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アエリア Research Memo(7):急速に進化する技術と、ローテクながら成長を続ける市場を取り込む

注目トピックス 日本株
■経営方針とM&A戦略

4. 新たに期待する領域
(1) コラボレーション民泊サービス
民泊については前述したとおりだが、アエリア<3758>のシナジーのあり方の1つとして、ゲームと民泊のコラボレーションを企画している。トータルマネージメントは、キャラクターIPとのコラボレーション企画が実施できる民泊施設を、2018年8月に期間限定で東京・下北沢にオープンする予定である。運営代行は、民泊の運営に実績のあるTWISTが請け負う。第1弾となるコラボレーション企画は、アスガルドとコラボレーションした施設で、2018 年夏サービス開始予定のバンドマン応援ゲーム『DYNAMIC CHORD JAM&JOIN!!!!』のキャラクターの限定グッズの販売や限定ノベルティのプレゼントなどを行う計画である。さらに、2.5次元市場の拡大を受け、イベントなども検討中の模様である。当面は、ユーザーの満足度を上げ、稼働率や宿泊単価の向上につなげる考えだが、新たな不動産活用やコンテンツプロモーションへと広がる可能性もある。また、同社グループのIPばかりでなく、他社のIPを利用することも考えていく方針である。

(2) ブロックチェーントレカサービス
2018年7月18日にブロックチェーントレカサービスの販売を開始している。(6月にテックビューロ(株)の「mijin」で実証実験。)トレーディングカードを、ゲーム運営会社のサーバー上で管理するのではなく、改ざんがほぼ不可能なブロックチェーン技術を利用することで、デジタルアセットとして1枚単位で登録・発行・流通させるサービスである。これにより、これまで単独で価値を持たせる事が難しかったデジタルアセットに対する価値創造と向上を目指している。同社がIPホルダーから画像を提供してもらったキャラクターのファンを最初のターゲットとして販売し、購入したトレーディングカードでバトルゲームを楽しむことができるという仕組みである。ユーザーはカードゲームをプレイし、勝利した際に得られるポイントに応じてトレカをデコレーションする楽しみもある。

(3) クリエイティブAI研究開発
ディープラーニングを用いたAI技術を有するデータグリッドに出資した。AIを利用して「ユーザーが自分好みにゲームをカスタマイズできる」サービスを開発する意向である。人が教育・監修することで、AIにキャラクター画像やシナリオ、音声の自動生成、自然言語処理などを任せることで、世界に1つだけのカスタマイズされたゲームを提供する考えである。例えば、既に開発に着手しているキャラクターの自動生成だけでも、1つのコアアイデアとしてゲーム展開できる可能性があり、面白いだけでなく非常に幅広い取り組みである。AIは、ゲーム以外にも、民泊の予約やカギの受渡しや宿泊権利のやり取り、ブロックチェーンなどへも応用可能と思われる。

(4) サイバード
サイバードを2018年6月28日に完全子会社化している。サイバードは現在「イケメンシリーズ」に事業をフォーカスしている女性向け恋愛ゲームの老舗で、モバイルゲーム市場で女性から強い支持を受けている。同社子会社のリベル・エンタテイメントの「A3!」が単体で550万ダウンロードを突破したのに対し、サイバードが提供する「イケメンシリーズ」はシリーズ累計で1,700万以上のダウンロードを誇る。連結後は、同社の女性向けゲーム市場における大きな収益基盤となる上、サイバードが特に海外展開や自社キャラクターのIPマネジメントに定評があることから、同社のゲームやキャラクターの海外展開、コンテンツプロモーションなどでのシナジーが期待できる。なお、サイバードの業績は、2018年3月期売上高9,500百万円、EBITDA6億円と順調である。

このほか、アプリが重くなり過ぎたことによるブラウザゲームの復権や仮想通貨、拡張現実など、既存事業の先に新たな技術や成長の領域がまだ多く存在している可能性がある。それらを同社がどう取り込むかにも興味がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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