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アサヒ衛陶 Research Memo(1):構造改革の成果により、6期ぶりに黒字転換へ

注目トピックス 日本株
■要約

アサヒ衛陶<5341>は、300年前の江戸時代享保年間に創業された屋根瓦製造販売業の流れを汲み、会社設立から70年が経過している衛生陶器、水栓金具の中堅企業である。国内市場の縮小傾向が続くことから、大規模な構造改革により国内事業の収益性を回復させ、途上国・新興国市場での急成長を目指す。

1. 2020年11月期第2四半期の業績動向
2020年11月期第2四半期は、2019年11月期下期に断行した大規模な構造改革により、6期ぶりに黒字転換した。不採算事業の撤退などにより、売上高は前年同期比13.8%減少したものの、利益率の大幅改善で売上総利益の落ち込みは同3.8%減にとどまった。販管費は、減収率を大幅に上回る同26.9%減となった。なお、2020年11月期第2四半期累計の売上高は1,097百万円、営業利益は35百万円となった。

2. 2020年11月期通期の予想
2020年11月期通期は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより先行きの不透明感が増し、合理的な業績予想の算出が困難なことから、前回発表を一旦取り下げ、未定とした。期初では、売上高を前期比1.1%減の2,400百万円、営業利益70百万円(前期は281百万円の損失)を予想していた。構造改革により約3億円の経費削減を見込んでいるが、グローバル・サプライチェーンを見直し、中国依存度を引き下げていたことから、新型コロナウイルス感染症拡大の中でも製品の欠品などの大きなトラブルを回避できた。なお、国内事業は卸売会社の活動が2020年3月〜5月に休止していたことから、第3四半期に影響を受けそうだ。

3. コロナショックにおける海外事業展開見通し
2019年夏に発表した「中期経営計画2020年〜2022年」は、国内事業の縮小均衡を図り、海外事業を成長ドライバーとする。販売子会社を置くベトナムを主要な海外市場とし、ASEAN経済共同体に属するミャンマー、バングラデシュ、ウガンダでの市場開拓を進めている。ベトナムは、建築関連法規の変更により同国内の建築工期に遅れが生じていることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済活動が制限された。世界銀行の2020年6月版の経済成長率予測では、ベトナムの経済成長率予想は2020年が2.8%(日本はマイナス6.1%)、2021年が6.8%(同2.5%)であった。同社では、ベトナムの事業展開は中期経営計画に対して1年程遅れ、他の3ヶ国は1年半程度遅れると見ている。

■Key Points
・アジアの生産委託先から調達するファブレスメーカー
・2020年11月期第2四半期に黒字転換に成功
・新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、海外事業の急拡大は1年から1年半ずれ込む見込み

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)




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