ディーエムソリュ Research Memo(2):DMとインターネット広告で、顧客企業とエンドユーザーを結びつける
[18/07/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 会社概要
ディーエムソリューションズ<6549>は「つなぐ」をキーワードに、ダイレクトメール(DM)とインターネット広告を通じて顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)を結びつける事業を行っている。ダイレクトメール事業では、ダイレクトメールの企画から印刷、封入・封緘作業、配送といったソリューションを提供、単なる発送代行にとどまらないワンストップのサービスを展開している。インターネット事業では、SEOコンサルティングサービス、コンテンツマーケティング、Webサイト制作、運用広告などのインターネットマーケティングに関するソリューションを提供、顧客企業のWebマーケティングをサポートしている。この2つの事業のリアルとインターネットの特性を生かし融合することで、顧客に対して最適なソリューションを提供すると同時に、同社にとってもダイレクトメール事業の安定性とインターネット事業の成長性を兼ね備えたビジネスモデルを構築している。
同社は、現代表取締役社長の花矢卓司(はなやたくじ)氏と現取締役副社長の福村寛敏(ふくむらひろとし)氏によって、2004年にダイレクトメールの発送代行事業を目的に設立された、比較的新しい会社である。設立後は、インターネット事業の立ち上げやメールセンターの開設、SEOコンサルティングサービスの提供など、次々と新しいサービスを開発し、業容を拡大していった。さらに、2017年の東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)への株式上場を機に事業提携を活発化、新たなサービスの開発を加速している。
ちなみに、SEOは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略称で、検索エンジンの表示順位基準(以下、アルゴリズム)の解析結果に基づいて検索エンジンが高い評価をするサイト構造に最適化すること、コンテンツマーケティングとは、顧客や顧客に成り得るユーザーに対して、有益な情報を各種コンテンツによって提供することで広告主の意図する成果に結びつく行動を促すマーケティング施策のこと、運用型広告とは、ネットユーザーが広告主の意図するアクションを起こすように、リアルタイムに入札額やクリエイティブ、ターゲットなどを変更・改善を続けていく広告のこと??である。
DM発送代行とインターネット広告のベスト・ソリューションパートナー
2.事業の内容
ダイレクトメール事業では、メール便や各種割引郵便及び宅配便の発送代行が主力事業で、顧客の発送するダイレクトメールや定期刊行物のコストダウンなどを提案している。発送に関わる様々な手配や煩雑な作業を同社にアウトソーシングすることで人的コストを減らし、さらに発送料金自体も格安に抑えることができるため、大手上場企業や有名大学も含めて多くの顧客に利用されている。さらに、単なる発送代行にとどまらず、印刷物の企画・デザインからワンストップで対応することもできる。一方、顧客ニーズの高まりからインターネットにおける広告事業も手掛けている。集客力のあるホームページの制作から、SEOを中心とする検索エンジンを通じた集客方法の企画・立案、費用対効果の高い各種広告の提案、特化型メディアの運営を通じて、顧客のWebマーケティングをサポートしている。2018年3月期における売上高構成比は、ダイレクトメール事業が89%、インターネット事業が11%である。
実績多数のDM発送に裏付けされたトータルソリューション
3. ダイレクトメール事業
ダイレクトメール事業では、ダイレクトメールの企画からデザイン、印刷、封入・封緘作業、配送業者への引渡し、及びロジスティクスセンターにおける預託商品の保管、管理、配送まで、顧客のニーズに応じて、どのような段階からでも顧客の望む最適なソリューションをワンストップで提供することができる。自社内にデザイン室やメールセンター、ロジスティクスセンターを有しているため、従来、広告代理店、デザイン会社、印刷会社、封入・封緘作業会社、配送業者への引き渡しと様々な会社に別々に発注していた作業を、同社で一括管理することができ、工程間のやりとりによるタイムロスや中間マージンの排除など、顧客の負担軽減と利便性・経済性の向上に貢献している。このように、顧客とエンドユーザーを「つなぐ」最適なソリューションを提供できるため、同社に発送代行を依頼する会社は年間約3,500社に上り、かつ年々増え続けている。
