Jトラスト Research Memo(1):アジアの金融事業を原動力に、世界に羽ばたく総合金融グループを目指す
[18/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
Jトラスト<8508>は、東証2部に上場しており、傘下に国内外の金融事業、非金融事業などを有するホールディングカンパニーである。国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、2018年6月末の総資産は6,600億円を超えるまでに拡大した。今後も引き続き成長速度を緩めることなく、世界に羽ばたく総合金融グループへの発展を目指している。
1. 2019年3月期第1四半期は日本及び韓国の金融事業が業績を下支え
2019年3月期第1四半期の営業収益は17,834百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は593百万円(同75.9%減)であった。日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業は堅調に推移したが、東南アジア金融事業で貸倒引当金の繰入れ増加により営業損失を計上したことが響いた。ただ、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、為替差益の計上等により1,492百万円(同16.1%減)を確保した。この結果、2019年3月期通期予想に対する進捗率では、営業収益は21.4%、営業利益は8.4%にとどまったが、親会社の所有者に帰属する四半期利益は28.1%と順調な出足であった。
2. 2019年3月期は金融3事業を中心に増益を予想
同社では、2019年3月期の連結業績を、営業利益7,073百万円(前期比200.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益5,318百万円(前期は731百万円の損失)と予想する。主力の金融3事業で堅調な業績を見込む上、投資事業も黒字に転じることから増益となる計画だが、特に東南アジア金融事業の業績回復が計画達成の鍵を握る。2018年4月にインドネシアのマルチファイナンス会社であるOLYMPINDO MULTI FINANCE(以下、OMF)の買収を発表し、2018年5月17日には、カンボジアの商業銀行ANZ Royal Bank(以下、ANZR)の買収計画を発表した。いずれの会社も、今後、Jトラストグループとの大きなシナジーが期待され、東南アジア金融事業の業績改善に貢献すると見られる。配当は2017年3月期並みの年間12円を予定する。加えて、同社株の中長期的な保有を促す目的で、楽天ポイントを付与する株主優待制度を導入した。
3. 今後は東南アジア金融事業がグループ業績をけん引
これまで業績の足を引っ張ったIFRS転換の遅れ、韓国及びモンゴル金融事業での負ののれんなどの処理、投資事業のGroup Lease PCL (以下、GL)関連損失処理などの諸問題への対応がようやく一段落する。今期中には東南アジアでの一部債権不良化への対応も進み、今後は、成長可能性が大きい東南アジア金融事業を原動力として、同社グループは持続的かつ大きな成長を目指している。同社グループの収益モデルに変更はなく、ベースとなる主力の金融3事業の利益は安定的に成長するとみられる。
■Key Points
・2019年3月期第1四半期の営業利益は593百万円(前年同期比75.9%減)であった。東南アジア金融事業での損失が響いた
・2019年3月期は、主力の金融3事業が堅調な業績を見込み、2018年3月期の投資損失がなくなることから、営業利益7,073百万円(前期比200.3%増)を予想する。東南アジア金融事業の業績回復が、計画達成の鍵になる
・同社グループの収益モデルに変更はなく、今後は潜在成長性が大きい東南アジア金融事業が原動力となり、持続的かつ大きな成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<FA>
Jトラスト<8508>は、東証2部に上場しており、傘下に国内外の金融事業、非金融事業などを有するホールディングカンパニーである。国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、2018年6月末の総資産は6,600億円を超えるまでに拡大した。今後も引き続き成長速度を緩めることなく、世界に羽ばたく総合金融グループへの発展を目指している。
1. 2019年3月期第1四半期は日本及び韓国の金融事業が業績を下支え
2019年3月期第1四半期の営業収益は17,834百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は593百万円(同75.9%減)であった。日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業は堅調に推移したが、東南アジア金融事業で貸倒引当金の繰入れ増加により営業損失を計上したことが響いた。ただ、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、為替差益の計上等により1,492百万円(同16.1%減)を確保した。この結果、2019年3月期通期予想に対する進捗率では、営業収益は21.4%、営業利益は8.4%にとどまったが、親会社の所有者に帰属する四半期利益は28.1%と順調な出足であった。
2. 2019年3月期は金融3事業を中心に増益を予想
同社では、2019年3月期の連結業績を、営業利益7,073百万円(前期比200.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益5,318百万円(前期は731百万円の損失)と予想する。主力の金融3事業で堅調な業績を見込む上、投資事業も黒字に転じることから増益となる計画だが、特に東南アジア金融事業の業績回復が計画達成の鍵を握る。2018年4月にインドネシアのマルチファイナンス会社であるOLYMPINDO MULTI FINANCE(以下、OMF)の買収を発表し、2018年5月17日には、カンボジアの商業銀行ANZ Royal Bank(以下、ANZR)の買収計画を発表した。いずれの会社も、今後、Jトラストグループとの大きなシナジーが期待され、東南アジア金融事業の業績改善に貢献すると見られる。配当は2017年3月期並みの年間12円を予定する。加えて、同社株の中長期的な保有を促す目的で、楽天ポイントを付与する株主優待制度を導入した。
3. 今後は東南アジア金融事業がグループ業績をけん引
これまで業績の足を引っ張ったIFRS転換の遅れ、韓国及びモンゴル金融事業での負ののれんなどの処理、投資事業のGroup Lease PCL (以下、GL)関連損失処理などの諸問題への対応がようやく一段落する。今期中には東南アジアでの一部債権不良化への対応も進み、今後は、成長可能性が大きい東南アジア金融事業を原動力として、同社グループは持続的かつ大きな成長を目指している。同社グループの収益モデルに変更はなく、ベースとなる主力の金融3事業の利益は安定的に成長するとみられる。
■Key Points
・2019年3月期第1四半期の営業利益は593百万円(前年同期比75.9%減)であった。東南アジア金融事業での損失が響いた
・2019年3月期は、主力の金融3事業が堅調な業績を見込み、2018年3月期の投資損失がなくなることから、営業利益7,073百万円(前期比200.3%増)を予想する。東南アジア金融事業の業績回復が、計画達成の鍵になる
・同社グループの収益モデルに変更はなく、今後は潜在成長性が大きい東南アジア金融事業が原動力となり、持続的かつ大きな成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<FA>