ディーエムソリュ Research Memo(1):DM事業の安定高成長とインターネット事業の飛躍的成長を期待
[19/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ディーエムソリューションズ<6549>は、ダイレクトメールとインターネット広告を通じて、顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)を結ぶ事業を行っている。ダイレクトメール事業は業界大手で、メール便や各種割引郵便及び宅配便の発送代行が主力だが、デザイナーや商品企画部署を社内に有するため印刷物の企画・デザインから対応することができる。一方、顧客ニーズを受け、インターネットにおける広告事業も手掛けている。集客力のあるホームページの制作から、SEOを中心とする検索エンジンを通じた集客方法の企画・立案、バーティカルメディアの運営など、顧客のWebマーケティングをサポートしている。ダイレクトメール事業とインターネット事業の売上高の割合は、およそ9対1となっている。
ダイレクトメールの市場は微減収傾向にあるが、中小零細の事業者が多いため、2〜3%のシェアしかない同社の成長余地は大きい。加えて同社には、約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力や、スケールメリットなどによる郵便やメール便の価格競争力という強みがある。また、企画・デザインから発送まで、顧客の求めに応じてワンストップのサービスも可能である。こうした強みがあるため、新規顧客を急ピッチで獲得、市場が多少縮小しても同社が2ケタ成長を継続し、市場シェアを拡大しているのだろうと思われる。一方、インターネット事業については、競合の多い厳しい環境下にあり、現在経験値を順調に積み上げているところである。なかでも、Googleの検索エンジンのアルゴリズム変更による低迷から急回復したバーティカルメディアは、足もとで経験値を積み上げており、同社の強みとなりつつあるようだ。
2020年3月期の業績見通し(個別決算)について、同社は売上高13,995百万円(前期比14.9%増)、営業利益270百万円(同10.0%減)を見込んでいる。ダイレクトメール事業では、移転拡張した大阪営業所や新設の仙台営業所など営業力強化や発送設備の機械化により、取引案件数の拡大が見込まれる。インターネット事業では、M&Aで取得した人気サイトの「MOBY」や「e-脱毛エステ.com」などバーティカルメディアサービスに注力する方針である。このため増収効果や好採算のメディアの収益貢献は期待できるが、一方、のれんや機械の償却費増、営業やメディア強化を目的とした人件費増など、将来の収益増を見込んだ先行費用のプッシュが強まることが予想される。このため減益予想となったと思われるが、営業やメディアを強化する効果がやや保守的に想定されている印象ではある。
今後もダイレクトメール市場は微減を続けると予測されるが、中規模案件における同社のような大手業者への集約やネット通販市場の拡大に伴う宅配便発送代行の増加は進行するだろう。また、1兆5,000億円と言われるインターネット広告市場は2ケタ成長を続けている。そうした状況の中で、ダイレクトメール事業とバーティカルメディアの2事業における強みを背景に、大型案件の獲得やフルフィルメントセンターのデジタル化、営業のフル活用、地方での顧客開拓、新サービスによる販路拡大??という5つの戦略を実行し、事業領域の拡大や新規顧客の獲得に結び付ける計画である。そしてダイレクトメール事業の安定高成長を軸に、インターネット事業を飛躍的に成長させていく方針である。
■Key Points
・DM事業は営業力と価格提案力を強みにシェア拡大中
・急回復のバーティカルメディアは同社の強みの1つに
・先行費用で2020年3月期減益計画も、中期成長に弾み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SF>
ディーエムソリューションズ<6549>は、ダイレクトメールとインターネット広告を通じて、顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)を結ぶ事業を行っている。ダイレクトメール事業は業界大手で、メール便や各種割引郵便及び宅配便の発送代行が主力だが、デザイナーや商品企画部署を社内に有するため印刷物の企画・デザインから対応することができる。一方、顧客ニーズを受け、インターネットにおける広告事業も手掛けている。集客力のあるホームページの制作から、SEOを中心とする検索エンジンを通じた集客方法の企画・立案、バーティカルメディアの運営など、顧客のWebマーケティングをサポートしている。ダイレクトメール事業とインターネット事業の売上高の割合は、およそ9対1となっている。
ダイレクトメールの市場は微減収傾向にあるが、中小零細の事業者が多いため、2〜3%のシェアしかない同社の成長余地は大きい。加えて同社には、約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力や、スケールメリットなどによる郵便やメール便の価格競争力という強みがある。また、企画・デザインから発送まで、顧客の求めに応じてワンストップのサービスも可能である。こうした強みがあるため、新規顧客を急ピッチで獲得、市場が多少縮小しても同社が2ケタ成長を継続し、市場シェアを拡大しているのだろうと思われる。一方、インターネット事業については、競合の多い厳しい環境下にあり、現在経験値を順調に積み上げているところである。なかでも、Googleの検索エンジンのアルゴリズム変更による低迷から急回復したバーティカルメディアは、足もとで経験値を積み上げており、同社の強みとなりつつあるようだ。
2020年3月期の業績見通し(個別決算)について、同社は売上高13,995百万円(前期比14.9%増)、営業利益270百万円(同10.0%減)を見込んでいる。ダイレクトメール事業では、移転拡張した大阪営業所や新設の仙台営業所など営業力強化や発送設備の機械化により、取引案件数の拡大が見込まれる。インターネット事業では、M&Aで取得した人気サイトの「MOBY」や「e-脱毛エステ.com」などバーティカルメディアサービスに注力する方針である。このため増収効果や好採算のメディアの収益貢献は期待できるが、一方、のれんや機械の償却費増、営業やメディア強化を目的とした人件費増など、将来の収益増を見込んだ先行費用のプッシュが強まることが予想される。このため減益予想となったと思われるが、営業やメディアを強化する効果がやや保守的に想定されている印象ではある。
今後もダイレクトメール市場は微減を続けると予測されるが、中規模案件における同社のような大手業者への集約やネット通販市場の拡大に伴う宅配便発送代行の増加は進行するだろう。また、1兆5,000億円と言われるインターネット広告市場は2ケタ成長を続けている。そうした状況の中で、ダイレクトメール事業とバーティカルメディアの2事業における強みを背景に、大型案件の獲得やフルフィルメントセンターのデジタル化、営業のフル活用、地方での顧客開拓、新サービスによる販路拡大??という5つの戦略を実行し、事業領域の拡大や新規顧客の獲得に結び付ける計画である。そしてダイレクトメール事業の安定高成長を軸に、インターネット事業を飛躍的に成長させていく方針である。
■Key Points
・DM事業は営業力と価格提案力を強みにシェア拡大中
・急回復のバーティカルメディアは同社の強みの1つに
・先行費用で2020年3月期減益計画も、中期成長に弾み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SF>