ダイレクトメールは古い広告手法と思われがちだが、実在性や保存性、一覧性の点で改めて価値が見直されているところである。特にインターネット通販業界においては、サイトでのコミュニケーションに紙のカタログを組み合わせる動きが見られる。また、エンドユーザーへの訴求効果に関しては、インターネット広告にない高い効果が顧客から評価されている。このため、同社は会社設立時より毎年着実に取扱数を増加させてきた。また、インターネット通販の隆盛に伴い、宅配便など小型貨物が増加している。このため同社は、2017年7月に開設した日野フルフィルメントセンターを拠点に、商品の受注から発送までをワンストップで行う「フルフィルメントサービス」の提供を始めており、小型貨物は今後さらに成長する事業分野と期待されている。
(1) 発送代行
同社のダイレクトメール取扱数は1億2,000万通、宅配便は79万個に上る(2018年3月期実績)。ダイレクトメールや定期刊行物など各種発送媒体の特性を生かし、発送に関わる封筒/チラシデザイン・印刷までワンストップのサービスを提供、顧客にあった最適な発送方法によりコスト削減を進めている。そのうえ、同社の大量な取扱実績に加え、発送手段集中による大量差し出しなどにより、発送費自体を引き下げることができている。
(2) 物流ソリューション
同社は6つの物流センターで、1日平均120案件、50万通に及ぶダイレクトメールなど多種大量の商品を取り扱っている。顧客から預かったダイレクトメールや商品を自社の物流センターで管理しコントロールすることで、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することができる。例えば、入庫管理では、トラックや宅配便で届いた資材を荷さばき場で荷受して顧客ごとにカーゴやパレットに仕分けする。フォークリフトを完備しているため物量が多いパレット納品にも対応している。また、ルーチン発送に対応したロケーション管理も可能となっている。機械と人的リソースをミックスした作業のため、柔軟でスピーディな対応が可能である。出庫管理では、郵便局や各運送会社の規格に従った仕様での出荷が可能となっている。販促物の梱包作業や、完成品の指定場所への納品も行っている。また、最近のインターネット通販などの商品発送案件の増加に対応し、2017年7月に東京都日野市に専用施設フルフィルメントセンターを新設した。同社最大規模のセンターで、発送までのリードタイム短縮、高度な品質管理、出荷処理能力の改善など、一括受託処理能力を大幅に向上した。
(3) 同封・同梱サービス
同封・同梱サービスとは、エンドユーザーに発送するダイレクトメール(カタログ・会報誌など)や商品に顧客企業の広告物を同封するサービスである。エンドユーザー別にターゲットを狙い撃ちすることができるので、低コストでニッチなターゲットへのダイレクトなアプローチに有利である。同社の特徴は、同梱媒体が200種類以上と豊富な上ターゲットとするセグメントに応じて選択することが可能、他社ダイレクトメールに同封するため単独でDMを送付するより安価、ターゲットにとって親しみのあるDMに同封するため高い閲読率が見込める??などである。ターゲットを絞ってアプローチしたい、低コストで新規顧客に広告を出したい、Webの販促だけでなく紙媒体の販促も行ってみたい、サンプルを使って販促をしたい??という顧客にとって、最適な方法と言うことができる。
メニューには、媒体送付時に広告チラシやサンプルを同封する同封広告、商品送付時に広告チラシやサンプルを同梱する同梱広告、媒体社の名前が入った封筒を使用して単独での広告を送付する単独ダイレクトメール、媒体誌に通常の広告や記事広告を掲載する掲載広告などがある。同封・同梱のマッチング例としては、個人・法人向けを問わず、健康食品企業にはシニア層向け会報誌、高級化粧品企業には富裕層向けカタログ、採用関連サービ企業には人事部向け情報誌、福利厚生サービス企業には総務部向け情報誌などが挙げられる。
(4) グラフィックデザイン
同社は、企画からコンセプト設定、ビジュアル制作まで幅広く対応しており、顧客のブランディングもトータルにサポートすることができる。特にオリジナリティあふれる企画やコンセプト、独自の視点により、心を動かす美しいデザインを提案している。しっかりと練られた企画やコンセプトから生まれたビジュアルイメージは、様々な媒体への流用が可能であり、ポスター、カタログ、チラシといった紙媒体はもちろん、Web、映像制作、展示会出展のサポート、ロゴ製作、店舗ツールのデザインなどあらゆる場面や媒体で利用することで、グラフィックを通じた顧客とのコミュニケーション活動をサポートしている。
(5) 印刷
パンフレット・冊子・広報物、ダイレクトメール、封筒、広告チラシ、名刺・ハガキ・招待状、ポスター、伝票・フォーム印刷、カレンダー・うちわ、タックシールなど、小ロットから大ロット、ペラから冊子まで、どのような印刷にも対応することができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SF>
