ダイキアクシス Research Memo(5):海外事業は、中国とインドで浄化槽の現地生産を開始へ(2)
[19/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
(3) 製品開発−高付加価値化
環境機器関連事業は、新製品の投入による高付加価値化に注力している。開発ポリシーは、高付加価値市場の開拓と価格・品質競争力の向上になる。2018年12月期は、中規模浄化槽とダイキアクシス<4245>が得意とするディスポーザーシステムの新製品を上市した。小中規模のマンションに対応する中規模浄化槽は、排水を浄化する生物処理能力を向上させ、コンパクトなカプセルタイプとした。従来の受注生産に対し在庫生産を可能にしたため納期短縮とコストダウンを実現した。従来製品と比べ容量を28%削減しており、価格はもとより施工性が向上している。集合住宅用ディスポーザーシステムは、処理フローの見直しにより容量を従来製品比25%以上削減した。同製品の応用として、食品工場・給食センターなどの大型厨房向けに、外部で廃棄処理している生ごみをディスポーザーシステムの利用により排出ゼロ型の産業排水処理システムとすることができる。
2018年1月に買収、子会社化したDAインベントは、高温・高圧水熱処理、亜臨界装置などで複数の技術特許を保有する。同子会社の水熱処理装置「スーパースチーム」は、有機廃棄物の分解処理を行う。保有技術は、汚泥の減量化に応用が可能だ。同社が手掛けていなかった領域に事業を拡大することができるため、シナジー効果が期待される。
(4) 上水事業
環境機器関連事業に属し新規事業に位置付けられている上水事業は、安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコサービスになる。供給する上水は地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10〜30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は同社が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、ITセンサーを駆使することで、同社の本社から24時間365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。
エスコ事業の契約期間は10年の長期にわたる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算するストック(積み上げ)型のビジネスモデルになる。各現場とも、供給開始初年度から黒字化する。現在、投資金額や生産・施工能力から年間15件の獲得を上限としている。供給設備の減価償却法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。さらに償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。エスコ事業は2006年12月期から開始されており、償却済みの高収益物件が増えることになるだろう。2018年12月期は、エスコシステムの導入契約が9件、買取が3件あった。期末のエスコ導入件数は87件となった。業態別トップ5は、病院が25件、大型商業施設と食品加工工場が各13件、福祉施設が12件、スポーツジムが11件であった。
(5) ストックビジネス
ストックビジネスの拡大を成長戦略の1つとしている。メンテナンス売上高は、2018年12月期に4,460百万円となった。3年間で20.0%増と着実な成長を遂げている。DCMグループ店舗の店舗浄化槽設備工事とメンテナンス、店舗管理業務(清掃・消防・電気等点検業務)を請け負っている。全国規模の大手コンビニエンス・ストアチェーン、大手外食チェーンの店舗及びセントラルキッチンにおける排水処理設備・浄化槽メンテナンスの一括受注を拡大する。従来の業者が地元特化型であるのに対し、同社はコスト削減だけでなく全国規模で均質の役務提供をすることで差別化を図る。メンテナンス業務に従事することで、改築や増設工事のタイムリーな提案ができ、同社に好循環をもたらす。
2. 住宅機器関連事業
住宅機器関連事業の売上高構成比(2018年12月期)は、建設関連業者等が70.1%、ホームセンターリテール商材が14.6%、住機部門工事が15.3%であった。
(1) 建設関連業者等−機器卸売業は自社商圏内で高い実績
前身のダイキが1958年の創業時に「タイルと衛生陶器の店」としてスタートしており、住宅機器の卸売業では数十年来の実績を持つ。システムキッチン、トイレ、ユニットバスなどの水回り住設機器を元請のゼネコン、地場建築業者、ハウスメーカーに販売している。商圏は本社がある四国及び瀬戸内に面する中国・近畿地方に限定され、同地域内では高い販売実績を上げている。
(2) ホームセンターリテール商材−DCMグループとの関係強化
同社はホームセンターとして日本最大の店舗網を持つDCMグループとの関係強化を図っている。2018年12月期の同グループ向け売上高は4,934百万円、売上依存度は13.6%であった。事業別内訳は住宅機器関連事業が73.3%、環境機器関連事業が25.7%だった。住宅機器関連事業はキッチン、バス、トイレ等の住宅商材の販売、リフォーム業者向けプロ用商材の販売、店舗建築工事を含む。環境機器関連事業は店舗浄化槽設備工事・メンテナンス、店舗管理業務になる。店舗建築工事はDCMグループからの直接請負になる。同社はもともとDCMグループと資本関係があり、独立後も良好な関係を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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(3) 製品開発−高付加価値化
