GMOペパボ Research Memo(6):ハンドメイド事業はプロモーションコストの抑制効果により初めて黒字を達成
[19/09/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■GMOペパボ<3633>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) ホスティング事業
ホスティング事業の売上高は前年同期比3.7%増の2,271百万円、営業利益は同3.1%減の698百万円と増収減益となった。顧客単価の上昇により増収基調が続いたものの、契約件数の増加を目的に「ロリポップ!」の広告宣伝費を前年同期の0.5億円から0.8億円に積み増したことが減益要因となった。2019年12月期第2四半期末における契約件数は、「ロリポップ!」を中心としたレンタルサーバーが前年同期末比0.3%減の438千件、ドメイン取得代行サービスの「ムームードメイン」が同1.1%減の1,229千件となっている。
主要サービス別で見ると、「ロリポップ!」の売上高は前年同期比4.8%増の891百万円、営業利益は同5.7%減の446百万円となった。2019年12月期第2四半期末の「ロリポップ!」の契約件数は前年同期末の408千件から406千件に減少したものの、料金プランの中で上位プランやオプション機能への誘導を強化した結果、平均単価が366円と前年同期比で5.2%上昇したことが増収要因となった。利益面では契約件数の回復を目的に広告宣伝費を積み増したことが減益要因となったが、契約件数については2018年12月期末の404千件を底に回復に転じており、プロモーションの成果が出ている。
一方、「ムームードメイン」の売上高は前年同期比3.4%増の1,044百万円、営業利益は同17.0%増の135百万円となった。2018年に実施した新ドメインの割引キャンペーンで取得されたドメインの契約更新率が低調だったことから、契約件数は若干減少したものの、2018年4月より原価率の高かった一部ドメインで値上げを実施した効果が継続し増益要因となっている。平均単価は約420円と若干ながら上昇傾向が続いている。
(2) EC支援事業
EC支援事業の売上高は前年同期比25.6%増の1,183百万円、営業利益は同5.7%増の452百万円と増収増益基調が続いた。このうち、主力のネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」の売上高は同6.2%増の667百万円、営業利益は同6.5%増の414百万円と増収増益となった。2019年12月期第2四半期末の契約件数は前年同期末比4.6%減の42,175件と減少が続いたものの、解約の多くは取引規模の小さい顧客であり、流通額合計は前年同期比で拡大基調が続いている。継続的にアップセル施策に取り組んでいることもあり、平均顧客単価は2,529円と前年同期比で10.1%上昇し、増収増益要因となっている。なお、2019年5月より新サービスとして、第三者が開発したシステムや機能をショップオーナーに提供できる「カラーミーショップ アプリストア」を提供開始している。同社はベンダーかショップオーナーから獲得する収益の一部を手数料収入とするビジネスモデルとなっており、今後は「アプリストア」の活性化による収益獲得も見込んでいる。
一方、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」、「Canvath」については、売上高で前年同期比92.6%増の393百万円、営業利益で同7.3%減の35百万円となった。「SUZURI」については、2019年6月に実施したTシャツセールがヒットし、月間流通額で過去最高の1億円を突破するなど好調に推移しており、売上高は約3億円となった。累積会員数も29万人(前年同期末20万人)と順調に拡大している。一方、前第2四半期から加わった「Canvath」については、第2四半期での比較で見ると減収となっている。利益面では、機能拡充に伴う開発費や人件費の増加が減益要因となっている。
(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の売上高は前年同期比5.4%増の836百万円、営業利益は60百万円(前年同期は336百万円の損失)と初めて黒字化した。「minne」の認知度向上を図るため、2015年以降実施してきた大規模プロモーションの結果、2019年12月期第2四半期末の作家数は前年同期末比21.8%増の54万人、作品数は同21.8%増の998万点、アプリダウンロード数は同12.6%増の1,073万と業界最大規模のサービス基盤を構築している。2019年12月期は黒字化を経営方針として期初に掲げ、プロモーションコストを前年同期比70.1%減の1.3億円を大幅に抑制したことが奏功した。流通額についてはプロモーションコストを抑えるなかで、同3.7%増の6,158百万円と堅調に推移し、注文件数は同1.0%増の202.1万件、平均注文単価は同2.6%増の3,045円となった。
(4) その他
その他には、同社が運営するブログサービス「JUGEM」及び2019年12月期より子会社として加わったGMOクリエイターズネットワークが運営するフリーランス向け金融支援サービス「FREENANCE」等が含まれている。売上高は子会社の寄与により前年同期比44.0%増の128百万円となったが、「FREENANCE」の立ち上げ費用等により営業損失14百万円(前年同期は17百万円の利益)を計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別の動向
