イグニス Research Memo(6):20年9月期は『INSPIX WORLD』の開発を加速(1)
[21/01/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
1. 2020年9月期決算の概要
イグニス<3689>の2020年9月期の業績は、売上高が前期比2.0%増の5,683百万円、営業損失が232百万円(前期は744百万円の損失)、経常損失が553百万円(同867百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が980百万円(同631百万円の損失)と期初予想を上回る増収を実現したものの、3期連続で営業損失を計上する結果となった。
売上高は、『ぼくとドラゴン』(ゲーム事業)等の譲渡による落ち込みを、『with』(マッチング事業)の伸びでカバーし、期初予想を上回る増収を確保した。また、「エンターテック事業」は、IP関連が着実に伸びてきたものの、コロナ禍に伴うイベント中止や延期等により、当初想定していた成長スピードには届かなかったようだ。また、プラットフォーム関連についても、注目を集めた「初音ミクGALAXY LIVE 2020」を開催したほか、次世代型の『INSPIX WORLD』への大型アップデートも最終段階を迎えているが、本格的な業績貢献はこれからである。
損益面でも、積み上げ型の『with』の伸びが収益の底上げに寄与した。ただ、黒字化に至らなかったのは、第2四半期まで利益貢献してきた『ぼくとドラゴン』(ゲーム事業)の譲渡や「エンターテック事業」への先行投資などが理由である。
財務面では、「ゲーム事業」の譲渡に伴って固定資産(ソフトウェア等)が減少したものの、長期借入れ※1や新株予約権が行使※2されたことなどにより、「現金及び預金」が大幅に増加した結果、総資産は前期末比24.1%増の4,909百万円に拡大した。一方、自己資本も新株予約権の行使等により同18.8%増の2,673百万円に拡大したことから、自己資本比率は54.4%(前期末は56.9%)とほぼ横ばいで推移した。それに伴ってGC注記の記載も解消している。なお、医療機関向けSaaS『FOREST』に係る営業貸付金(約12億円)については、保守的な会計方針に従って、すでに相応の貸倒引当金を計上していることから、仮に回収不能となったとしても損益への影響は限定的である。
※1 2019年11月26日に同社代表取締役2名から合計5億円の借入を締結。「エンターテック事業」への投資などを予定している。
※2 2020年5月13日に第14回新株予約権(2018年3月22日発行分)の8,750個(875,000株の新株発行)が行使され、約13億円の資金調達を実現した(本件により行使がすべて完了)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2020年9月期決算の概要
イグニス<3689>の2020年9月期の業績は、売上高が前期比2.0%増の5,683百万円、営業損失が232百万円(前期は744百万円の損失)、経常損失が553百万円(同867百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が980百万円(同631百万円の損失)と期初予想を上回る増収を実現したものの、3期連続で営業損失を計上する結果となった。
売上高は、『ぼくとドラゴン』(ゲーム事業)等の譲渡による落ち込みを、『with』(マッチング事業)の伸びでカバーし、期初予想を上回る増収を確保した。また、「エンターテック事業」は、IP関連が着実に伸びてきたものの、コロナ禍に伴うイベント中止や延期等により、当初想定していた成長スピードには届かなかったようだ。また、プラットフォーム関連についても、注目を集めた「初音ミクGALAXY LIVE 2020」を開催したほか、次世代型の『INSPIX WORLD』への大型アップデートも最終段階を迎えているが、本格的な業績貢献はこれからである。
損益面でも、積み上げ型の『with』の伸びが収益の底上げに寄与した。ただ、黒字化に至らなかったのは、第2四半期まで利益貢献してきた『ぼくとドラゴン』(ゲーム事業)の譲渡や「エンターテック事業」への先行投資などが理由である。
財務面では、「ゲーム事業」の譲渡に伴って固定資産(ソフトウェア等)が減少したものの、長期借入れ※1や新株予約権が行使※2されたことなどにより、「現金及び預金」が大幅に増加した結果、総資産は前期末比24.1%増の4,909百万円に拡大した。一方、自己資本も新株予約権の行使等により同18.8%増の2,673百万円に拡大したことから、自己資本比率は54.4%(前期末は56.9%)とほぼ横ばいで推移した。それに伴ってGC注記の記載も解消している。なお、医療機関向けSaaS『FOREST』に係る営業貸付金(約12億円)については、保守的な会計方針に従って、すでに相応の貸倒引当金を計上していることから、仮に回収不能となったとしても損益への影響は限定的である。
※1 2019年11月26日に同社代表取締役2名から合計5億円の借入を締結。「エンターテック事業」への投資などを予定している。
※2 2020年5月13日に第14回新株予約権(2018年3月22日発行分)の8,750個(875,000株の新株発行)が行使され、約13億円の資金調達を実現した(本件により行使がすべて完了)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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