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プロパスト Research Memo(4):パターン化でデザイン性と低コストを両立

注目トピックス 日本株
■賃貸開発事業

1. 事業概要
プロパスト<3236>は利便性の高い物件を自社保有し、同社のネットワークを駆使して空室率を最小限に抑制するとともに、優良なテナント付けを行うなかで賃貸業務を行っている。首都圏エリアを中心とした立地で、かつ、最寄り駅から徒歩10分圏内のマンション用地を取得し、40〜50坪程度の小さな土地を中心に、20戸以下の小規模な中低層物件に狙いを定める。投資額は1物件当たり土地購入を1〜2億円程度にとどめ、20戸程度の1棟で3〜5億円程度での売却を目標としている。

賃貸開発事業の2020年5月期第2四半期累計の売上高は7,135百万円(前年同期比119.0%増)、営業利益も1,295百万円(同76.1%増)と引き続き好調で、会社全体の業績をけん引した。結果、売上高では会社全体の56.9%、営業利益でも72.6%を占め、同社の稼ぎ頭になっている。また、営業利益率も18.1%と高水準を維持し、同社の中では最も収益性が高い事業である。海外投資家や、相続税対策として銀行借入によって物件を購入する個人投資家層が多く、企業の社宅ニーズも増えている。同社がこれらのニーズにマッチする物件を供給していることが、賃貸開発事業が好調の理由であろう。

2. 特長
分譲開発事業などで培った同社のデザイン力を生かし、コストを抑制しながら、ハイセンスな賃貸マンションを建築することで個人投資家層を対象に売却を行う。小規模かつ中低層物件に特化することで、物件取得時以降の外部環境の変化や建築費用の上昇等の変動要因の影響を抑制する。竣工した物件については、一時的には同社で保有するものの、その後は外部環境を勘案しながら、売却時期を検討する。

徹底的なコンセプト重視の分譲開発事業とは違い、賃貸開発事業ではパターン化を行うことで、外壁をコンクリートの打ちっぱなしにするなど、デザイン性を損なうことなく、低コストを実現している。「グランジット」シリーズは6階以上の物件でエレベーターが付くが、「コンポジット」シリーズは5階以下の物件でエレベーターはなく、初期投資が安くできる。また、分譲開発事業と同じく、ローンが付きやすいRC造にこだわって展開している。近年スタートした事業ではあるが、戦略的には重要な位置付けとなっている。

売却先は個人投資家を主な対象にしており、最近では、アジアの富裕層が全体の10%程度を占めるという。また、社宅用に企業が購入する例も増えている。視覚的に訴求するような資料を作成し、建物や部屋のデザイン性を強調しながら、立地の良さや利回りを明記し提案に使用しており、仲介会社からも評判が良いようだ。

3. 実績例
賃貸開発事業の最近の主な実績例は以下のとおり。
(1)PASEO目黒(東京都目黒区下目黒、2020年1月竣工)
(2)コンポジット戸越(東京都品川区戸越、2019年11月竣工)
(3)グランジット八丁堀(東京都中央区八丁堀、2019年11月竣工)
(4)クレヴィスタ西蒲田(大田区西蒲田、2019年10月竣工)
(5)コンポジット上野毛FRONT(東京都世田谷区上野毛、2019年10月竣工)
(6)コンポジット元住吉(川崎市中原区木月、2019年9月竣工)
(7)リライア大森(東京都品川区南大井、2019年9月竣工)
(8)コンポジット門前仲町サウス(東京都江東区古石場、2019年9月竣工)
(9)SOLASIA residence京橋(東京都中央区八丁堀、2019年5月竣工)
(10)コンポジット品川中延(東京都品川区西中延、2019年4月竣工)
(11)コンポジット板橋大山ラシクラス(東京都板橋区中丸町、2019年2月竣工)

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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