TOKAI Research Memo(4):再生可能エネルギー事業を2019年4月より子会社を設立して始動
[18/08/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1.再生可能エネルギー事業の取り組みについて
2018年8月13日付でTOKAIホールディングス<3167>は、新電力会社のみんな電力と資本業務提携を締結し、再生可能エネルギー由来の電力販売等を行う100%子会社を2019年4月に設立し、事業化に向けた検討に着手したことを発表した。2019年以降、電力の固定価格買取制度(FIT)による買取期間が終了する太陽光発電設備の電力を買い取り、新設する子会社で販売していくことになる。実際の販売はグループ会社や地域の工務店などの代理店も活用していく。
まずは静岡県内の法人・個人、公共施設向けなどへ販売し、その後、同社のCATV等のサービスエリアに販売エリアを拡大していく予定にしている。また、再生可能エネルギー由来の電力販売を全国のガス事業者やCATV事業者とのアライアンス施策として積極的に活用するなど、M&Aのフック役としての役割にも期待している。
みんな電力の特徴は自社の電力取引プラットフォームにブロックチェーン技術を実装し、電源由来証明(どの電源の電力を購入したのかの証明)の発行や、個人・企業間での電力直接取引など先進的なサービスを実現可能にしていることにある。特に、電源由来の証明に関しては環境意識の高い法人・個人向けに需要があると見られる。ここ最近ではESG(環境・社会・ガバナンス)に対する取組みを強化する企業が増えてきており、RE100加盟企業※等の環境意識の高い法人や自治体向けに再生可能エネルギー比率100%のプレミアムプランのメニュー化も検討していくとしている。具体的な事業計画の発表は2018年11月に予定している。
※RE100:使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力にすることに取り組んでいる企業が加盟している国際的な企業連合。2018年5月時点で世界132社が加盟しており、日本ではリコー<7752>やイオン<8267>、アスクル<2678>など7社が加盟している。
2019年3月期業績はCATV事業等の好調持続で2期ぶりに過去最高益を更新する見通し
2. 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.1%増の195,600百万円、営業利益が同27.2%増の13,960百万円、経常利益が同24.0%増の13,880百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.6%増の7,920百万円と期初計画を据え置いている。売上高は2期連続増収で5期ぶりに過去最高を更新、利益ベースでは2期ぶりに過去最高を更新することになる。
営業利益の増益額は約30億円となるが、その内訳は2018年3月期からの顧客件数増加に伴う増収効果で21億円、2018年3月期に投下した顧客獲得コスト等の先行コストの減少で8億円となっている。2019年3月期も顧客件数の増加に取り組んでいく方針で、2021年3月期に向けた成長の基盤づくりを進めていく方針だ。なお、2019年3月期末の顧客件数は前期末比65千件増の2,941千件を見込んでいる。
なお、第2四半期以降のリスク要因として、LPガス事業の収益悪化リスクが挙げられる。夏場の気温が高めで推移したことで第2四半期も単位当たり販売量の減少が想定されるほか、原材料価格の上昇傾向が続いており、価格転嫁までのタイムラグによる原価率上昇で、同事業の収益が計画を下回るリスクがある。ただ、第1四半期同様、CATV事業の好調が続く見通しであることから、通期計画の達成は可能と弊社では見ている。
主要3事業の業績見通しについて見ると、ガス及び石油事業については、顧客件数の増加により売上高で前期比3%増収を見込む。営業利益は顧客件数の増加による利益増で9億円、解約防止コストの減少で5億円の増益となる一方で、単位消費量の減少で3億円、エリア拡大による拠点コスト増で1億円の減益を見込み、全体では10億円の増益を見込んでいると見られる。新規顧客獲得件数は前期の47千件から60千件まで増やすことを目標としている。2018年3月期に新規進出した岡山県や岐阜県、2018年6月に進出した福岡県での顧客獲得が期待される。なお、2020年3月期には新たに三重県や長野県への進出も予定している。
情報及び通信サービス事業については、売上高で前期比3%増収を見込む。法人向けについては順調に伸びるものの、コンシューマー向けが顧客数減少に伴い伸び悩むと見ている。一方、営業利益については「LIBMO」や光コラボの販促費減少及び法人向けの増収効果により2ケタ増益を見込んでいるようだ。
CATV事業については売上高で前期比7%増収、営業利益で2ケタ増益となる見通し。顧客件数は前期末比29千件の増加を見込んでいる。第2四半期以降も放送・通信のセット契約率上昇により、収益性向上が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1.再生可能エネルギー事業の取り組みについて
