学研HD Research Memo(1):新・中期経営計画を発表、2023年9月期に営業利益7,500百万円を目指す
[21/01/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
学研ホールディングス<9470>は教育分野と医療福祉分野を事業領域とする総合サービス企業である。教育分野では学習塾の運営や児童書、学習参考書、小学校・中学校向け教科書等の出版、幼保園向け物販、医療福祉分野ではサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)、認知症グループホームや保育園等の運営などを展開している。2018年9月にグループホームで業界トップのメディカル・ケア・サービス(株)(以下、MCS)を子会社化するなど、ここ数年は積極的なM&Aにより業容を拡大している。
1. 2020年9月期業績はコロナ禍の逆風を払拭し、連続増収増益を達成
2020年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の143,564百万円、営業利益で同12.2%増の5,075百万円となり、11期連続増収、営業利益は6期連続の増益を達成した。2020年3月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により、学研教室や進学塾で生徒数が減少するなどの影響が出たが、巣ごもり需要により児童書や学習参考書などの販売が伸長し、マイナス要因をカバーしたほか、高齢者福祉事業も着実な成長を続けたこと、費用面では広告宣伝費のコントロールやテレワーク体制へのシフトにより各種経費を削減したことなどが増収増益要因となった。また、コロナ禍以前に発表した修正計画(売上高143,000百万円、営業利益5,100百万円)に対してもほぼ同水準で着地している。
2. 新・中期経営計画「Gakken2023」を発表
同社は新・中期経営計画「Gakken2023」を発表した。コロナ禍において社会・生活様式が大きく変化するなかで、変化に適応しながら、「揺るぎない成長基盤の確立」を目指す。教育分野では「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」を方針に掲げ、同社が蓄積する豊富な教育コンテンツやインフラを、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって最大限生かしていく考えで、幼児から社会人、国内から海外まで含めてサービスを提供していくことで事業の拡大と収益性向上を図る。一方、医療福祉分野では、「トップカンパニーを目指し、持続可能な街づくりに貢献」を方針に掲げ、人財の育成とサービス品質の向上に取り組みながら、拠点数を拡大していくことで安定成長を目指している。最終年度となる2023年3月期の経営数値目標としては、売上高165,000百万円、営業利益7,500百万円、ROE8.0%以上、配当性向30.0%以上に設定した。医療福祉分野については、超高齢化社会の到来が見込まれることから、計画達成は十分可能と見られる。一方、教育分野については、今後の教育DXの需要をグループ会社の連携を図ることで上手く取り込んでいくことができれば、達成可能な水準と弊社では見ている。
3. 2021年9月期業績も増収増益が続く見通し
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比1.7%増の146,000百万円、営業利益で同10.3%増の5,600百万円を見込んでいる。教育分野では、第2四半期まで学研教室や進学塾の苦戦が予想されるものの、リアルとオンラインのデュアル型サービスを構築し、第3四半期以降は収益回復が見込まれるほか、英語事業の伸長、映像配信や科学事業等の損益改善などが増益要因となる。一方、医療福祉分野では拠点数拡大に伴う入居者数の増加により、増収増益が続く見通しだ。
■Key Points
・2020年9月期はコロナ禍の逆風を払拭し、11期連続増収、6期連続の営業増益を達成
・「揺るぎない成長基盤の確立」をスローガンとし、教育分野と医療福祉分野においてDX加速とグローバル展開を進め、持続的な企業価値向上に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
学研ホールディングス<9470>は教育分野と医療福祉分野を事業領域とする総合サービス企業である。教育分野では学習塾の運営や児童書、学習参考書、小学校・中学校向け教科書等の出版、幼保園向け物販、医療福祉分野ではサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)、認知症グループホームや保育園等の運営などを展開している。2018年9月にグループホームで業界トップのメディカル・ケア・サービス(株)(以下、MCS)を子会社化するなど、ここ数年は積極的なM&Aにより業容を拡大している。
1. 2020年9月期業績はコロナ禍の逆風を払拭し、連続増収増益を達成
2020年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の143,564百万円、営業利益で同12.2%増の5,075百万円となり、11期連続増収、営業利益は6期連続の増益を達成した。2020年3月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により、学研教室や進学塾で生徒数が減少するなどの影響が出たが、巣ごもり需要により児童書や学習参考書などの販売が伸長し、マイナス要因をカバーしたほか、高齢者福祉事業も着実な成長を続けたこと、費用面では広告宣伝費のコントロールやテレワーク体制へのシフトにより各種経費を削減したことなどが増収増益要因となった。また、コロナ禍以前に発表した修正計画(売上高143,000百万円、営業利益5,100百万円)に対してもほぼ同水準で着地している。
2. 新・中期経営計画「Gakken2023」を発表
同社は新・中期経営計画「Gakken2023」を発表した。コロナ禍において社会・生活様式が大きく変化するなかで、変化に適応しながら、「揺るぎない成長基盤の確立」を目指す。教育分野では「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」を方針に掲げ、同社が蓄積する豊富な教育コンテンツやインフラを、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって最大限生かしていく考えで、幼児から社会人、国内から海外まで含めてサービスを提供していくことで事業の拡大と収益性向上を図る。一方、医療福祉分野では、「トップカンパニーを目指し、持続可能な街づくりに貢献」を方針に掲げ、人財の育成とサービス品質の向上に取り組みながら、拠点数を拡大していくことで安定成長を目指している。最終年度となる2023年3月期の経営数値目標としては、売上高165,000百万円、営業利益7,500百万円、ROE8.0%以上、配当性向30.0%以上に設定した。医療福祉分野については、超高齢化社会の到来が見込まれることから、計画達成は十分可能と見られる。一方、教育分野については、今後の教育DXの需要をグループ会社の連携を図ることで上手く取り込んでいくことができれば、達成可能な水準と弊社では見ている。
3. 2021年9月期業績も増収増益が続く見通し
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比1.7%増の146,000百万円、営業利益で同10.3%増の5,600百万円を見込んでいる。教育分野では、第2四半期まで学研教室や進学塾の苦戦が予想されるものの、リアルとオンラインのデュアル型サービスを構築し、第3四半期以降は収益回復が見込まれるほか、英語事業の伸長、映像配信や科学事業等の損益改善などが増益要因となる。一方、医療福祉分野では拠点数拡大に伴う入居者数の増加により、増収増益が続く見通しだ。
■Key Points
・2020年9月期はコロナ禍の逆風を払拭し、11期連続増収、6期連続の営業増益を達成
・「揺るぎない成長基盤の確立」をスローガンとし、教育分野と医療福祉分野においてDX加速とグローバル展開を進め、持続的な企業価値向上に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>