エーバランス Research Memo(8):VSUN連結により、2021年6月期業績予想を上方修正
[20/10/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■Abalance<3856>の今後の見通し
1. 2021年6月期の業績見通し
子会社のWWBの持分法適用関連会社であるFUJI SOLARに対する追加取得による連結子会社化を通じて、FUJI SOLARが株式を取得しているVSUNを特定子会社化すると発表した(2020年10月5日付)。これに伴って、2020年8月14日に公表した2021年6月期の連結業績予想を上方修正した。売上高は前期比199.5%増の20,000百万円(前回発表予想値比で233.3%増)、営業利益は同93.6%増の700百万円(同133.3%増)、経常利益は同83.3%増の560百万円(同115.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は同47.2%増の311百万円(同62.8%増)となっている。
セグメント別の見通しは以下の通り。なお、同社はVSUN連結化の影響を考慮のうえ、上方修正を行った2021年6月期予算値に基づくセグメント業績の推移が期待されている。
(1) グリーンエネルギー事業
前述のとおり、近年急成長しているVSUN業績の連結により、同社グループの業績は、一段上のステージへと移行していくことが想定される。グローバルなサプライチェーン体制を確立すると共に、モジュールメーカーとしての一層の競争力強化を図ることを目的とした追加取得によるもので、VSUNの業績状況については、欧米での再生可能エネルギーの需要は底堅く推移しており、堅調な業績が見込まれている。ベトナムの立地条件を生かして、今後年30%以上の成長を計画している。
グリーンエネルギー事業は、構造転換の過渡期から初期の実現段階へと移行していく。自社保有を積み増しするために、発電所の販売を極力抑える戦略をとっているが、自社保有発電所が順次完工を迎え、売電を開始していくことから、売電収入が寄与する計画だ。主な自社保有発電所の稼働時期は花畑太陽光発電所が2020年10月以降(年間売電収入見込み額(暦年):約161百万円)、角田市太陽光発電所が2021年3月(年間売電収入見込み額(暦年):約750百万円)、福島大波太陽光発電所が2021年6月(年間売電収入見込み額(暦年):約218百万円)となっている。また、2020年3月に北海道檜山エリアで陸上小型風力発電所10基(年間売電収入見込み額(暦年):約40百万円)の売電を開始しており、2021年6月期についても風力発電所の増設を計画している。
海外事業については、まずVSUN連結化による業績への影響が大きなインパクトになる。今後、VSUNはベトナム市場でのIPOも視野に入れており、グループ企業価値の観点から、今後もグループとしての在り方を継続して検討していく方針と会社は説明している。そのほか個別施策としてJV案件等は、コロナ禍の影響などを考慮し、適切なリスク管理に基づいて投資判断を行っていく方針である。また、前期に獲得したODAプロジェクトに関しては引き続き推進していく方針で、他の受注獲得にも積極的に取り組んでいく。
(2) 建機販売事業
同社は、建機販売事業について採算面を確保しながらも、台風被害や河川氾濫等により被害が発生した地域社会の機能回復、インフラ復興をも担う事業と位置付けている。国内向けには、従来からの建設現場への建機供給のほか、近年の水害被害(風水害・土砂災害)の発生状況に鑑み、甚大な被害が発生した地域がある場合には、社会貢献としての意義を尊重し優先的に対応していく。グリーンエネルギー事業において取り扱っている太陽光、風力の各開発現場への建機利用も促進する方針である。
(3) IT事業
IT事業は、労働生産性と価値創造力の向上により、競争力強化を支援するハード、ソフト双方のアプローチにより課題解決を図るビジネススタンスは2021年6月期以降も継続する方針である。主なサービスラインには、調整・調査などの付加価値の低い業務から意思決定・進捗管理等の付加価値の高いコア業務へ誘導するホワイトカラーの生産性向上サービス、国内市場の縮小・少子高齢化等を原因とした国内労働人口の減少に対し働き方改革に係るソリューションを提供するほか、機能集積されたサスティナブルな都市圏を再構築するコンパクトシティを支える都市計画の立案サービス等を推進する計画となっている。
(4) その他
2020年6月期に発売した「blocKIN」は、一般消費者向けの市場にはあまり無かった光触媒効果を活用した革新性を持った抗菌・抗ウィルス製品である。衛生管理ニーズに応じて、社会貢献度が高いと考えられる医療機関、介護施設、学校施設をはじめ、ホテル、飲食店、店舗、オフィスフロアなど幅広い活用が一層期待される。「光触媒LIFE」事業に代表されるフランチャイズ化、代理店制度の拡充、更に海外販路の拡大を図る。また、抗菌ニーズに貢献し非常事態にも活用ができる製品開発に今後も取り組んでいく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2021年6月期の業績見通し
