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ネクステージ Research Memo(3):新たな店舗形態の推進により、高い成長性を回復

注目トピックス 日本株
■会社概要

ネクステージ<3186>の連結業績は、2014年11月期に関東甲信越地方における大雪による雪害と2014年4月の消費増税の影響を受け減益を経験した。2015年11月期は、経常利益が過去最高を記録したものの、期初予想を未達に終わった。しかし、新たな店舗展開により、2016年11月期の経常利益は、期初予想比で39.1%上回り、前期比55.7%増の高い成長性を回復した。2017年11月期第2四半期においても、売上高は前年同期比37.3%増、経常利益が同48.8%増と快進撃が続いている。新しい店舗形態は、エッジを効かせた専門店「SUV LAND」と顧客の生涯価値「ライフタイム・バリュー」の獲得を目指す、以前より大型の総合店の展開である。

(1) エッジを効かせた専門店「SUV LAND」
店舗の新しいコンセプトとして、2015年8月に愛知県名古屋市に展示車両数で日本最大級のSUV専門店「SUV LAND名古屋」をオープンした。SUVを主要商材とする同専門店は、常時約250台の在庫を用意しており、品ぞろえも軽SUV、国産SUV、輸入SUVと幅広く取りそろえている。SUVと顧客ニーズが近いミニバンも置く。近隣店舗の展示車数は50〜100台程度にとどまり、商品の豊富さでは他社の追随を許さない。

「SUV LAND」は、SUVと新たなライフスタイルを提案する体験型店舗である。多目的スポーツ車のSUVは趣味性が高く、「モノからコトへ」の消費者の志向の変化に対応する。同店は、車両を単に陳列販売するだけでなく、イベントを開催して来場者が楽しめる企画を打ち出している。

エッジを効かせた専門店であるSUVの大型専門店「SUV LAND」の1号店が極めて好調に推移したことから、既存の複合店を同形態へ前倒しで業態転換した。2016年11月期末には、新規出店を含め、期初計画よりも2店舗多い6店舗とした。

(2) 顧客生涯価値の獲得を目指す総合店
中古車のビジネスサイクルは、車両販売→用品販売(クロスセル)→保険→整備→点検→車検→買取で完結する。同社の従来型店では、車両販売や用品販売、保険までを重点的に行い、整備・車検から買取までのビジネスが手薄であった。総合店の展開により、1拠点で車両販売・整備車検・買取までをワンストップで提供し顧客生涯価値を獲得するようになった。車両販売後は、ガソリンなどの給油以外の消費行動となるオイル交換などの整備、点検、車検及び中古車買取のすべての事業機会に関わることを目指している。来店の頻度を増やすことで、同社店舗への顧客ロイヤリティを高める。1店舗当たりの収益源を多様化する。サービス業の売上高を増やすことで1拠点(店舗面積)当たりの売上高と利益を増やし、収益性と資産効率を高めて、ROAの向上を図る。

(3) 2016年11月期及び2017年11月期の店舗展開
2016年11月期は中型店を統合・業態変更して「SUV LAND」を開設したため、中型店の店舗数が10店舗減少した。統合により数字上の店舗数が減少しても、販売力低下を意味するものではない。2017年11月期の出店計画は、SUV LANDが1店舗の開設、総合店は四半期に1店舗のペースで4店舗のオープンを計画している。総合店は、期末の店舗数が倍増の8店舗となる。正規新車ディーラー店舗は、ボルボ・カーを2017年1月に富山県富山市と大阪府堺市に出店した。いずれも他社からのディーラー権の移転による。

新業態の店舗規模は、展示車が200台、納車待ちや入庫が200台、それに顧客の駐車場300台程度が標準とする。

同社が居抜きで利用する店舗は、パチンコホールが多い。最近のパチンコホールは、駐車場が1,000〜2,000台と大型化しており、従来の300〜400台規模の店舗は中途半端なサイズとなっている。2018年2月に出玉規制が強化される予定のため、パチンコホールの淘汰が一層進むと予想される。同社の「SUV LAND金沢」は、パチンコホールからの業態転換になる。構築物を壊さずに利用することで出店コストを抑えた。立体駐車場は、悪天候に影響されない展示スペースとして使用されている。

2017年4月に、全国で6番目となる総合店「草津店」を滋賀県草津市にオープンした。従前のテナントから購入した、スポーツ・ゴルフ用品の小売店舗の建物を改装し、土地は地権者と新たな賃貸契約をした。草津店は、主要幹線道路である県道42号沿いに位置し、敷地面積が約9,500平米、展示台数が約300台と同社最大級の店舗になる。車の購入や買取では、顧客がゆっくりと契約できるよう広い商談スペース設け、子供が遊べるキッズスペースを用意している。大型整備工場も完備している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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