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ティア Research Memo(5):名古屋市内のシェアは上昇するも、葬儀件数の伸び悩みと単価下落が減益要因に

注目トピックス 日本株
■ティア<2485>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 葬祭事業
葬祭事業の売上高は前年同期比0.2%減の6,459百万円、営業利益は同12.9%減の1,244百万円となった。葬儀件数は新店効果もあって同3.6%増の5,862件と増加基調が続いたものの、葬儀単価が同3.6%減の971千円と低下したことが売上高の伸び悩みにつながった。利益面では、既存店の売上減や人件費を中心とした販管費の増加が減益要因となった。

2020年9月期第2四半期末時点での直営店舗は会館で前年同期末比7店舗増の60店舗、サロンで同2店舗増の10店舗となった。エリア別の葬儀件数伸び率を見ると、名古屋市内で2.0%増、愛知県(名古屋市除く)で0.7%減、関西圏で4.1%増、首都圏(埼玉県、東京都)で34.0%増となり、主戦場である名古屋市内及び愛知県が競争激化の影響もあり、伸び悩んだ。ただ、名古屋市内の斎場利用シェアは前期の24.9%から25.2%に上昇し、トップシェアが射程圏内に入っている。首都圏については構成比率がまだ小さいが、最大市場である東京都内での件数増が2ケタ成長の要因となっている。しかしながら、会社計画と比較すると伸び率はやや下回っているようで、マーケティングの強化が今後の課題となる。

葬儀単価下落の内訳を見ると、祭壇で2.4%減、葬儀付帯品で0.2%減、供花・供物で0.9%減となり、祭壇単価の下落が目立った。これは家族葬など比較的小規模な葬儀に対するニーズが増加していることや、平均単価の低い首都圏の構成比が上昇していることが要因と考えられる。料金プランで100万円以上のプランについても、件数は伸びているものの平均単価で見れば下落している。

(2) FC事業
FC事業の売上高は前年同期比2.2%減の212百万円、営業利益は同26.9%増の53百万円となった。FC店舗数は前年同期末比3店舗増の49店舗となり、ロイヤリティ収入が増加したものの、FC店向け物品売上の減少が減収要因となった。利益面では、ロイヤリティ収入の増加に加えて、下期開設予定のFC店の加盟料売上を計上したことが増益要因となっている。


有利子負債の削減が進み、財務の健全性が向上
3. 財務状況と経営指標
2020年9月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比208百万円増加の13,510百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金(以下、現預金)が282百万円増加し、固定資産では差入保証金が23百万円、無形固定資産が21百万円それぞれ減少した。

一方、負債合計は前期末比162百万円減少の4,198百万円となった。未払法人税等が99百万円増加し、有利子負債が241百万円減少した。また、純資産は同371百万円増加の9,311百万円となった。配当金支出が134百万円あったものの親会社株主に帰属する四半期純利益504百万円の計上により利益剰余金が増加した。

経営指標を見ると、自己資本比率が前期末比1.7ポイント上昇の68.9%、有利子負債比率が同3.5ポイント低下の17.9%となったほか、現預金から有利子負債を差し引いたネットキャッシュも、前期末比523百万円増加の1,579百万円まで積み上がるなど、財務の健全性は着実に向上しているものと判断される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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