アイル Research Memo(8):2022年7月期に営業利益2,000百万円、営業利益率15%超を目標とする
[20/04/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■アイル<3854>の中期成長戦略
1. 3ヶ年中期経営計画
3ヶ年中期経営計画(2020年7月期−2022年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2022年7月期の目標値に売上高13,200百万円、営業利益2,000百万円、経常利益2,026百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,338百万円を掲げている。利益率の一段の上昇を目指す方針で、2022年7月期には営業利益率15%超を目標としている。
なお2021年7月期は期初計画を上方修正しているものの、2021年7月期以降の計画については、新型コロナウイルス感染拡大の影響などを考慮して据え置いている。
2. 成長戦略
中長期成長戦略としては、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自戦略のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。
(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築
各業種パッケージの製品強化、現行5業種特化(アパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界)における顧客層拡大、新営業拠点の設置や商圏エリアの拡大、ERP市場やBtoB EC市場の開拓などを加速する。顧客層拡大では、従来は業態として卸売業がメイン顧客層だったが、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」の業種特化型標準パッケージ展開で培った機能・ノウハウを生かして、特化5業種の中で製造・輸入・小売業といった業態に顧客層の拡充を推進する。
(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成
次世代クラウドサービスの開発や新料金プランの策定により、BtoB EC市場のバックヤード支援強化を推進する。
(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出
ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用したサービスの開発を推進する。
3. DX支援のリーディングカンパニーを目指す
さらに同社は、DX支援のリーディングカンパニーを目指している。DXとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」という概念で、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術によって変革し、新たな価値を創造することである。そしてブロックチェーン技術やAI技術も活用した次世代クラウドサービスなどの開発を推進する。
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
2017年6月にシビラに出資し同社と資本業務提携した。シビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組む。2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」にて、シビラが独自開発したブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2) 次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」稼働
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設し、2017年10月から本格稼働を開始した。一部を「IT交流スペース」として開放する。島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的に高品質で行う。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
市場環境としては、DX実現に向けたIT投資の拡大、働き方改革(生産性向上)推進によるERPなどIT投資の拡大、EC市場の拡大、新技術(ブロックチェーンやAIなど)市場の拡大が予想される。こうした市場環境のもとで、競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAIを活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。また基幹システムやクラウドサービスで培ったノウハウを独自のCROSS-OVERプラットフォームとして構築し、基幹システムとクラウドサービスの相互連携をさらに加速させる方針だ。
4. トレンドとして中期成長基調に変化なし
市場環境は良好であり、顧客数は増加基調である。また品質・生産性向上の効果やストック型商材の拡大により利益率も上昇基調である。2020年7月期及び2021年7月期は、特需の発生と反動により業績がややイレギュラーな形となるが、トレンドとして中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 3ヶ年中期経営計画
3ヶ年中期経営計画(2020年7月期−2022年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2022年7月期の目標値に売上高13,200百万円、営業利益2,000百万円、経常利益2,026百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,338百万円を掲げている。利益率の一段の上昇を目指す方針で、2022年7月期には営業利益率15%超を目標としている。
なお2021年7月期は期初計画を上方修正しているものの、2021年7月期以降の計画については、新型コロナウイルス感染拡大の影響などを考慮して据え置いている。
2. 成長戦略
中長期成長戦略としては、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自戦略のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。
(1) システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築
各業種パッケージの製品強化、現行5業種特化(アパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界)における顧客層拡大、新営業拠点の設置や商圏エリアの拡大、ERP市場やBtoB EC市場の開拓などを加速する。顧客層拡大では、従来は業態として卸売業がメイン顧客層だったが、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」の業種特化型標準パッケージ展開で培った機能・ノウハウを生かして、特化5業種の中で製造・輸入・小売業といった業態に顧客層の拡充を推進する。
(2) Webソリューション事業を第二の収益柱に育成
次世代クラウドサービスの開発や新料金プランの策定により、BtoB EC市場のバックヤード支援強化を推進する。
(3) 新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出
ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用したサービスの開発を推進する。
3. DX支援のリーディングカンパニーを目指す
さらに同社は、DX支援のリーディングカンパニーを目指している。DXとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」という概念で、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術によって変革し、新たな価値を創造することである。そしてブロックチェーン技術やAI技術も活用した次世代クラウドサービスなどの開発を推進する。
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
2017年6月にシビラに出資し同社と資本業務提携した。シビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組む。2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」にて、シビラが独自開発したブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2) 次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」稼働
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設し、2017年10月から本格稼働を開始した。一部を「IT交流スペース」として開放する。島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的に高品質で行う。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
市場環境としては、DX実現に向けたIT投資の拡大、働き方改革(生産性向上)推進によるERPなどIT投資の拡大、EC市場の拡大、新技術(ブロックチェーンやAIなど)市場の拡大が予想される。こうした市場環境のもとで、競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAIを活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。また基幹システムやクラウドサービスで培ったノウハウを独自のCROSS-OVERプラットフォームとして構築し、基幹システムとクラウドサービスの相互連携をさらに加速させる方針だ。
4. トレンドとして中期成長基調に変化なし
市場環境は良好であり、顧客数は増加基調である。また品質・生産性向上の効果やストック型商材の拡大により利益率も上昇基調である。2020年7月期及び2021年7月期は、特需の発生と反動により業績がややイレギュラーな形となるが、トレンドとして中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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