子会社のWWBの持分法適用関連会社であるFUJI SOLARに対する追加取得による連結子会社化を通じて、FUJI SOLARが株式を取得しているVSUNを特定子会社化すると発表した(2020年10月5日付)。これに伴って、2020年8月14日に公表した2021年6月期の連結業績予想を上方修正した。売上高は前期比199.5%増の20,000百万円(前回発表予想値比で233.3%増)、営業利益は同93.6%増の700百万円(同133.3%増)、経常利益は同83.3%増の560百万円(同115.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は同47.2%増の311百万円(同62.8%増)となっている。
セグメント別の見通しは以下の通り。なお、同社はVSUN連結化の影響を考慮のうえ、上方修正を行った2021年6月期予算値に基づくセグメント業績の推移が期待されている。
(1) グリーンエネルギー事業
前述のとおり、近年急成長しているVSUN業績の連結により、同社グループの業績は、一段上のステージへと移行していくことが想定される。グローバルなサプライチェーン体制を確立すると共に、モジュールメーカーとしての一層の競争力強化を図ることを目的とした追加取得によるもので、VSUNの業績状況については、欧米での再生可能エネルギーの需要は底堅く推移しており、堅調な業績が見込まれている。ベトナムの立地条件を生かして、今後年30%以上の成長を計画している。
グリーンエネルギー事業は、構造転換の過渡期から初期の実現段階へと移行していく。自社保有を積み増しするために、発電所の販売を極力抑える戦略をとっているが、自社保有発電所が順次完工を迎え、売電を開始していくことから、売電収入が寄与する計画だ。主な自社保有発電所の稼働時期は花畑太陽光発電所が2020年10月以降(年間売電収入見込み額(暦年):約161百万円)、角田市太陽光発電所が2021年3月(年間売電収入見込み額(暦年):約750百万円)、福島大波太陽光発電所が2021年6月(年間売電収入見込み額(暦年):約218百万円)となっている。また、2020年3月に北海道檜山エリアで陸上小型風力発電所10基(年間売電収入見込み額(暦年):約40百万円)の売電を開始しており、2021年6月期についても風力発電所の増設を計画している。
海外事業については、まずVSUN連結化による業績への影響が大きなインパクトになる。今後、VSUNはベトナム市場でのIPOも視野に入れており、グループ企業価値の観点から、今後もグループとしての在り方を継続して検討していく方針と会社は説明している。そのほか個別施策としてJV案件等は、コロナ禍の影響などを考慮し、適切なリスク管理に基づいて投資判断を行っていく方針である。また、前期に獲得したODAプロジェクトに関しては引き続き推進していく方針で、他の受注獲得にも積極的に取り組んでいく。
(2) 建機販売事業
同社は、建機販売事業について採算面を確保しながらも、台風被害や河川氾濫等により被害が発生した地域社会の機能回復、インフラ復興をも担う事業と位置付けている。国内向けには、従来からの建設現場への建機供給のほか、近年の水害被害(風水害・土砂災害)の発生状況に鑑み、甚大な被害が発生した地域がある場合には、社会貢献としての意義を尊重し優先的に対応していく。グリーンエネルギー事業において取り扱っている太陽光、風力の各開発現場への建機利用も促進する方針である。
(3) IT事業
IT事業は、労働生産性と価値創造力の向上により、競争力強化を支援するハード、ソフト双方のアプローチにより課題解決を図るビジネススタンスは2021年6月期以降も継続する方針である。主なサービスラインには、調整・調査などの付加価値の低い業務から意思決定・進捗管理等の付加価値の高いコア業務へ誘導するホワイトカラーの生産性向上サービス、国内市場の縮小・少子高齢化等を原因とした国内労働人口の減少に対し働き方改革に係るソリューションを提供するほか、機能集積されたサスティナブルな都市圏を再構築するコンパクトシティを支える都市計画の立案サービス等を推進する計画となっている。
(4) その他
2020年6月期に発売した「blocKIN」は、一般消費者向けの市場にはあまり無かった光触媒効果を活用した革新性を持った抗菌・抗ウィルス製品である。衛生管理ニーズに応じて、社会貢献度が高いと考えられる医療機関、介護施設、学校施設をはじめ、ホテル、飲食店、店舗、オフィスフロアなど幅広い活用が一層期待される。「光触媒LIFE」事業に代表されるフランチャイズ化、代理店制度の拡充、更に海外販路の拡大を図る。また、抗菌ニーズに貢献し非常事態にも活用ができる製品開発に今後も取り組んでいく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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