西 和仁:2018年のIPO市場は史上最高が2件誕生!【FISCOソーシャルレポーター】
[18/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家西 和仁氏(ブログ「IPOゲッターの投資日記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2018年12月19日20時に執筆
今年のIPO(新規上場)件数は年初に日本取引所グループ(JPX)がIPO件数100社を目指すという目標を掲げていたものの、最終的には90社。残念ながら届かずとなりましたがほぼ例年並みということで見れば上出来でしょうか?
IPO(新規上場)が100社に届かなかった理由としては、まず3月から4月に掛けてFRB(米連邦準備制度理事会)長期金利の利上げや米中貿易摩擦などによる外部環境の悪化が日本経済にも顕著に現れ、株式市場が不安定な相場になったことから上場を見送った企業が数社あることが挙げられます。
さらに今月(12月)上場したソフトバンク<9434>の上場観測が年初に報道され、7月には新規上場予備申請を行ったとの発表から超大型上場と被ることが懸念視され、これまた11月から12月に掛けて上場準備に入っていたものの、上場を延期したという会社も数社あるそうです。
このような状況を考えれば年初の目標100社もまんざらではなかったのかもしれません。IPO投資は効率の良い投資法で公募株を手に入れ初値で売却するという簡単な取引だけで数万円から数百万円のリターンが得れることから、非常に人気の高い投資法です。まさにまれに見るローリスクハイリターンの投資法だと言えます(当然全てのIPO投資が上手くいくわけではないので、ご注意ください)。
管理人はIPO投資を始めて12年ほど経ちますが、それまでに得た利益は今年(2018年)6月でようやく2,000万円を超えることができました。さらに上級者になると上場後の初値で購入し、すぐさま売り抜けるIPOセカンダリー投資法というものもあります。こちらはリスクはあるもののボラが大きいため人気があります。ただこちらは初値で売却するタイプと比べれば当然ハイリスクハイリターンとなります。
ただ、どちらにも言えることがIPOは需給主導で動くことも多く、銘柄探しや細かい銘柄分析が不要で、容易な点が魅力的なところでしょうか(通常の株式投資と比べて相対的にという意味です)。
ただ最近は前者のみの参加者が増え、競争倍率が高まり、なかなかIPO株に当選しないという声をよく聞きますが、管理人もそう感じている一人です。これについてはコツコツと申し込んで行くという以外に方法が無いので、宝くじだと思って根気強く申し込んでいくしかありません。
そしてタイトルにもありますように今年(2018年)はIPO(新規上場)が始まって以来の「史上最高」が2つも誕生しており、IPO市場に賑わいを見せてくれました。
まず1つは4月に上場したAI搭載プログラム「ponanza(ポナンザ)」が導入されているスマホ向け将棋アプリ「将棋ウォーズ」を主力とするHEROZ<4382>。こちらの公募価格4,500円に対して付いた初値は実に49,000円と初値テンバガー(10倍株)を叩き出しました。
これは1999年より正式採用され始まったブックビルディング制度導入後最高値の初値となり、まさに史上最高の歴史に残るIPOとなりました。もし100株(最低単位)でも当選することができていれば4,450,000円のリターンを得ることができたことになります。残念ながら管理人は当選していません…
ただ初値が高騰し過ぎたことから初値形成後はいわゆる調整となっているのは残念でなりません。
もう1つはお馴染みのソフトバンク<9434>、吸収金額2.6兆円規模の超巨大IPOです。これまで過去最大だった1987年のNTT<9432>の吸収金額2.3兆円を上回りこれも史上最高の歴史に残るIPOということになりました。
ソフトバンクは上場前に製品を多く採用しているHUAWEI(ファーウェイ)CFOの逮捕や通信障害の発生など、不安要因が多く重なってしまい一部では上場延期説も流れていましたが、初値価格は別としてしっかり上場まで辿り着けたという点を見れば、見事なところです。
