TOKAI Research Memo(2):LPガスや情報通信、CATVなど各種生活インフラサービスを提供(1)
[19/11/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
TOKAIホールディングス<3167>は静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」や「情報通信事業」を展開しており、経営ビジョンとして「Total Life Concierge(TLC)」構想を掲げている。暮らしに関わるあらゆるサービスをワンコントラクト、ワンストップ、ワンコールセンターで総合的に提供し、顧客やその先の地域・社会・地球環境とのつながりを深めながら、人々の豊かな生活、地域社会の発展、地球環境保全に貢献し、日本を代表する生活総合サービス企業に成長していくことを目指している。
事業セグメントは、「ガス及び石油事業」「情報及び通信サービス事業」「CATV事業」「建築及び不動産事業」「アクア事業」「その他」の6つに分けて開示している。事業セグメント別の売上構成比(2020年3月期第2四半期累計)で見ると、祖業である「ガス及び石油事業」が38.5%、「情報及び通信サービス事業」が27.9%、「CATV事業」が16.8%となっており、これら3事業で全体の80%を超える水準となっている。事業セグメント別の内容は以下のとおり。
1. ガス及び石油事業
ガス及び石油事業では、売上高の約82%をLPガス事業、約18%を都市ガス事業で占めている。主力のLPガス事業は(株)TOKAIで家庭・産業用を主に展開している。サービスエリアは静岡県や関東圏を中心に展開してきたが、2015年以降は南東北エリアや中部・東海、中国、九州エリアなど他エリアにも積極的に進出し、顧客件数の拡大に注力している。契約件数は2019年9月末時点で639千件となっており、直販では岩谷産業<8088>、日本瓦斯<8174>に続く3番手となる。市場シェアは、地盤である静岡県で約2割とトップ、競争の激しい関東圏でも1割弱と2番手に位置する。LPガス利用世帯数は全国で約2,000万世帯あるため、全国シェアで見ると約3%の水準だが、今後、営業エリアの拡張やM&Aの推進によりシェア拡大を目指していく。
一方、都市ガス事業は東海ガス(株)が静岡県の焼津市、藤枝市、島田市で都市ガスの供給を行っていたが、2017年4月にガス小売りの自由化が解禁されたことを契機にM&Aによる営業エリアの拡大戦略を進めている。その第1弾として、群馬県の下仁田町ガス事業を2019年4月に譲受して営業を開始しているほか、2020年4月からは秋田県にかほ市のガス事業についても同社で譲受し、営業を開始する予定となっている。契約件数は2019年9月末時点で56千件となっている。都市ガスについては全国で203事業者あり、このうち大手4社を除けば地域の中小規模事業者で大半を占めていることから、今後もM&Aにより営業エリアを拡大していく方針となっている。
2. 情報及び通信サービス事業
(株)TOKAIコミュニケーションズで展開する情報及び通信サービス事業には、コンシューマー向けのISP(インターネットサービスプロバイダ)事業、モバイル事業(携帯電話販売代理店)と、法人向けの通信回線提供サービス、システム開発事業で構成されている。2020年3月期第2四半期累計の売上構成比は、コンシューマー向けが約56%、法人向けが約44%となっている。
ISP事業は、全国をサービスエリアとする「@T COM(アットティーコム)」と静岡県をサービスエリアとする「TOKAIネットワーククラブ(TNC)」の2つのサービスを展開しており、静岡県内では約23%とトップシェアを占めている。また、2015年2月よりNTT<9432>から光回線の卸提供を受け、自社の光インターネット接続サービスとセットで提供する光コラボサービス(「@T COMヒカリ」「TNCヒカリ」)の提供も開始している。2019年9月末の顧客件数は、従来型ISPサービス等で403千件、光コラボサービスで324千件となっており、従来型ISPサービス等から光コラボサービスへの転換が進んでいる。ただ、合計では727千件と光コラボサービス開始直後である2015年3月末時点の863千件から減少傾向が続いている。NTTの光回線卸の開始によって大手携帯電話事業者が携帯電話サービスとのセット割引販売を展開しており、新規顧客の獲得を上回るペースで顧客流出が続いていることが要因となっている。
モバイル事業では、ソフトバンク<9434>の代理店として静岡県を中心にモバイルショップ12店舗(専売店4店舗、併売店8店舗)を展開しており、2019年9月末の顧客件数は215千件と2016年3月末の236千件をピークに緩やかな減少傾向が続いている。また、2017年2月よりMVNO事業※として格安スマートフォンサービス「LIBMO(リブモ)」の販売を開始しており、2019年9月末の顧客件数は43千件と着実に増加している。
