ホットリンク Research Memo(1):ソーシャル・ビッグデータの利活用サービスが本格化、業績は高成長フェーズへ
[18/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ホットリンク<3680>はTwitterやブログなどソーシャルメディアの投稿データを収集・分析し、企業のマーケティング戦略やリスクマネジメントに利活用するクラウドサービスを中心に展開している。2015年1月にソーシャル・ビッグデータの流通大手である米Effyis,Inc.(以下、Effyis)を子会社化し、グローバルなソーシャルメディアデータの利活用が可能となった。子会社の(株)トレンドExpressでソーシャルメディアデータを活用した越境ECサービスを開始、第3の収益柱として育成中。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計(2018年1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比22.8%増の1,468百万円、営業利益が同127.7%増の71百万円となり、また、同社が重要指標としているEBITDA(営業利益+減価償却費+減損損失)についても同19.6%増の257百万円といずれも好調に推移した。Effyisの売上高が、SNSの取扱データ拡充もあって前年同期比18.04%増の750百万円と好調にしたほか、トレンドExpressで展開するクロスバウンドサービスも中国向けプロモーション支援サービス「トレンドPR」※が順調に拡大したことで、同178.4%増の229百万円と大幅伸長したことが要因だ。
※「トレンドPR」とは中国人消費者をターゲットに自社商品の販売拡大を目指す企業に対して、SNS上の口コミデータ分析をもとに、最適なプロモーション施策を立案し実行するサービスとなる。中国大手SNSのデータを利用できる強みを生かしたサービスで、マーケティングにかかる費用対効果を可視化できるだけでなく、費用対効果も高いことから注目度が高まっている。
2. 2018年12月期通期業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比25.0%増の3,229百万円、営業利益で同33.0%減の84百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの進捗率は売上高で45.5%とほぼ順調な推移だが、営業利益では84.8%と計画を上回るペースとなっている。下期の為替レートは1米ドル105円を前提としていること、また、新サービスとなる「越境EC X(クロス)」の収益貢献も見込まれることから、現在の為替水準が続けば会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。同社では新サービスの伸び幅が現時点では予測しづらいため、期初計画を維持したとしている。なお、同社で2018年3月に発行した新株予約権の行使が全て完了し、1,820百万円の資金調達を行ったことになる。このうち7億円は人材確保・育成のための投資、3億円はM&A、資本業務提携等の戦略的投資に充当し、残り7億円と手元キャッシュで借入金1,240百万円を全額返済する予定になっている。
3. 成長戦略
同社は従来のソーシャルメディアの分析サービスから、分析したデータを利活用するソリューションサービスへと展開していくことで、収益を一段と拡大していく戦略となっている。ソーシャル・ビッグデータの収集に関してはEffyisが世界中の大手SNSのデータアクセス権を保有しており、圧倒的な存在となっている。このデータ収集力に同社の分析力を加え、それを利活用するサービスを2017年から開始しており、今後、国内外で大きく成長する見通しだ。利活用サービスとしては2018年5月にリリースした、ソーシャルメディアマーケティング支援ツールとなる「BuzzSpreader」のほか、越境ECの販売支援サービスとなる「越境EC X」が注目される。特に「越境EC X(クロス) 」については対象とする商品の販売高に応じた成果報酬型のビジネスモデルとなっているだけに、収益貢献も大きくなると期待される。今後はM&Aなども検討しながら中国だけでなく東南アジアへの展開も視野に入れている。2020年12月期に売上高で100億円を目標としている。
■Key Points
・ソーシャル・ビッグデータの収集・分析ツールの提供から、利活用サービスへと展開
・ソーシャル・ビッグデータのデータアクセス権販売好調とプロモーション支援サービスの立ち上がりにより2018年12月期第2四半期は大幅増収増益に
・ソーシャル・ビッグデータの利活用サービスを日本、中国で拡大し、東南アジア、その他地域へ横展開していく計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ホットリンク<3680>はTwitterやブログなどソーシャルメディアの投稿データを収集・分析し、企業のマーケティング戦略やリスクマネジメントに利活用するクラウドサービスを中心に展開している。2015年1月にソーシャル・ビッグデータの流通大手である米Effyis,Inc.(以下、Effyis)を子会社化し、グローバルなソーシャルメディアデータの利活用が可能となった。子会社の(株)トレンドExpressでソーシャルメディアデータを活用した越境ECサービスを開始、第3の収益柱として育成中。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計(2018年1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比22.8%増の1,468百万円、営業利益が同127.7%増の71百万円となり、また、同社が重要指標としているEBITDA(営業利益+減価償却費+減損損失)についても同19.6%増の257百万円といずれも好調に推移した。Effyisの売上高が、SNSの取扱データ拡充もあって前年同期比18.04%増の750百万円と好調にしたほか、トレンドExpressで展開するクロスバウンドサービスも中国向けプロモーション支援サービス「トレンドPR」※が順調に拡大したことで、同178.4%増の229百万円と大幅伸長したことが要因だ。
※「トレンドPR」とは中国人消費者をターゲットに自社商品の販売拡大を目指す企業に対して、SNS上の口コミデータ分析をもとに、最適なプロモーション施策を立案し実行するサービスとなる。中国大手SNSのデータを利用できる強みを生かしたサービスで、マーケティングにかかる費用対効果を可視化できるだけでなく、費用対効果も高いことから注目度が高まっている。
2. 2018年12月期通期業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比25.0%増の3,229百万円、営業利益で同33.0%減の84百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの進捗率は売上高で45.5%とほぼ順調な推移だが、営業利益では84.8%と計画を上回るペースとなっている。下期の為替レートは1米ドル105円を前提としていること、また、新サービスとなる「越境EC X(クロス)」の収益貢献も見込まれることから、現在の為替水準が続けば会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。同社では新サービスの伸び幅が現時点では予測しづらいため、期初計画を維持したとしている。なお、同社で2018年3月に発行した新株予約権の行使が全て完了し、1,820百万円の資金調達を行ったことになる。このうち7億円は人材確保・育成のための投資、3億円はM&A、資本業務提携等の戦略的投資に充当し、残り7億円と手元キャッシュで借入金1,240百万円を全額返済する予定になっている。
3. 成長戦略
同社は従来のソーシャルメディアの分析サービスから、分析したデータを利活用するソリューションサービスへと展開していくことで、収益を一段と拡大していく戦略となっている。ソーシャル・ビッグデータの収集に関してはEffyisが世界中の大手SNSのデータアクセス権を保有しており、圧倒的な存在となっている。このデータ収集力に同社の分析力を加え、それを利活用するサービスを2017年から開始しており、今後、国内外で大きく成長する見通しだ。利活用サービスとしては2018年5月にリリースした、ソーシャルメディアマーケティング支援ツールとなる「BuzzSpreader」のほか、越境ECの販売支援サービスとなる「越境EC X」が注目される。特に「越境EC X(クロス) 」については対象とする商品の販売高に応じた成果報酬型のビジネスモデルとなっているだけに、収益貢献も大きくなると期待される。今後はM&Aなども検討しながら中国だけでなく東南アジアへの展開も視野に入れている。2020年12月期に売上高で100億円を目標としている。
■Key Points
・ソーシャル・ビッグデータの収集・分析ツールの提供から、利活用サービスへと展開
・ソーシャル・ビッグデータのデータアクセス権販売好調とプロモーション支援サービスの立ち上がりにより2018年12月期第2四半期は大幅増収増益に
・ソーシャル・ビッグデータの利活用サービスを日本、中国で拡大し、東南アジア、その他地域へ横展開していく計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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