来年(2019年)もまたこういった注目度の高いIPO銘柄が出て来てしっかり上場を成功させると市場が活気付き株式市場も盛り上がるのですけどね。
そして今年(2018年)からIPO投資を始めた知人に感想を聞いてみたところ、初当選は6月に上場したメルカリ<4385>で、IPO株に当選した時は何がなんだかわからなかったが、上場日に初値で売却、そして現金になったあとようやく実感が沸いたとのことでした。
ちなみにメルカリは公募価格3,000円に対して付いた初値は5,000円、100株当選で利益は200,000円となります。わずか1日で20万円の利益を得たことになります。
ただこの知人の場合は、残念ながらメルカリのIPO当選以降は年末まで一度も当選が無く、モチベーションが下がる一方だったようです。しかし、メルカリ当選時の喜びが今でも忘れられずコツコツと申し込んでいるようで、来年も継続する予定だそうです。その知人には「継続はチカラなり」といつも言っています。
さらにIPO投資を始めてからはあまり気にしていなかった経済情勢や主要各国のリーダー発言などに興味が沸き、テレビや他メディアでも積極的に政治経済に関する情報を仕入れるようになったとのことです。経済に興味が沸くということは社会的にも良いことですね。
管理人自身のIPO投資歴は今年で12年目となりますが、昨年ぐらいから本当にIPO参加者が増え、当選が難しくなっていることを実感しています。数値化するのは難しいと思いますが、仮にイメージで数値化するなら3%程度だった当選確率が今や1%を切るまで下がっているという感触です。これは単純にこれまで100件申し込んだら3件は当たっていたが、100件で1件当たるかどうかのレベルとなります。IPO投資未経験の方からすれば気の遠くなるような話かもしれませんね。
ただやはり当選時の喜び、そして何より無料で参加できてかつローリスクハイリターンのこのIPO投資の魅力が頭に刻まれているため、来年も引き続き頑張って行こうと思います。
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執筆者名:西 和仁
ブログ名:IPOゲッターの投資日記
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※2018年12月19日20時に執筆
今年のIPO(新規上場)件数は年初に日本取引所グループ(JPX)がIPO件数100社を目指すという目標を掲げていたものの、最終的には90社。残念ながら届かずとなりましたがほぼ例年並みということで見れば上出来でしょうか?
IPO(新規上場)が100社に届かなかった理由としては、まず3月から4月に掛けてFRB(米連邦準備制度理事会)長期金利の利上げや米中貿易摩擦などによる外部環境の悪化が日本経済にも顕著に現れ、株式市場が不安定な相場になったことから上場を見送った企業が数社あることが挙げられます。
さらに今月(12月)上場したソフトバンク<9434>の上場観測が年初に報道され、7月には新規上場予備申請を行ったとの発表から超大型上場と被ることが懸念視され、これまた11月から12月に掛けて上場準備に入っていたものの、上場を延期したという会社も数社あるそうです。
このような状況を考えれば年初の目標100社もまんざらではなかったのかもしれません。IPO投資は効率の良い投資法で公募株を手に入れ初値で売却するという簡単な取引だけで数万円から数百万円のリターンが得れることから、非常に人気の高い投資法です。まさにまれに見るローリスクハイリターンの投資法だと言えます(当然全てのIPO投資が上手くいくわけではないので、ご注意ください)。
管理人はIPO投資を始めて12年ほど経ちますが、それまでに得た利益は今年(2018年)6月でようやく2,000万円を超えることができました。さらに上級者になると上場後の初値で購入し、すぐさま売り抜けるIPOセカンダリー投資法というものもあります。こちらはリスクはあるもののボラが大きいため人気があります。ただこちらは初値で売却するタイプと比べれば当然ハイリスクハイリターンとなります。
