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SBSHD Research Memo(7):国内物流企業のトップメティアを目指すべく、積極的な事業展開を進める(2)

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(2) M&A
M&A戦略は従来からSBSホールディングス<2384>の重要な成長戦略の1つとして位置付けられており、今後も積極的に進めていく方針に変わりない。対象としては、同社グループにないサービスや顧客基盤を持つ企業となる。2018年に子会社化したSBSリコーロジスティクスも、グループ化以降様々なシナジーを生み出している。グループの融合・シナジーを生み出す同社の経営手腕は高く評価されており、今後の展開が注目される。

なお、SBSリコーロジスティクスのグループ入り後の取り組みとしては、2019年6月に経営・営業面でのコミュニケーション効率化を目的に、本社機能を五反田から同社の本社ビルに移転したほか、福岡や名古屋で倉庫を拡大・増設している。また、厚木の物流センターも手狭となったため、新たに近隣に2万坪の倉庫を借りる予定にしている。海外拠点についても香港やベトナム、タイなどの拠点を統合し、SBSリコーロジスティクス傘下とした。SBSリコーロジスティクスは売上高1,000億円を目標に掲げており、今後も国内外で積極的に事業展開を進めていく計画となっている。

(3) LT・IT科学技術への取り組み
物流事業におけるサービスの高付加価値化と生産性向上を図るため、LT・ITの活用を進めていく方針となっている。物流業界でもIT化を進めるため、同業2社と共同で東京大学先端科学技術センターに先端物流科学寄附研究部門を設置した。同部門(寄附講座)でビッグデータやAI・IoT、ブロックチェーンなど新技術を活用する高度物流人材の育成を図る。同社の狙いとしては、こうして育成した人材を採用したり、社内人材のレベルアップを図るとともにLT・ITを活用した新たなサービスソリューションの開発を進めていくことにある。

また、既述のとおりSBSリコーロジスティクスは、LTのノウハウを持っていることが強みの1つである。このノウハウをSBSロジコムと共同運営する「横浜金沢物流センター(仮称)」で生かし、次世代物流施設のモデル施設としていく考えだ。物流施設では、自動倉庫やデジタルピッキングシステムといったマテリアルハンドリング機器を導入する際に、業務設計やスペース設計、各装置の処理能力などを考慮して、最適なシステム設計を行うことが重要となる。SBSリコーロジスティクスはこうした分野で豊富な実績とノウハウを持ち、グループの物流施設に生かしていく考えだ。

そのほか、ITベンチャー企業の(株)Pyrenee(以下、ピレニー)とSBSロジコムが2019年12月に業務提携し、自動車事故削減のためのドライバー用AIアシスタント機器の開発を共同で進めていくことを発表している。ピレニーが開発中の「Pyrenee Drive」は、内蔵カメラで道路上の映像を常時撮影し、AIによる物体認識と解析による危険予測及びアラーム機能を備え、事故の可能性を感知した場合には、素早く音声とポップアップ画面でドライバーに注意を喚起するシステムとなる。既に、SBSロジコムが保有する約1,500台の車両に試作機を搭載し、日常業務のリアルな実証データをピレニーに提供、また、SBSグループの「姉崎自動車教習所」のコースで機器テストや追加データ収集などを行っている。ピレニーでは2020年中の商品化を目指しており、同機器を車両に搭載することで交通事故の削減に取り組んでいく。

(4) 中期的に売上高3,000億円が視野に入る
弊社では、同社の業績はSBSリコーロジスティクスをグループ化したことにより、自律成長だけで売上高3,000億円が射程圏に入ったと見ている。国内の景気動向が堅調に推移すれば、「野田瀬戸物流センター(仮称)」が貢献してくる3〜4年後にそれも可能だろう。今後も「高い提案力&現場力」「強い配送力」「価格競争力のある物流施設の開発」を強みとし、品質とコストパフォーマンスを兼備した物流サービス会社として、業界平均を上回る成長を続けていくものと弊社では予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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