1. 会社概要
ディーエムソリューションズ<6549>は「つなぐ」をキーワードに、ダイレクトメール(DM)とインターネット広告を通じて顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)を結びつける事業を行っている。ダイレクトメール事業では、ダイレクトメールの企画から印刷、封入・封緘作業、配送といったソリューションを提供、単なる発送代行にとどまらないワンストップのサービスを展開している。インターネット事業では、SEOコンサルティングサービス、コンテンツマーケティング、Webサイト制作、運用広告などのインターネットマーケティングに関するソリューションを提供、顧客企業のWebマーケティングをサポートしている。この2つの事業のリアルとインターネットの特性を生かし融合することで、顧客に対して最適なソリューションを提供すると同時に、同社にとってもダイレクトメール事業の安定性とインターネット事業の成長性を兼ね備えたビジネスモデルを構築している。
同社は、現代表取締役社長の花矢卓司(はなやたくじ)氏と現取締役副社長の福村寛敏(ふくむらひろとし)氏によって、2004年にダイレクトメールの発送代行事業を目的に設立された、比較的新しい会社である。設立後は、インターネット事業の立ち上げやメールセンターの開設、SEOコンサルティングサービスの提供など、次々と新しいサービスを開発し、業容を拡大していった。さらに、2017年の東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)への株式上場を機に事業提携を活発化、新たなサービスの開発を加速している。
ちなみに、SEOは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略称で、検索エンジンの表示順位基準(以下、アルゴリズム)の解析結果に基づいて検索エンジンが高い評価をするサイト構造に最適化すること、コンテンツマーケティングとは、顧客や顧客に成り得るユーザーに対して、有益な情報を各種コンテンツによって提供することで広告主の意図する成果に結びつく行動を促すマーケティング施策のこと、運用型広告とは、ネットユーザーが広告主の意図するアクションを起こすように、リアルタイムに入札額やクリエイティブ、ターゲットなどを変更・改善を続けていく広告のこと??である。
DM発送代行とインターネット広告のベスト・ソリューションパートナー
2.事業の内容
ダイレクトメール事業では、メール便や各種割引郵便及び宅配便の発送代行が主力事業で、顧客の発送するダイレクトメールや定期刊行物のコストダウンなどを提案している。発送に関わる様々な手配や煩雑な作業を同社にアウトソーシングすることで人的コストを減らし、さらに発送料金自体も格安に抑えることができるため、大手上場企業や有名大学も含めて多くの顧客に利用されている。さらに、単なる発送代行にとどまらず、印刷物の企画・デザインからワンストップで対応することもできる。一方、顧客ニーズの高まりからインターネットにおける広告事業も手掛けている。集客力のあるホームページの制作から、SEOを中心とする検索エンジンを通じた集客方法の企画・立案、費用対効果の高い各種広告の提案、特化型メディアの運営を通じて、顧客のWebマーケティングをサポートしている。2018年3月期における売上高構成比は、ダイレクトメール事業が89%、インターネット事業が11%である。
実績多数のDM発送に裏付けされたトータルソリューション
3. ダイレクトメール事業
ダイレクトメール事業では、ダイレクトメールの企画からデザイン、印刷、封入・封緘作業、配送業者への引渡し、及びロジスティクスセンターにおける預託商品の保管、管理、配送まで、顧客のニーズに応じて、どのような段階からでも顧客の望む最適なソリューションをワンストップで提供することができる。自社内にデザイン室やメールセンター、ロジスティクスセンターを有しているため、従来、広告代理店、デザイン会社、印刷会社、封入・封緘作業会社、配送業者への引き渡しと様々な会社に別々に発注していた作業を、同社で一括管理することができ、工程間のやりとりによるタイムロスや中間マージンの排除など、顧客の負担軽減と利便性・経済性の向上に貢献している。このように、顧客とエンドユーザーを「つなぐ」最適なソリューションを提供できるため、同社に発送代行を依頼する会社は年間約3,500社に上り、かつ年々増え続けている。
