芙蓉リース Research Memo(7):事業拡大やフロンティアへの挑戦で営業資産積み上げとROA向上を目指す(1)
[21/01/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
1. 中期経営計画
芙蓉総合リース<8424>は、2018年3月期から2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「Frontier Expansion 2021」を推進している。「前例のない場所へ。」をスローガンに掲げ、新しいビジネス領域やビジネスモデルへ挑戦することにより、事業ポートフォリオの「フロンティア」を拡大し、国内リース事業を取り巻く環境が大きく変化するなかでも持続的に成長する企業グループを目指している。また、フロンティア(新領域)の拡大に向けて5年間の長期目線で策定している。
目標とする経営指標として、営業資産残高2兆5,000億円、ROA(営業資産経常利益率)2.0%、経常利益500億円を掲げており、当初計画からの変更はない。なお、5年間における営業資産残高の伸び率は年率4.1%、経常利益は同9.8%となっている。特に、経常利益目標のハードルが高いが、営業資産残高の拡大とROA向上の両方の達成(掛け合わせ)により実現するシナリオとなっている。
また、戦略軸としては、(1)戦略分野の選択と集中、(2)フロンティアへの挑戦、(3)グループシナジーの追求、の3つを挙げている。
(1) 戦略分野の選択と集中
成長ドライバーとして経営資源を集中する分野(戦略分野)として、1)不動産、2)航空機、3)海外、4)エネルギー・環境、5)医療・福祉、6)新領域を選択した。一方、7)ベンダーリース、8)国内コーポレート、9)ファイナンスについては、グループ連携など効率的な営業でマーケット(顧客基盤)を維持・拡大する分野(コア分野)と位置付けた。なお、従来「コア分野」の1つとしていたオートリースは、新たな成長が見込まれるフロンティア(新領域)として、モビリティビジネスに位置付けを変更している。
(2) フロンティアへの挑戦
他社(銀行系リース会社及び銀行本体)との差別化を明確に打ち出すため、銀行が提供できない付加価値やサービス、ビジネス領域へ軸足をシフトする。特に、モノの価値(事業価値)などに重点を置いた領域への拡大を図る。また、新領域の拡大に当たっては、M&Aや資本・業務提携を活用するとともに、資産効率(ROA)向上に貢献するノンアセットビジネス(BPOサービス等)を中心に注力していく。
(3) グループシナジーの追求
グループ各社の商品(サービス)をグループ各社のマーケット(顧客基盤)に展開することで、グループシナジーの最大化を目指す。特に、大企業向けの取引に強みを持つ同社、リテール中心のSFC、ファクタリングのプラットフォームで大企業と中小企業を結ぶアクリーティブ、一括請求サービスの提供により16,000社の顧客基盤を有するインボイス、幅広いバックオフィスサービスや業務コンサルに強みを持つNOCなど、グループ各社の持つ「機能」と「顧客基盤」を有機的につなげることで、営業のパフォーマンスを飛躍的に向上させる方針である。
2. これまでの進捗
同社では、最終目標の達成に向けて中間目途値を設定しているが、2020年3月期の実績は、営業資産残高2兆3,840億円(中間目途値2兆3,000億円〜2兆4,000億円)、経常利益440億円(同380億円〜420億円)、ROA 1.90%(同1.70〜1.80%)となり、すべての項目で中間目途値をクリア(経常利益及びROAは超過)している。さらに、2020年9月末の営業資産残高は2兆5,756億円となり、最終年度の目標を前倒し達成した。
前述のとおり、コロナ禍の影響を踏まえ、2021年3月期については、現時点で緩やかな業績の伸びを見込んでいるものの、これまでの上振れによるバッファーも効いていることから、最終目標の達成に向けては計画線を確保していると判断しても良いだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
1. 中期経営計画
芙蓉総合リース<8424>は、2018年3月期から2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「Frontier Expansion 2021」を推進している。「前例のない場所へ。」をスローガンに掲げ、新しいビジネス領域やビジネスモデルへ挑戦することにより、事業ポートフォリオの「フロンティア」を拡大し、国内リース事業を取り巻く環境が大きく変化するなかでも持続的に成長する企業グループを目指している。また、フロンティア(新領域)の拡大に向けて5年間の長期目線で策定している。
目標とする経営指標として、営業資産残高2兆5,000億円、ROA(営業資産経常利益率)2.0%、経常利益500億円を掲げており、当初計画からの変更はない。なお、5年間における営業資産残高の伸び率は年率4.1%、経常利益は同9.8%となっている。特に、経常利益目標のハードルが高いが、営業資産残高の拡大とROA向上の両方の達成(掛け合わせ)により実現するシナリオとなっている。
また、戦略軸としては、(1)戦略分野の選択と集中、(2)フロンティアへの挑戦、(3)グループシナジーの追求、の3つを挙げている。
(1) 戦略分野の選択と集中
成長ドライバーとして経営資源を集中する分野(戦略分野)として、1)不動産、2)航空機、3)海外、4)エネルギー・環境、5)医療・福祉、6)新領域を選択した。一方、7)ベンダーリース、8)国内コーポレート、9)ファイナンスについては、グループ連携など効率的な営業でマーケット(顧客基盤)を維持・拡大する分野(コア分野)と位置付けた。なお、従来「コア分野」の1つとしていたオートリースは、新たな成長が見込まれるフロンティア(新領域)として、モビリティビジネスに位置付けを変更している。
(2) フロンティアへの挑戦
他社(銀行系リース会社及び銀行本体)との差別化を明確に打ち出すため、銀行が提供できない付加価値やサービス、ビジネス領域へ軸足をシフトする。特に、モノの価値(事業価値)などに重点を置いた領域への拡大を図る。また、新領域の拡大に当たっては、M&Aや資本・業務提携を活用するとともに、資産効率(ROA)向上に貢献するノンアセットビジネス(BPOサービス等)を中心に注力していく。
(3) グループシナジーの追求
グループ各社の商品(サービス)をグループ各社のマーケット(顧客基盤)に展開することで、グループシナジーの最大化を目指す。特に、大企業向けの取引に強みを持つ同社、リテール中心のSFC、ファクタリングのプラットフォームで大企業と中小企業を結ぶアクリーティブ、一括請求サービスの提供により16,000社の顧客基盤を有するインボイス、幅広いバックオフィスサービスや業務コンサルに強みを持つNOCなど、グループ各社の持つ「機能」と「顧客基盤」を有機的につなげることで、営業のパフォーマンスを飛躍的に向上させる方針である。
2. これまでの進捗
同社では、最終目標の達成に向けて中間目途値を設定しているが、2020年3月期の実績は、営業資産残高2兆3,840億円(中間目途値2兆3,000億円〜2兆4,000億円)、経常利益440億円(同380億円〜420億円)、ROA 1.90%(同1.70〜1.80%)となり、すべての項目で中間目途値をクリア(経常利益及びROAは超過)している。さらに、2020年9月末の営業資産残高は2兆5,756億円となり、最終年度の目標を前倒し達成した。
前述のとおり、コロナ禍の影響を踏まえ、2021年3月期については、現時点で緩やかな業績の伸びを見込んでいるものの、これまでの上振れによるバッファーも効いていることから、最終目標の達成に向けては計画線を確保していると判断しても良いだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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