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スターティア Research Memo(5):ストック売上高は着実な右肩上がりが続く

注目トピックス 日本株
■業績の動向

4. リカーリングモデル:ストック売上&フロー売上の状況
スターティア<3393>はストック型商材の強化に全社ベースで取り組んでいる。それを推進し目標を共有するためのスローガンとして同社は「リカーリングモデル」というコンセプトを導入した。ビジネスではリカーリング・ビジネスという考え方があり、携帯電話端末やプリンタ本体を安く売って通話料や補充インキで稼ぐタイプの事業をいう。同社のリカーリングモデルという言葉もこれと同じであり、ストック型商材の投入と拡販を通じて、好不況の波に影響されない筋肉質の収益構造を目指すことを意図している。

これまでの推移をみると、ストック売上高は年を追って着実な成長が続いており、売上高の変動はフロー売上高の好不調によってもたらされてきたことがわかる。2018年3月期第2四半期はストック売上高が2,255百万円(前年同期比5.5%増)、フロー売上高は3,116百万円(同18.3%増)となった。全売上高に占めるストック売上高の比率は42.0%で前年同期の44.8%から低下した。これはフロー売上高が伸びたことによる。

リカーリングモデル推進の対象はITインフラ関連事業だけではない。同社が今注力しているのはデジタルマーケティング関連事業のビジネスモデルのストック型への転換だ。同社はこれまでソフトウェアを買い切り(同社から見れば売り切り)主体で販売してきた。この方が一時に収入が上がることと、粗利益率が高くなるためだ。しかし今後はサービスのクラウドでの提供を主体にしていく方針だ。デジタルマーケティング関連事業の2018年3月期第2四半期(7-9月期)のストック売上高は244百万円で、セグメント売上高に占めるストック売上高の割合は51.3%となった。第1四半期の61.4%はフロー売上高が季節要因から縮小した状態の数値であり、ノイズといえる値だが、第2四半期の値は、フロー売上高が十分に伸びた中での値であり、50%超えの水準は同社のビジネスモデルの転換が着実に進んでいる証ということが出来る。

弊社ではデジタルマーケティング関連事業におけるストック型モデルへの転換は非常に意義があると考えている。理由は、同社のソフトが大企業のマーケティングで継続的に利用される場合、売り切りだと数百万円の販売代金しか入らないが、クラウド型で従量課金方式にした場合の収入は、それよりもはるかに大きくなる可能性があるためだ。また、販売方法として採用しているフリーミアムから有料課金へと移行する場合、自然な流れとしてクラウド型サービスへ移行することになり、これはストック型モデルとなる。この点でもストック比率は自ずと上昇していくことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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