(1) ホスティング事業
ホスティング事業の売上高は前年同期比3.7%増の2,271百万円、営業利益は同3.1%減の698百万円と増収減益となった。顧客単価の上昇により増収基調が続いたものの、契約件数の増加を目的に「ロリポップ!」の広告宣伝費を前年同期の0.5億円から0.8億円に積み増したことが減益要因となった。2019年12月期第2四半期末における契約件数は、「ロリポップ!」を中心としたレンタルサーバーが前年同期末比0.3%減の438千件、ドメイン取得代行サービスの「ムームードメイン」が同1.1%減の1,229千件となっている。
主要サービス別で見ると、「ロリポップ!」の売上高は前年同期比4.8%増の891百万円、営業利益は同5.7%減の446百万円となった。2019年12月期第2四半期末の「ロリポップ!」の契約件数は前年同期末の408千件から406千件に減少したものの、料金プランの中で上位プランやオプション機能への誘導を強化した結果、平均単価が366円と前年同期比で5.2%上昇したことが増収要因となった。利益面では契約件数の回復を目的に広告宣伝費を積み増したことが減益要因となったが、契約件数については2018年12月期末の404千件を底に回復に転じており、プロモーションの成果が出ている。
一方、「ムームードメイン」の売上高は前年同期比3.4%増の1,044百万円、営業利益は同17.0%増の135百万円となった。2018年に実施した新ドメインの割引キャンペーンで取得されたドメインの契約更新率が低調だったことから、契約件数は若干減少したものの、2018年4月より原価率の高かった一部ドメインで値上げを実施した効果が継続し増益要因となっている。平均単価は約420円と若干ながら上昇傾向が続いている。
(2) EC支援事業
EC支援事業の売上高は前年同期比25.6%増の1,183百万円、営業利益は同5.7%増の452百万円と増収増益基調が続いた。このうち、主力のネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」の売上高は同6.2%増の667百万円、営業利益は同6.5%増の414百万円と増収増益となった。2019年12月期第2四半期末の契約件数は前年同期末比4.6%減の42,175件と減少が続いたものの、解約の多くは取引規模の小さい顧客であり、流通額合計は前年同期比で拡大基調が続いている。継続的にアップセル施策に取り組んでいることもあり、平均顧客単価は2,529円と前年同期比で10.1%上昇し、増収増益要因となっている。なお、2019年5月より新サービスとして、第三者が開発したシステムや機能をショップオーナーに提供できる「カラーミーショップ アプリストア」を提供開始している。同社はベンダーかショップオーナーから獲得する収益の一部を手数料収入とするビジネスモデルとなっており、今後は「アプリストア」の活性化による収益獲得も見込んでいる。
一方、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」、「Canvath」については、売上高で前年同期比92.6%増の393百万円、営業利益で同7.3%減の35百万円となった。「SUZURI」については、2019年6月に実施したTシャツセールがヒットし、月間流通額で過去最高の1億円を突破するなど好調に推移しており、売上高は約3億円となった。累積会員数も29万人(前年同期末20万人)と順調に拡大している。一方、前第2四半期から加わった「Canvath」については、第2四半期での比較で見ると減収となっている。利益面では、機能拡充に伴う開発費や人件費の増加が減益要因となっている。
(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の売上高は前年同期比5.4%増の836百万円、営業利益は60百万円(前年同期は336百万円の損失)と初めて黒字化した。「minne」の認知度向上を図るため、2015年以降実施してきた大規模プロモーションの結果、2019年12月期第2四半期末の作家数は前年同期末比21.8%増の54万人、作品数は同21.8%増の998万点、アプリダウンロード数は同12.6%増の1,073万と業界最大規模のサービス基盤を構築している。2019年12月期は黒字化を経営方針として期初に掲げ、プロモーションコストを前年同期比70.1%減の1.3億円を大幅に抑制したことが奏功した。流通額についてはプロモーションコストを抑えるなかで、同3.7%増の6,158百万円と堅調に推移し、注文件数は同1.0%増の202.1万件、平均注文単価は同2.6%増の3,045円となった。
(4) その他
その他には、同社が運営するブログサービス「JUGEM」及び2019年12月期より子会社として加わったGMOクリエイターズネットワークが運営するフリーランス向け金融支援サービス「FREENANCE」等が含まれている。売上高は子会社の寄与により前年同期比44.0%増の128百万円となったが、「FREENANCE」の立ち上げ費用等により営業損失14百万円(前年同期は17百万円の利益)を計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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