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ミロク情報 Research Memo(6):2020年3月期は9期連続の増収増益に、下期は受注残の積み上げに取り組む

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2020年3月期の業績見通し
ミロク情報サービス<9928>の2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.6%増の34,000百万円、営業利益で同20.0%増の6,200百万円、経常利益で同22.6%増の6,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.3%増の4,040百万円と期初計画を据え置いた。上期を上方修正したにもかかわらず、通期業績予想を据え置いたのは、下期の事業環境に不透明さが見られること、第3四半期までハードウェアの需要増加(粗利率低下)傾向が続きそうなこと、2021年3月期以降の成長に向けた研究開発や製品開発を推進すること、人材強化や労働環境の改善(福岡支社を移転予定)に向けた費用増を見込んでいること、などを理由として挙げている。

このうち、研究開発、製品開発投資や人材投資等については、下期の業績動向なども考慮しながら費用投下していく方針にしている。第2四半期末のシステム導入契約売上高の受注残(単体)が4.49ヶ月に減少したため、下期は受注残の積上げに注力する方針。また、中期経営計画最終年度となる2021年3月期の業績目標値(売上高380億円、経常利益80億円)の達成に向けては、同社単体の成長に加えて、連結子会社の事業拡大やM&Aの実行などが重要になるとみられる。

2020年3月期の事業計画のポイントとして、同社単体の業績拡大を確実に実行し、連結子会社については経営・事業体制の強化を進めていく方針となっており、具体的な取り組みとしては以下の3点が挙げられる。

(1) 経営環境(法規制・補助金等)
IT導入補助金、消費税軽減税率対策補助金、中小企業投資促進税制といった補助金等を活用したIT投資の需要を取り込んでいくほか、労働基準法の改正等による「働き方改革」「業務効率化」に貢献するクラウドサービス「かんたんクラウド」シリーズ等の拡充を進め、会計事務所の顧問先となる中小企業へ販売拡大していく。

(2) 販売体制・ソリューション力の強化
主要都市部において会計事務所と中堅企業向けの販売・サポート体制を分離し、各々の専門性に一層特化したソリューションビジネスを展開し、新規顧客の獲得に注力していく(既に主要都市にソリューション支社を立上げ済み)。また、「働き方改革」を支援するクラウドサービス「Edge Tracker(エッジトラッカー)」の機能強化も推進していく。「Edge Tracker」とは、経費精算および勤怠管理や給与明細参照などの業務管理システムのマルチデバイス対応により、いつでも、どこでも利用できる従業員向けのクラウドサービスで、現在、「経費精算」「勤怠管理」「給与明細参照」「年末調整申告」「ワークフロー」のサービスを提供している。同社のERP製品との連携が可能で、従業員の業務効率化と同時に迅速な経営管理が可能となる。

(3) パートナーシップ体制の強化
ミロク会計人会※との協力体制を強化し、その顧問先となる中小企業のIT化を促進していく。また、地域金融機関とのパートナーシップを強化し、その顧客となる地域の中小企業向けに同社のERP製品や各種クラウドサービスの提供、mmapの事業継続・承継支援サービス等を提供していく。

※同社のシステムを利用する会計事務所で組織された任意団体で、地域ごとに全国11の単位会があり、職業会計人の業務改善、職域拡大とともに会員相互の発展と親睦を図ることを目的に活動している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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