ダイレクトメールは古い広告手法と思われがちだが、実在性や保存性、一覧性の点で改めて価値が見直されているところである。特にインターネット通販業界においては、サイトでのコミュニケーションに紙のカタログを組み合わせる動きが見られる。また、エンドユーザーへの訴求効果に関しては、インターネット広告にない高い効果が顧客から評価されている。このため、同社は会社設立時より毎年着実に取扱数を増加させてきた。また、インターネット通販の隆盛に伴い、宅配便など小型貨物が増加している。このため同社は、2017年7月に開設した日野フルフィルメントセンターを拠点に、商品の受注から発送までをワンストップで行う「フルフィルメントサービス」の提供を始めており、小型貨物は今後さらに成長する事業分野と期待されている。
(1) 発送代行
同社のダイレクトメール取扱数は1億2,000万通、宅配便は79万個に上る(2018年3月期実績)。ダイレクトメールや定期刊行物など各種発送媒体の特性を生かし、発送に関わる封筒/チラシデザイン・印刷までワンストップのサービスを提供、顧客にあった最適な発送方法によりコスト削減を進めている。そのうえ、同社の大量な取扱実績に加え、発送手段集中による大量差し出しなどにより、発送費自体を引き下げることができている。
(2) 物流ソリューション
同社は6つの物流センターで、1日平均120案件、50万通に及ぶダイレクトメールなど多種大量の商品を取り扱っている。顧客から預かったダイレクトメールや商品を自社の物流センターで管理しコントロールすることで、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することができる。例えば、入庫管理では、トラックや宅配便で届いた資材を荷さばき場で荷受して顧客ごとにカーゴやパレットに仕分けする。フォークリフトを完備しているため物量が多いパレット納品にも対応している。また、ルーチン発送に対応したロケーション管理も可能となっている。機械と人的リソースをミックスした作業のため、柔軟でスピーディな対応が可能である。出庫管理では、郵便局や各運送会社の規格に従った仕様での出荷が可能となっている。販促物の梱包作業や、完成品の指定場所への納品も行っている。また、最近のインターネット通販などの商品発送案件の増加に対応し、2017年7月に東京都日野市に専用施設フルフィルメントセンターを新設した。同社最大規模のセンターで、発送までのリードタイム短縮、高度な品質管理、出荷処理能力の改善など、一括受託処理能力を大幅に向上した。
(3) 同封・同梱サービス
同封・同梱サービスとは、エンドユーザーに発送するダイレクトメール(カタログ・会報誌など)や商品に顧客企業の広告物を同封するサービスである。エンドユーザー別にターゲットを狙い撃ちすることができるので、低コストでニッチなターゲットへのダイレクトなアプローチに有利である。同社の特徴は、同梱媒体が200種類以上と豊富な上ターゲットとするセグメントに応じて選択することが可能、他社ダイレクトメールに同封するため単独でDMを送付するより安価、ターゲットにとって親しみのあるDMに同封するため高い閲読率が見込める??などである。ターゲットを絞ってアプローチしたい、低コストで新規顧客に広告を出したい、Webの販促だけでなく紙媒体の販促も行ってみたい、サンプルを使って販促をしたい??という顧客にとって、最適な方法と言うことができる。
メニューには、媒体送付時に広告チラシやサンプルを同封する同封広告、商品送付時に広告チラシやサンプルを同梱する同梱広告、媒体社の名前が入った封筒を使用して単独での広告を送付する単独ダイレクトメール、媒体誌に通常の広告や記事広告を掲載する掲載広告などがある。同封・同梱のマッチング例としては、個人・法人向けを問わず、健康食品企業にはシニア層向け会報誌、高級化粧品企業には富裕層向けカタログ、採用関連サービ企業には人事部向け情報誌、福利厚生サービス企業には総務部向け情報誌などが挙げられる。
(4) グラフィックデザイン
同社は、企画からコンセプト設定、ビジュアル制作まで幅広く対応しており、顧客のブランディングもトータルにサポートすることができる。特にオリジナリティあふれる企画やコンセプト、独自の視点により、心を動かす美しいデザインを提案している。しっかりと練られた企画やコンセプトから生まれたビジュアルイメージは、様々な媒体への流用が可能であり、ポスター、カタログ、チラシといった紙媒体はもちろん、Web、映像制作、展示会出展のサポート、ロゴ製作、店舗ツールのデザインなどあらゆる場面や媒体で利用することで、グラフィックを通じた顧客とのコミュニケーション活動をサポートしている。
(5) 印刷
パンフレット・冊子・広報物、ダイレクトメール、封筒、広告チラシ、名刺・ハガキ・招待状、ポスター、伝票・フォーム印刷、カレンダー・うちわ、タックシールなど、小ロットから大ロット、ペラから冊子まで、どのような印刷にも対応することができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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