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C&R Research Memo(1):VR市場やRPA市場への本格展開による成長スピードの加速に期待

注目トピックス 日本株
■要約
クリーク・アンド・リバー社<4763>は、プロフェッショナル(専門職)のエージェンシーとして、プロデュース事業(請負?アウトソーシング)、エージェンシー事業(派遣?紹介)、ライツマネジメント事業(知的財産の流通)の3つの事業を、クリエイティブ分野(テレビ・映画、ゲーム、Web等)を中心に医療、法曹、会計、建築など合わせて10分野に展開している。グループ全体で22万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、約2万社のクライアントを抱えている。

1. 2018年2月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増収増益に
2018年2月期第2四半期累計(2017年3月-8月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.8%増の14,179百万円、営業利益が同23.1%増の1,245百万円と期初計画(売上高13,000百万円、営業利益1,000百万円)を上回る増収増益となった。クリエイティブ分野(日本)におけるプロデュース事業が好調に推移したほか、医療、法曹、会計分野向けエージェンシー事業も順調に推移したことが主因だ。四半期ベースで見ると、第2四半期(2017年6月-8月)の売上高が前年同期比3.6%減、営業利益が同13.1%減と減収減益となった。売上高は韓国孫会社を連結子会社から持分法適用関連会社に異動したことで約8億円の減収要因になったが、同要因を除けば約10%の増収であった。また、利益面ではWeb制作等で官公庁向け等の大型請負案件が増加し、売上計上時期が下期以降にずれ込んだこと、将来の成長に向けた人員採用を前倒しで実施したことによるもので、合わせて130百万円のマイナス影響があったと見られる。同要因を除いたベースでは営業利益も前年同期比で約10%の増益となっており、実質的な業績動向は第2四半期も順調に推移したと言える。

2. 2018年2月期は過去最高益を連続更新
2018年2月期の業績は、売上高が前期比0.3%減の26,500百万円、営業利益は同11.8%増の1,800百万円と期初計画を据え置いている。売上高については韓国孫会社異動の影響を除けば実質13%増収となる。足許の受注状況はクリエイティブ分野を中心に引き続き堅調に推移しているほか、新規エージェンシー事業となる建築分野が当第2四半期から黒字化し、シェフ、ファッション、プロフェッサー分野も期末に向けて収支均衡レベルまで改善が進むと見られることから、会社計画の達成は十分可能と見られる。新規サービスとなるVR事業や弁護士向けSNSプラットフォーム事業「JURISTERRA(ジュリステラ)」、プロフェッショナル分野に特化した求人メディアサイト事業などは投資段階であるものの、いずれも成長ポテンシャルの高い事業であり、2019年2月期以降の収益貢献が期待される。

3. 売上高1,000億円、営業利益100億円を長期目標に掲げる
同社は長期目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を掲げている。従来は、プロフェッショナル人材の提供が事業の中心であったが、今後はこれら事業にAIやVRといった新技術や知財等を活用した付加価値の高いサービスを組み合わせていくことで、売上成長並びに収益性の向上を目指していく戦略だ。子会社の株式上場による資金調達、並びに調達した資金でのM&Aも積極的に行いながら、早期に目標を達成していく考えだ。新サービスとしては2018年よりVR分野でHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の販売、並びにVRコンテンツのプラットフォームサービスを本格展開していく予定となっている。また、2017年10月に台湾のAI・ロボットベンチャーであるIntumit Inc.(以下、インツミット)と提携し、AIプラットフォーム「SmartRobot(スマートロボット)」を使ったRPA(仮想ロボットによる業務自動化)サービスを国内で展開していく。これら新サービスは同社の事業領域であるクリエイティブ分野や医療、建築分野等との親和性も高いことから顧客獲得機会も多くあると考えられ、中長期的に同社の収益成長をけん引していくことが期待される。

Key Points
・22万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築、顧客数は約2万社に上る
・2018年2月期業績は国内クリエイティブ分野の好調で過去最高益を連続更新見通し
・売上高1,000億円、営業利益100億円を目指し、子会社のIPOやM&Aなどアグレッシブな事業展開を進めていく方針

(執筆:フィスコアナリスト 佐藤 譲)



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