ワコム Research Memo(2):デジタルペンとインクの事業領域で顧客価値の創造を目指すグローバルリーダー
[20/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。世界150以上の国と地域で製品を販売し、映画制作や工業デザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターなどプロのクリエイターからの支持により高いブランド力と市場シェアを誇る。また、「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」として、最新のデジタルペン技術をスマートフォンやタブレット、デジタル文具などパートナー企業に幅広く提供しており、教育産業のパートナーとともに教育に特化した事業領域の構築にも取り組んでいる。
中低価格帯での競争激化をはじめ、デジタル技術(IoTやVR/MR、AI等)や通信環境(モバイル、クラウド、5G等)の進展に伴うユーザーニーズやワークフローの進化など、市場環境が大きく変化するなかで、製品ラインアップの再構築や事業モデルの更なる進化により、新たな成長機会の創出にも取り組んでいる。特に足元では、コロナ禍による影響をプラス・マイナス両面で受けているものの、ニューノーマル(新常態)に向けた新たな需要の取り込みにより、次の成長フェーズに入りつつある。
事業セグメントは、自社ブランドで「ディスプレイ製品」や「ペンタブレット製品」等を販売する「ブランド製品事業」のほか、スマートフォンやタブレットなど完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとして供給する「テクノロジーソリューション事業」の2つに区分される。2020年3月期までの業績推移を見ると、創業来の中核である「ブランド製品事業」が伸び悩む一方、「テクノロジーソリューション事業」が市場拡大とともに順調に伸びており、売上構成比でも「ブランド製品事業」を上回ってきた※。ただ、足元では「ブランド製品事業」も復調の兆しを見せている。
※2021年3月期上期の売上構成比は、「ブランド製品事業」が47.1%、「テクノロジーソリューション事業」が52.9%となっている。
海外販売比率(「テクノロジーソリューション事業」を除く海外現地法人売上の比率)は約85%※を占めており、為替相場の変動が業績に及ぼす影響(特にユーロ円の変動は営業利益への影響が大きい)には注意が必要である。
※アジア・オセアニアが30.8%(そのうち、中国が15.0%)、欧州が25.0%、米国が29.3%となっている。
また、開発拠点については、デジタルインクやセキュリティ関連のソフトウェア開発(欧州中心)を除くとほぼ国内に集約する一方、生産については複数の海外パートナー(ほとんどが中国)に委託している。ただ、サプライチェーンの集中リスク緩和の観点から、周辺の東南アジア地域等へ生産拠点の分散を徐々に進める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。世界150以上の国と地域で製品を販売し、映画制作や工業デザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターなどプロのクリエイターからの支持により高いブランド力と市場シェアを誇る。また、「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」として、最新のデジタルペン技術をスマートフォンやタブレット、デジタル文具などパートナー企業に幅広く提供しており、教育産業のパートナーとともに教育に特化した事業領域の構築にも取り組んでいる。
中低価格帯での競争激化をはじめ、デジタル技術(IoTやVR/MR、AI等)や通信環境(モバイル、クラウド、5G等)の進展に伴うユーザーニーズやワークフローの進化など、市場環境が大きく変化するなかで、製品ラインアップの再構築や事業モデルの更なる進化により、新たな成長機会の創出にも取り組んでいる。特に足元では、コロナ禍による影響をプラス・マイナス両面で受けているものの、ニューノーマル(新常態)に向けた新たな需要の取り込みにより、次の成長フェーズに入りつつある。
事業セグメントは、自社ブランドで「ディスプレイ製品」や「ペンタブレット製品」等を販売する「ブランド製品事業」のほか、スマートフォンやタブレットなど完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとして供給する「テクノロジーソリューション事業」の2つに区分される。2020年3月期までの業績推移を見ると、創業来の中核である「ブランド製品事業」が伸び悩む一方、「テクノロジーソリューション事業」が市場拡大とともに順調に伸びており、売上構成比でも「ブランド製品事業」を上回ってきた※。ただ、足元では「ブランド製品事業」も復調の兆しを見せている。
※2021年3月期上期の売上構成比は、「ブランド製品事業」が47.1%、「テクノロジーソリューション事業」が52.9%となっている。
海外販売比率(「テクノロジーソリューション事業」を除く海外現地法人売上の比率)は約85%※を占めており、為替相場の変動が業績に及ぼす影響(特にユーロ円の変動は営業利益への影響が大きい)には注意が必要である。
※アジア・オセアニアが30.8%(そのうち、中国が15.0%)、欧州が25.0%、米国が29.3%となっている。
また、開発拠点については、デジタルインクやセキュリティ関連のソフトウェア開発(欧州中心)を除くとほぼ国内に集約する一方、生産については複数の海外パートナー(ほとんどが中国)に委託している。ただ、サプライチェーンの集中リスク緩和の観点から、周辺の東南アジア地域等へ生産拠点の分散を徐々に進める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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