2018年8月13日付でTOKAIホールディングス<3167>は、新電力会社のみんな電力と資本業務提携を締結し、再生可能エネルギー由来の電力販売等を行う100%子会社を2019年4月に設立し、事業化に向けた検討に着手したことを発表した。2019年以降、電力の固定価格買取制度(FIT)による買取期間が終了する太陽光発電設備の電力を買い取り、新設する子会社で販売していくことになる。実際の販売はグループ会社や地域の工務店などの代理店も活用していく。
まずは静岡県内の法人・個人、公共施設向けなどへ販売し、その後、同社のCATV等のサービスエリアに販売エリアを拡大していく予定にしている。また、再生可能エネルギー由来の電力販売を全国のガス事業者やCATV事業者とのアライアンス施策として積極的に活用するなど、M&Aのフック役としての役割にも期待している。
みんな電力の特徴は自社の電力取引プラットフォームにブロックチェーン技術を実装し、電源由来証明(どの電源の電力を購入したのかの証明)の発行や、個人・企業間での電力直接取引など先進的なサービスを実現可能にしていることにある。特に、電源由来の証明に関しては環境意識の高い法人・個人向けに需要があると見られる。ここ最近ではESG(環境・社会・ガバナンス)に対する取組みを強化する企業が増えてきており、RE100加盟企業※等の環境意識の高い法人や自治体向けに再生可能エネルギー比率100%のプレミアムプランのメニュー化も検討していくとしている。具体的な事業計画の発表は2018年11月に予定している。
※RE100:使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力にすることに取り組んでいる企業が加盟している国際的な企業連合。2018年5月時点で世界132社が加盟しており、日本ではリコー<7752>やイオン<8267>、アスクル<2678>など7社が加盟している。
2019年3月期業績はCATV事業等の好調持続で2期ぶりに過去最高益を更新する見通し
2. 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.1%増の195,600百万円、営業利益が同27.2%増の13,960百万円、経常利益が同24.0%増の13,880百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.6%増の7,920百万円と期初計画を据え置いている。売上高は2期連続増収で5期ぶりに過去最高を更新、利益ベースでは2期ぶりに過去最高を更新することになる。
営業利益の増益額は約30億円となるが、その内訳は2018年3月期からの顧客件数増加に伴う増収効果で21億円、2018年3月期に投下した顧客獲得コスト等の先行コストの減少で8億円となっている。2019年3月期も顧客件数の増加に取り組んでいく方針で、2021年3月期に向けた成長の基盤づくりを進めていく方針だ。なお、2019年3月期末の顧客件数は前期末比65千件増の2,941千件を見込んでいる。
なお、第2四半期以降のリスク要因として、LPガス事業の収益悪化リスクが挙げられる。夏場の気温が高めで推移したことで第2四半期も単位当たり販売量の減少が想定されるほか、原材料価格の上昇傾向が続いており、価格転嫁までのタイムラグによる原価率上昇で、同事業の収益が計画を下回るリスクがある。ただ、第1四半期同様、CATV事業の好調が続く見通しであることから、通期計画の達成は可能と弊社では見ている。
主要3事業の業績見通しについて見ると、ガス及び石油事業については、顧客件数の増加により売上高で前期比3%増収を見込む。営業利益は顧客件数の増加による利益増で9億円、解約防止コストの減少で5億円の増益となる一方で、単位消費量の減少で3億円、エリア拡大による拠点コスト増で1億円の減益を見込み、全体では10億円の増益を見込んでいると見られる。新規顧客獲得件数は前期の47千件から60千件まで増やすことを目標としている。2018年3月期に新規進出した岡山県や岐阜県、2018年6月に進出した福岡県での顧客獲得が期待される。なお、2020年3月期には新たに三重県や長野県への進出も予定している。
情報及び通信サービス事業については、売上高で前期比3%増収を見込む。法人向けについては順調に伸びるものの、コンシューマー向けが顧客数減少に伴い伸び悩むと見ている。一方、営業利益については「LIBMO」や光コラボの販促費減少及び法人向けの増収効果により2ケタ増益を見込んでいるようだ。
CATV事業については売上高で前期比7%増収、営業利益で2ケタ増益となる見通し。顧客件数は前期末比29千件の増加を見込んでいる。第2四半期以降も放送・通信のセット契約率上昇により、収益性向上が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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