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アライドアーキ Research Memo(1):2020年12月期は計画を上回る大幅な増益により、営業黒字化を実現

注目トピックス 日本株
■要約

1. 事業概要
アライドアーキテクツ<6081>は、創業以来、自社開発のマーケティングSaaSツールやSNS活用を中心としたソリューション提供により、『顧客企業と人々をつなぐ』BtoBビジネスを展開している。

新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による環境変化がデジタルシフトを加速するなかで、これまで培ってきたSNSマーケティング支援ノウハウを生かし、「マーケティングDX支援企業」※として圧倒的ポジションを確立することを新たな中期テーマに掲げ、それに伴って報告セグメント名及び事業名を変更した。「マーケティングDX支援」の単一セグメントのもと、マーケティングDX支援ツールによる「SaaS事業」、広告クリエイティブ制作のプラットフォームによる「海外SaaS事業」、デジタル人材によりマーケティングDX戦略を支援する「ソリューション事業」、中国向けプロモーション支援を行う「中国進出支援事業」の4つの事業に区分されている。マーケティングDXへの流れを追い風とする国内事業の成長加速や、投資回収フェーズに入った海外事業の収益貢献により、同社グループは新たな成長ステージに入ってきた。

※同社では、マーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)を「デジタル技術・デジタル人材によって業務プロセスや手法を変革し、人と企業の関係性を高めること」と定義している。


2. 2020年12月期の業績
2020年12月期の連結業績は、売上高が前期比2.6%増の4,192百万円、営業利益が298百万円(前期は157百万円の損失)と微増収ながら計画を上回る大幅な増益により、営業黒字化を実現した。「国内SaaS事業」や「ソリューション事業」がコロナ禍をきっかけとしたマーケティングDXの需要拡大等により好調に推移したほか、「海外SaaS事業」及び「中国進出支援事業」もそれぞれ着実に伸びた。特に、四半期推移で見ると、各事業ともに緊急事態宣言(1回目)が解除された第3四半期以降の伸びが大きく、今後に向けても明るい兆しが見えてきた。損益面でも、収益の底上げや販管費の削減により大幅な増益を実現し、3期連続の営業損失計上からの黒字転換を果たした。特筆すべきは、これまで先行投資フェーズにあった「海外SaaS事業」が第4四半期に黒字化(四半期ベース)したことであり、今後は投資回収フェーズに入っていくものと考えられる。また、活動面でも、中国市場との強力なネットワークを持つラオックス<8202>との業務提携(中国進出支援事業)などで大きな成果を残すことができた。

3. 今後の方向性
マーケティング領域におけるDXへの流れが加速するなかで、「SaaSツール」と「デジタル人材」の両輪から、顧客企業のマーケティング効率を格段に向上させるDX支援を提供し、「マーケティングDX支援企業」として圧倒的ポジションを目指す方向性である。特に、「SaaSツール」については、多様なサービスラインナップの強みを生かして、より盤石な顧客基盤を構築するとともに、アップセル、クロスセルにより顧客単価の引き上げにも取り組む。また、「デジタル人材」については、顧客企業のマーケティングDX戦略を包括的に支援する質の高い人材を拡充していく方針である。

4. 2021年12月期の業績予想
2021年12月期の連結業績について同社は、売上高を前期比10.2%増の4,620百万円、営業利益を同33.9%増の400百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。マーケティングDXの流れなどを追い風として、「国内SaaS事業」と「ソリューション事業」を中心に各事業がそれぞれ伸長する見通しである。損益面でも、新サービスの開発や既存サービスの機能拡充など、将来に向けた先行費用を継続するものの、増収による収益の底上げにより大幅な増益を実現し、営業利益率も8.7%(前期は7.1%)に改善する見通しである。

■Key Points
・2020年12月期は計画を上回る大幅な増益により、営業黒字化を実現。マーケティングDXへの流れを追い風として、第3四半期以降は各事業が順調に伸長。先行投資フェーズにあった「海外SaaS事業」についても、第4四半期に営業黒字転換(四半期ベース)
・「マーケティングDX支援企業」として圧倒的ポジションの確立を新たな中期テーマに掲げ、まずはSaaSの強化とデジタル人材の拡充に取り組む
・2021年12月期も、引き続きマーケティングDXを追い風に大幅な増収増益を見込む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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