増の114百万円、営業利益が4百万円(前年同期は2百万円の損失)、経常利益が前年同期比75.4%増の9百万円、四半期純利益が6百万円(前年同期は0百万円の損失)だった。自動車関連のアラミド繊維の想定以上の好調がけん引して増収増益となり、各利益とも黒字だった。高付加価値のアラミド繊維の大幅増収で売上総利益率が改善基調である。
2. 今後の見通し
2018年3月期通期の業績予想は、売上高が前期比6.5%増の440百万円、営業利益が10百万円(前期は2百万円)、経常利益が10百万円(同4百万円)、当期純利益が10百万円(同5百万円)としている。高付加価値のアラミド繊維がけん引して増収増益予想である。アラミド繊維が想定以上に伸長しているようであり、通期予想に上振れ余地があるだろう。
早期の収益改善に向けて、更なる生産効率化・合理化を遂行するとともに、重点戦略として成長戦略の実行、収益性の改善、新商品・研究開発の促進の3項目を掲げている。繊維事業では、高付加価値の自動車部品用途向けや衣料品向けの営業に特化する。また、糸・生地の独自の販売供給ルートを開拓する。環境事業では蘇生材「カラム」の認知度を高める。
3. 株主還元策
同社は、長引く市況低迷など厳しい状況にあるため、2017年3月期は無配を継続した。また、2018年3月期も無配継続予想としている。早期復配に向けて全社を挙げて業績の回復に取り組むとしている。
■Key Points
・1948年創業の合繊紡績糸メーカーで繊維事業と環境事業を展開
・繊維事業は帝人及び帝人グループ企業からの委託加工でアラミド繊維が主力
・2018年3月期通期はアラミド繊維がけん引して増収増益予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
<HN>