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メディシノバ Research Memo(4):進行性多発型硬化症のP2b治験で2つの主要評価項目を達成(2)

注目トピックス 日本株
■メディシノバ<4875>の開発パイプラインの動向

(3) 覚せい剤(メタンフェタミン)依存症
覚せい剤依存症の患者を対象としたP2治験がUCLAにて2013年より開始され、2017年9月に完了している。同治験は国立衛生研究所(NIH)の下部組織である国立薬物乱用研究所(NIDA)の助成金を得て進められており、2018年第1四半期(1月-3月)に治験結果が発表される予定となっている。治験デザインは覚せい剤中毒者を対象としたプラセボとの二重盲検試験となり、治験期間は3回/週×12週間の外来通院とした。主要評価項目は、最後の2週間でメタンフェタミンの使用の有無を尿検査によって調べるという簡単な治験デザインとなっており早期に終了すると思われたが、覚せい剤中毒者にとって3回/週×12週間の通院を行うのはハードルが高く、途中離脱者が多く出たこともあって治験期間が長引いた。被験者数は当初140名を予定していたが、最終的には100名超にとどまったようだ。良好な治験結果が得られれば後述するオピオイド依存症も含めた格好で新たな治験を進めていくことを会社側では検討している。

また、新たに、米国政府の退役軍人省の支援を受け、ポートランド在郷軍人病院、オレゴン保健科学大学と共同でメタンフェタミン依存患者を対象としたバイオマーカー治験が開始される。この背景には、米国で戦地から帰ってきた兵士が心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しむことが大きな社会問題になっていることがあげられる。PTSDによる恐怖感、苦しみを紛らわせるため、アルコール依存症や薬物依存症になる人が多く、暴力をはじめ様々な問題をおこすことによりさらに大きな社会問題となるケースが多発している。

薬物依存症患者は体内の薬物が減少すると「離脱症状」が生じ、再度薬物を使用する循環に入ることが知られている。「離脱症状」が生じる原因として、脳内のグリア細胞の1つであるアストロサイトの異常活性が関与していることが判明しており、グリア細胞の働きを抑制する効果が確認されているイブジラストを服用すれば「離脱症状」が抑制され、薬物の再使用率を低減させる効果があると同社では考えている。覚せい剤依存症向け治療薬で承認されている医薬品はまだなく、イブジラストは同疾患でもファストトラック指定を受けている。米国でのメタンフェタミン使用者数は約44万人に上り、経済損失は年間で約234億ドルに達すると言われており、2018年1〜3月に発表予定のP2治験結果が注目される。

(4) オピオイド(ヘロイン、処方鎮痛剤)依存症
オピオイド依存症患者を対象としたP2治験(登録被験者数24人)を、コロンビア大学及びニューヨーク州精神医学研究所(NYSPI)にて2012年から2015年にかけて実施しており、2016年3月にポジティブな内容の治験結果が発表されている。

同治験では、処方オピオイドまたはヘロインに依存する入院患者を対象とし、プラセボとの二重盲検試験を実施した。治験期間は約6週間で、第1週目は解毒期間とし、第2週目にプラセボまたはイブジラストの投与を開始、第3週目にサンプルセッション(オキシコドンと現金の両方を与える)とチョイスセッション(オキシコドンか現金のどちらかを自己選択させる)を行い、オキシコドンの報酬効果や鎮痛効果、自覚症状、パフォーマンス及び生理学的効果に対して、イブジラストが与える影響を検証した。第5、6週目はプラセボ群とイブジラスト群の被験者をスイッチして同様の試験を実施している。治験結果によれば、イブジラストはオキシコドンの報酬効果(現金よりもオキシコドンを選択する)を有意に減少させたほか、ヘロイン、コカイン、煙草に対する渇欲度も減少させるデータ結果が得られている。また、オキシコドンの鎮痛効果を増加させる(オキシコドンの使用量を減少させる)ことも確認された。