ただ、どちらにも言えることがIPOは需給主導で動くことも多く、銘柄探しや細かい銘柄分析が不要で、容易な点が魅力的なところでしょうか(通常の株式投資と比べて相対的にという意味です)。
ただ最近は前者のみの参加者が増え、競争倍率が高まり、なかなかIPO株に当選しないという声をよく聞きますが、管理人もそう感じている一人です。これについてはコツコツと申し込んで行くという以外に方法が無いので、宝くじだと思って根気強く申し込んでいくしかありません。
そしてタイトルにもありますように今年(2018年)はIPO(新規上場)が始まって以来の「史上最高」が2つも誕生しており、IPO市場に賑わいを見せてくれました。
まず1つは4月に上場したAI搭載プログラム「ponanza(ポナンザ)」が導入されているスマホ向け将棋アプリ「将棋ウォーズ」を主力とするHEROZ<4382>。こちらの公募価格4,500円に対して付いた初値は実に49,000円と初値テンバガー(10倍株)を叩き出しました。
これは1999年より正式採用され始まったブックビルディング制度導入後最高値の初値となり、まさに史上最高の歴史に残るIPOとなりました。もし100株(最低単位)でも当選することができていれば4,450,000円のリターンを得ることができたことになります。残念ながら管理人は当選していません…
ただ初値が高騰し過ぎたことから初値形成後はいわゆる調整となっているのは残念でなりません。
もう1つはお馴染みのソフトバンク<9434>、吸収金額2.6兆円規模の超巨大IPOです。これまで過去最大だった1987年のNTT<9432>の吸収金額2.3兆円を上回りこれも史上最高の歴史に残るIPOということになりました。
ソフトバンクは上場前に製品を多く採用しているHUAWEI(ファーウェイ)CFOの逮捕や通信障害の発生など、不安要因が多く重なってしまい一部では上場延期説も流れていましたが、初値価格は別としてしっかり上場まで辿り着けたという点を見れば、見事なところです。
来年(2019年)もまたこういった注目度の高いIPO銘柄が出て来てしっかり上場を成功させると市場が活気付き株式市場も盛り上がるのですけどね。
そして今年(2018年)からIPO投資を始めた知人に感想を聞いてみたところ、初当選は6月に上場したメルカリ<4385>で、IPO株に当選した時は何がなんだかわからなかったが、上場日に初値で売却、そして現金になったあとようやく実感が沸いたとのことでした。
ちなみにメルカリは公募価格3,000円に対して付いた初値は5,000円、100株当選で利益は200,000円となります。わずか1日で20万円の利益を得たことになります。
ただこの知人の場合は、残念ながらメルカリのIPO当選以降は年末まで一度も当選が無く、モチベーションが下がる一方だったようです。しかし、メルカリ当選時の喜びが今でも忘れられずコツコツと申し込んでいるようで、来年も継続する予定だそうです。その知人には「継続はチカラなり」といつも言っています。
さらにIPO投資を始めてからはあまり気にしていなかった経済情勢や主要各国のリーダー発言などに興味が沸き、テレビや他メディアでも積極的に政治経済に関する情報を仕入れるようになったとのことです。経済に興味が沸くということは社会的にも良いことですね。
管理人自身のIPO投資歴は今年で12年目となりますが、昨年ぐらいから本当にIPO参加者が増え、当選が難しくなっていることを実感しています。数値化するのは難しいと思いますが、仮にイメージで数値化するなら3%程度だった当選確率が今や1%を切るまで下がっているという感触です。これは単純にこれまで100件申し込んだら3件は当たっていたが、100件で1件当たるかどうかのレベルとなります。IPO投資未経験の方からすれば気の遠くなるような話かもしれませんね。
ただやはり当選時の喜び、そして何より無料で参加できてかつローリスクハイリターンのこのIPO投資の魅力が頭に刻まれているため、来年も引き続き頑張って行こうと思います。
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執筆者名:西 和仁
ブログ名:IPOゲッターの投資日記
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