GMOペパボ Research Memo(1):2020年以降の成長加速に向け、新サービスが育ち始める
[19/09/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット関連サービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバー「ロリポップ!」、ネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」などで、主に個人や個人事業主の表現活動を支援するサービスを展開している。
1. 2019年12月期第2四半期累計業績の概要
2019年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比10.1%増の4,419百万円、営業利益で同75.5%増の506百万円と2ケタ増収増益となり、半期ベースで過去最高業績を更新した。すべての事業セグメントで増収となり、利益面ではホスティング事業が減益となったものの、EC支援事業が増益、ハンドメイド事業は黒字に転じた。特に、ハンドメイド事業は流通額が同3.7%増と堅調に推移したことに加えて、プロモーションコストを大幅に抑制した効果により、営業利益で60百万円(前年同期比は336百万円の損失)と初めて黒字を達成した。
2. 2019年12月期業績見通し
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.2%増の9,200百万円、営業利益で同103.1%増の950百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で48.0%、営業利益で53.3%と順調に推移しており、計画達成は可能と見られる。「minne」については流通額が鈍化してきたことから、下期にプロモーションコストを増やすものの、黒字は維持する見通し。ホスティング事業では契約件数が伸び悩んでいた「ロリポップ!」において2019年9月より「ハイスピードプラン」の提供を開始し、契約件数を増やしていく。また、EC支援事業の「カラーミーショップ」については契約件数の減少が続くものの、流通額の大きい顧客の維持・獲得に取り組むほか、アプリストアの充実を図ることで増収増益を見込む。なお、2019年より新たに子会社で開始したフリーランス向け金融支援サービス「FREENANCE(フリーナンス)」※については、個人事業主であるエンジニアやデザイナーを中心に想定を上回る引き合いがあり、リピート率も約80%を高水準となっている。同社の試算では、「FREENANCE」の対象となる市場規模は年間5,000億円規模になると見ており、認知向上に注力することで早期にこうした市場を取り込んでいく考えだ。
※フリーランスと取引先の間に立ち、フリーランスが取引先に請求する金額(報酬額)を取引先に代わって即日支払するサービス。請求額の3〜10%を手数料収入とする。請求書買取り限度額は1万円〜300万円。
3.今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「表現活動を支援する会社として圧倒的No.1」を目指すことを打ち出した。インターネット上の表現活動を支えるインフラサービス(ロリポップ!等)に加えて、利用者同士が結びつくプラットフォームサービス(minne、SUZURI(オリジナルグッズ作成・販売サービス))を積極展開し、また、M&A等も活用しながら成長スピードを加速していく考えだ。「minne」の展開については、CtoCのハンドメイドマーケットから、「ものづくり」にこだわりのある企業の出品も可能とするBtoCの領域まで広げ、「ものづくりの総合プラットフォーム」として更なる規模の拡大に取り組んでいく方針を打ち出した。企業が出品する際には「minne」のブランド価値が低下しないよう、一定基準を満たした作品のみに限定し、個人作家の創作意欲が低下しないように配慮する。既に10社程度の企業の参加が予定され、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2019年12月期は「minne」の黒字化を達成し、期初計画どおり過去最高業績を更新する見通し
・「ロリポップ!」は高速プランの投入で巻き返しを図り、「カラーミーショップ」は「アプリストア」の拡充で更なる成長を目指す
・インフラサービスの成長をベースにプラットフォーム化を推進、M&Aも進めながら成長スピードを加速していく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット関連サービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバー「ロリポップ!」、ネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」などで、主に個人や個人事業主の表現活動を支援するサービスを展開している。
1. 2019年12月期第2四半期累計業績の概要
2019年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比10.1%増の4,419百万円、営業利益で同75.5%増の506百万円と2ケタ増収増益となり、半期ベースで過去最高業績を更新した。すべての事業セグメントで増収となり、利益面ではホスティング事業が減益となったものの、EC支援事業が増益、ハンドメイド事業は黒字に転じた。特に、ハンドメイド事業は流通額が同3.7%増と堅調に推移したことに加えて、プロモーションコストを大幅に抑制した効果により、営業利益で60百万円(前年同期比は336百万円の損失)と初めて黒字を達成した。
2. 2019年12月期業績見通し
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.2%増の9,200百万円、営業利益で同103.1%増の950百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で48.0%、営業利益で53.3%と順調に推移しており、計画達成は可能と見られる。「minne」については流通額が鈍化してきたことから、下期にプロモーションコストを増やすものの、黒字は維持する見通し。ホスティング事業では契約件数が伸び悩んでいた「ロリポップ!」において2019年9月より「ハイスピードプラン」の提供を開始し、契約件数を増やしていく。また、EC支援事業の「カラーミーショップ」については契約件数の減少が続くものの、流通額の大きい顧客の維持・獲得に取り組むほか、アプリストアの充実を図ることで増収増益を見込む。なお、2019年より新たに子会社で開始したフリーランス向け金融支援サービス「FREENANCE(フリーナンス)」※については、個人事業主であるエンジニアやデザイナーを中心に想定を上回る引き合いがあり、リピート率も約80%を高水準となっている。同社の試算では、「FREENANCE」の対象となる市場規模は年間5,000億円規模になると見ており、認知向上に注力することで早期にこうした市場を取り込んでいく考えだ。
※フリーランスと取引先の間に立ち、フリーランスが取引先に請求する金額(報酬額)を取引先に代わって即日支払するサービス。請求額の3〜10%を手数料収入とする。請求書買取り限度額は1万円〜300万円。
3.今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「表現活動を支援する会社として圧倒的No.1」を目指すことを打ち出した。インターネット上の表現活動を支えるインフラサービス(ロリポップ!等)に加えて、利用者同士が結びつくプラットフォームサービス(minne、SUZURI(オリジナルグッズ作成・販売サービス))を積極展開し、また、M&A等も活用しながら成長スピードを加速していく考えだ。「minne」の展開については、CtoCのハンドメイドマーケットから、「ものづくり」にこだわりのある企業の出品も可能とするBtoCの領域まで広げ、「ものづくりの総合プラットフォーム」として更なる規模の拡大に取り組んでいく方針を打ち出した。企業が出品する際には「minne」のブランド価値が低下しないよう、一定基準を満たした作品のみに限定し、個人作家の創作意欲が低下しないように配慮する。既に10社程度の企業の参加が予定され、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2019年12月期は「minne」の黒字化を達成し、期初計画どおり過去最高業績を更新する見通し
・「ロリポップ!」は高速プランの投入で巻き返しを図り、「カラーミーショップ」は「アプリストア」の拡充で更なる成長を目指す
・インフラサービスの成長をベースにプラットフォーム化を推進、M&Aも進めながら成長スピードを加速していく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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