同治験については国立薬物濫用研究所(NIDA)から助成金を得て治験を進めてきたが、今後、さらに総額11百万ドルの追加助成金を得て更なる治験を進めていく可能性がある。米国の大統領経済諮問委員会が発表した報告書によれば、2015年のオピオイド依存症患者数約240万人にのぼり、うちオピオイドの過剰摂取によって年間3.3万が死亡している。これは交通事故や銃犯罪を合わせた死者数を上回る水準だ。また、オピオイド乱用の結果、依存者らの生産力低下や治療費など含めた経済損失は約5,000億ドルになるとの試算も発表され(うち、治療費で720億ドル)、問題の深刻さが改めて浮き彫りにされた格好となっている。2017年10月25日にはトランプ大統領も非常事態宣言の声明を発表し、今後、同問題に対して抜本的な対応策を導入していく意向を明らかにしている。大統領はお酒を一滴も飲まないが、これはアルコール依存症により43歳の若さで亡くなった実兄が、自身の苦しみから弟であるトランプ大統領に禁酒を厳命していたためだ。アルコールとオピオイド、種類は違えども依存症により自身だけでなく近親者にも苦しみを与えると言う点では同じで、トランプ大統領にとっても身近な問題として捉えているものと思われる。今後は中毒性が比較的低い医療用鎮痛剤の開発や普及が進むほか、オピオイドそのものの流通量規制や、オピオイド依存患者が依存症から脱却するための治療薬の開発、導入なども促進されると予想される。

なお、オピオイド依存治療薬は複数上市されており、世界で12億ドル(2011年時点)の規模となっているが、治療薬そのものに中毒性があったり安全性の面からもリスクがあるなどで、医療現場ではあまり処方されていないのが現状となっている。イブジラストが今後の治験によって明確な治療効果が確認されれば、安全性に関しては問題ないだけに今後大きく成長する可能性がある。

(5) アルコール依存症
アルコール依存症の治療薬として、国立アルコール濫用・依存症研究所(NIAAA)から助成金を得て、UCLAにてP2a治験を2014年から開始し、2015年6月に被験者登録(24人)を完了、治験を終了している。

治験デザインはプラセボとの二重盲検試験で、UCLAの治験施設において実施された。治療下にないアルコール濫用/依存症患者を対象に、7日間プラセボまたはイブジラストを服用すると同時に、アルコールの点滴を受け、その後のアルコールに対する欲求度のテスト、心理状態の評価及び安全性評価を実施した。その後7〜10日間の休養期間を経て、プラセボ群とイブジラスト群の被験者をスイッチして再度7日間、同様の試験を実施した。

治験結果としては、イブジラストの投与がアルコールへの渇望度やアルコール摂取に対する報酬効果を抑制する効果があるとの分析結果が出ている。また、2016年6月には追加の治験分析結果が発表されており、抑うつ度が高いアルコール依存患者においてはアルコールの報酬効果を減少させるだけでなく、アルコール摂取によるネガティブな効果(緊張や不安を感じる等)を高める効果も確認されたとしている。今後の治験スケジュールは未定となっているものの、米国のアルコール摂取障害患者数は約1,730万人で、経済損失は年間2,240億ドルと言われているだけに、研究開発は継続していくものと見られる。

(6) グリオブラストーマ(神経膠芽腫)治療薬
グリオブラストーマは脳腫瘍の中でも最も悪性度の高い腫瘍と言われている。脳内に腫瘍が浸潤的かつ急速に増殖するため、手術による完全摘出が困難なためである。現在、標準治療法は手術で可能な限り腫瘍を摘出した後に、放射線治療や抗がん剤(テモゾロミド)による化学療法を行うというものだが、5年生存率は3〜6%で平均余命は診断から2年程度と短い。

同社では、イブジラストがグリオブラストーマの症状進行を抑制する可能性があると見て、シドニー大学、Royal North Shore Hospitalと共同でP2治験の準備を進めていくことを2017年6月に明らかにしている。ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)のケリー・マクドナルド博士が実施した研究において、テモゾロミドとイブジラストを併用することでがん細胞の増殖を抑制するシナジー効果がin-vitro試験(試験管内での実験)で確認されたほか、動物実験においてもテモゾロミド単独投与と比較して、イブジラストを併用投与したマウスの生存期間が顕著に延長したことが確認されたことによる。

グリオブラストーマと診断される患者数は米国で年間1.2〜1.4万人と言われている。進行性多発型硬化症と比較すると少ないものの、症状の進行が早く診断後の平均余命は2年程度と短いことから、延命効果のある治療薬の開発が強く望まれている分野であり、今後の開発動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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