環境機器関連事業は、新製品の投入による高付加価値化に注力している。開発ポリシーは、高付加価値市場の開拓と価格・品質競争力の向上になる。2018年12月期は、中規模浄化槽とダイキアクシス<4245>が得意とするディスポーザーシステムの新製品を上市した。小中規模のマンションに対応する中規模浄化槽は、排水を浄化する生物処理能力を向上させ、コンパクトなカプセルタイプとした。従来の受注生産に対し在庫生産を可能にしたため納期短縮とコストダウンを実現した。従来製品と比べ容量を28%削減しており、価格はもとより施工性が向上している。集合住宅用ディスポーザーシステムは、処理フローの見直しにより容量を従来製品比25%以上削減した。同製品の応用として、食品工場・給食センターなどの大型厨房向けに、外部で廃棄処理している生ごみをディスポーザーシステムの利用により排出ゼロ型の産業排水処理システムとすることができる。
2018年1月に買収、子会社化したDAインベントは、高温・高圧水熱処理、亜臨界装置などで複数の技術特許を保有する。同子会社の水熱処理装置「スーパースチーム」は、有機廃棄物の分解処理を行う。保有技術は、汚泥の減量化に応用が可能だ。同社が手掛けていなかった領域に事業を拡大することができるため、シナジー効果が期待される。
(4) 上水事業
環境機器関連事業に属し新規事業に位置付けられている上水事業は、安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコサービスになる。供給する上水は地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10〜30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は同社が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、ITセンサーを駆使することで、同社の本社から24時間365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。
エスコ事業の契約期間は10年の長期にわたる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算するストック(積み上げ)型のビジネスモデルになる。各現場とも、供給開始初年度から黒字化する。現在、投資金額や生産・施工能力から年間15件の獲得を上限としている。供給設備の減価償却法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。さらに償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。エスコ事業は2006年12月期から開始されており、償却済みの高収益物件が増えることになるだろう。2018年12月期は、エスコシステムの導入契約が9件、買取が3件あった。期末のエスコ導入件数は87件となった。業態別トップ5は、病院が25件、大型商業施設と食品加工工場が各13件、福祉施設が12件、スポーツジムが11件であった。
(5) ストックビジネス
ストックビジネスの拡大を成長戦略の1つとしている。メンテナンス売上高は、2018年12月期に4,460百万円となった。3年間で20.0%増と着実な成長を遂げている。DCMグループ店舗の店舗浄化槽設備工事とメンテナンス、店舗管理業務(清掃・消防・電気等点検業務)を請け負っている。全国規模の大手コンビニエンス・ストアチェーン、大手外食チェーンの店舗及びセントラルキッチンにおける排水処理設備・浄化槽メンテナンスの一括受注を拡大する。従来の業者が地元特化型であるのに対し、同社はコスト削減だけでなく全国規模で均質の役務提供をすることで差別化を図る。メンテナンス業務に従事することで、改築や増設工事のタイムリーな提案ができ、同社に好循環をもたらす。
2. 住宅機器関連事業
住宅機器関連事業の売上高構成比(2018年12月期)は、建設関連業者等が70.1%、ホームセンターリテール商材が14.6%、住機部門工事が15.3%であった。
(1) 建設関連業者等−機器卸売業は自社商圏内で高い実績
前身のダイキが1958年の創業時に「タイルと衛生陶器の店」としてスタートしており、住宅機器の卸売業では数十年来の実績を持つ。システムキッチン、トイレ、ユニットバスなどの水回り住設機器を元請のゼネコン、地場建築業者、ハウスメーカーに販売している。商圏は本社がある四国及び瀬戸内に面する中国・近畿地方に限定され、同地域内では高い販売実績を上げている。
(2) ホームセンターリテール商材−DCMグループとの関係強化
同社はホームセンターとして日本最大の店舗網を持つDCMグループとの関係強化を図っている。2018年12月期の同グループ向け売上高は4,934百万円、売上依存度は13.6%であった。事業別内訳は住宅機器関連事業が73.3%、環境機器関連事業が25.7%だった。住宅機器関連事業はキッチン、バス、トイレ等の住宅商材の販売、リフォーム業者向けプロ用商材の販売、店舗建築工事を含む。環境機器関連事業は店舗浄化槽設備工事・メンテナンス、店舗管理業務になる。店舗建築工事はDCMグループからの直接請負になる。同社はもともとDCMグループと資本関係があり、独立後も良好な関係を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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