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ピクスタ Research Memo(8):fotowa事業では認知度向上に向けた投資を本格的に開始

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略・トピックス

3. fotowa事業の成長戦略
fotowa事業では、2024年に取扱高20億円規模、2030年には取扱高100億円規模を目指している。成長に向けた今後の取り組みとしては、認知度・知名度の向上を優先する。ピクスタ<3416>では、2021年12月期の全社広告宣伝費504百万円のうち約3.3億円をfotowa事業に投入する計画である。結果としてfotowa事業の2021年12月期の営業損失は371百万円(前期は179百万円の損失)と拡大する見込みだ。向こう数年は先行投資フェーズと位置付け、PIXTA事業で創出した利益をfotowa事業に投資する戦略である。具体策としては、認知度向上を目的に、認知系広告、各種媒体露出、SNS運用への投資を約1.8億円の予算規模で開始する。

『fotowa』は、子ども写真館市場(約700億円)を代替(または新規需要開拓)しながら成長している。現状、出張撮影サービスのトップランナーであり、将来有望な事業である。リピーター率が14.9%(前期比3.8ポイント上昇)と右肩上がりなことも、同社のビジネスモデルが充実していることを示している。業界自体の成長とともに、トップブランドの地位を盤石にするために、この時期に認知度向上に積極投資することは、理にかなっていると弊社では考えている。将来的には、子ども写真館市場だけでなく、シニア市場やペット市場、法人向けや結婚式など、様々な写真撮影シーンの市場開拓を行い、“出張撮影と言えば『fotowa』”という確固たるブランドを作る考えだ。


Snapmart事業ではオンデマンド撮影の営業強化を推進

4. Snapmart事業の成長戦略
Snapmart事業の成長戦略は、PIXTA事業の課題と類似する。既にほぼ黒字化した事業だが、更なる収益の拡大を図るためにも、オンデマンド撮影の成長やマーケットプレイスの定額制契約者の増加が目標となる。2021年12月期はオンデマンド撮影の営業強化及びマーケットプレイス定額制契約数増加に向けたSEO 対策強化が重点施策となる。


AIシステム向けの機械学習用教師データ販売に進出

5. その他トピックス
同社は、2018年9月に機械学習用画像データの提供サービスを開始して以来、着実に実績を積み重ねている。第四次産業革命が進行する中、AI(人工知能)が様々な場面で活用されるようになっているが、機械学習・深層学習に人物画像を教師データとして活用する場合、肖像権や著作権の観点からインターネット上にある人物画像を使用することは難しく、特に日本人の顔画像は教師データとして利用できるほどのデータ数を集めることは難しい現状である。『PIXTA』には著作権・肖像権などの権利がクリアされた商用利用可能な画像(特に日本人の人物画像)が数多くあり、一定の分類もされていることから教師データとして使いやすい。一例として「人物写真」で「バストアップ」で「白背景」の画像だけがほしい、といった要望にも素材点数5,800万点のデータベースから検索することでタイムリーに対応することができる。

同社とAIテックベンチャーのグローバルウォーカーズ(株)は、2020年8月に業務提携を行った。同社の保有する画像データに、グローバルウォーカーズがクライアント企業の要望に合わせたアノテーション(画像データに適切な情報をタグ付けする業務)を施し、「機械学習・深層学習における商用利用可能な画像データセット」として共同販売する取り組みである。弊社では、同社の保有資産である量と質を伴ったコンテンツが「教師データ活用」という新しい価値を創出する可能性があることが証明されつつあると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)




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