※MVNO (Mobile Virtual Network Operator) :携帯電話等の無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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TOKAIホールディングス<3167>は静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」や「情報通信事業」を展開しており、経営ビジョンとして「Total Life Concierge(TLC)」構想を掲げている。暮らしに関わるあらゆるサービスをワンコントラクト、ワンストップ、ワンコールセンターで総合的に提供し、顧客やその先の地域・社会・地球環境とのつながりを深めながら、人々の豊かな生活、地域社会の発展、地球環境保全に貢献し、日本を代表する生活総合サービス企業に成長していくことを目指している。
事業セグメントは、「ガス及び石油事業」「情報及び通信サービス事業」「CATV事業」「建築及び不動産事業」「アクア事業」「その他」の6つに分けて開示している。事業セグメント別の売上構成比(2020年3月期第2四半期累計)で見ると、祖業である「ガス及び石油事業」が38.5%、「情報及び通信サービス事業」が27.9%、「CATV事業」が16.8%となっており、これら3事業で全体の80%を超える水準となっている。事業セグメント別の内容は以下のとおり。
1. ガス及び石油事業
ガス及び石油事業では、売上高の約82%をLPガス事業、約18%を都市ガス事業で占めている。主力のLPガス事業は(株)TOKAIで家庭・産業用を主に展開している。サービスエリアは静岡県や関東圏を中心に展開してきたが、2015年以降は南東北エリアや中部・東海、中国、九州エリアなど他エリアにも積極的に進出し、顧客件数の拡大に注力している。契約件数は2019年9月末時点で639千件となっており、直販では岩谷産業<8088>、日本瓦斯<8174>に続く3番手となる。市場シェアは、地盤である静岡県で約2割とトップ、競争の激しい関東圏でも1割弱と2番手に位置する。LPガス利用世帯数は全国で約2,000万世帯あるため、全国シェアで見ると約3%の水準だが、今後、営業エリアの拡張やM&Aの推進によりシェア拡大を目指していく。
一方、都市ガス事業は東海ガス(株)が静岡県の焼津市、藤枝市、島田市で都市ガスの供給を行っていたが、2017年4月にガス小売りの自由化が解禁されたことを契機にM&Aによる営業エリアの拡大戦略を進めている。その第1弾として、群馬県の下仁田町ガス事業を2019年4月に譲受して営業を開始しているほか、2020年4月からは秋田県にかほ市のガス事業についても同社で譲受し、営業を開始する予定となっている。契約件数は2019年9月末時点で56千件となっている。都市ガスについては全国で203事業者あり、このうち大手4社を除けば地域の中小規模事業者で大半を占めていることから、今後もM&Aにより営業エリアを拡大していく方針となっている。
2. 情報及び通信サービス事業
(株)TOKAIコミュニケーションズで展開する情報及び通信サービス事業には、コンシューマー向けのISP(インターネットサービスプロバイダ)事業、モバイル事業(携帯電話販売代理店)と、法人向けの通信回線提供サービス、システム開発事業で構成されている。2020年3月期第2四半期累計の売上構成比は、コンシューマー向けが約56%、法人向けが約44%となっている。
ISP事業は、全国をサービスエリアとする「@T COM(アットティーコム)」と静岡県をサービスエリアとする「TOKAIネットワーククラブ(TNC)」の2つのサービスを展開しており、静岡県内では約23%とトップシェアを占めている。また、2015年2月よりNTT<9432>から光回線の卸提供を受け、自社の光インターネット接続サービスとセットで提供する光コラボサービス(「@T COMヒカリ」「TNCヒカリ」)の提供も開始している。2019年9月末の顧客件数は、従来型ISPサービス等で403千件、光コラボサービスで324千件となっており、従来型ISPサービス等から光コラボサービスへの転換が進んでいる。ただ、合計では727千件と光コラボサービス開始直後である2015年3月末時点の863千件から減少傾向が続いている。NTTの光回線卸の開始によって大手携帯電話事業者が携帯電話サービスとのセット割引販売を展開しており、新規顧客の獲得を上回るペースで顧客流出が続いていることが要因となっている。
モバイル事業では、ソフトバンク<9434>の代理店として静岡県を中心にモバイルショップ12店舗(専売店4店舗、併売店8店舗)を展開しており、2019年9月末の顧客件数は215千件と2016年3月末の236千件をピークに緩やかな減少傾向が続いている。また、2017年2月よりMVNO事業※として格安スマートフォンサービス「LIBMO(リブモ)」の販売を開始しており、2019年9月末の顧客件数は43千件と着実に増加している。
※MVNO (Mobile Virtual Network Operator) :携帯電話等の無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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