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テクマト Research Memo(6):クラウド型ネットワーク・セキュリティサービスの受注が急拡大(1)

注目トピックス 日本株
■テクマトリックス<3762>の業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) 情報基盤事業
情報基盤事業の売上高は前期比10.5%増の20,997百万円、営業利益は同21.1%増の2,761百万円と過去最高を更新した。前期と同じ会計基準で比較すると、売上高は同37.5%増の26,131百万円、営業利益は同50.1%増の3,423百万円と大幅増収増益となる。受注高も前期比36.2%増の27,308百万円と伸長し、受注残高は同90.7%増の20,695百万円と大きく積み上がった。受注残高の増加は、2021年3月期に受注したサブスクリプション型サービスの大型案件について、契約期間が3年や5年といった複数年契約の案件が多かったことによる。

ただ、こうした大型案件の影響を除いても好調だった。コロナ禍でリモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要が第1四半期に急増したほか、2年前に立ち上げたストラテジックアカウントチームやパートナーセールスチームによる重点顧客及び重点パートナーに対するクロスセル提案が順調に成果を見せ始めたこと、ここ2〜3年強化している西日本エリアでの新規顧客開拓についても予想以上に順調に進んだことなどが要因だ。


分野別の売上動向を旧会計基準ベースで見ると、ほぼすべてのカテゴリーで前期比2ケタ増収となった。新基準ベースではアンチウイルス等の分野が2ケタ減となっているが、同分野の主要ベンダーであるMcAfee社製品について、サブスクリプション型サービスの比率が上昇していることが要因となっている。また、子会社のうち沖縄クロス・ヘッドについては、コロナ禍でリモートデスクトップ・サービスやバックアップ・サービスが好調に推移し、前期比並びに会社計画比で増収増益となった。クロス・ヘッドについてはSI案件の受注が低迷したことや、常駐の運用監視サービスで不採算案件の整理を進めたこともあり減収減益と苦戦した。

製品別の販売状況は全般的に好調だったが、なかでも需要が急拡大しているPalo Alto Networks社製SASEである「Prisma Access」の受注が急増した。クラウド型のサービスとなるため、リモートワーク環境の迅速な整備や各拠点のセキュリティ対策を一元化できる利便性の高さが評価され、海外にも拠点を多く持つグローバル企業から大型受注案件を相次いで獲得した。こうした実績が評価され、同社はパロアルトネットワークス(株)が2020年12月に開催したイベント「Japan Partner Day 2020 Virtual」で、2020年の「JAPAN Distribution Partner of the Year」※を受賞したことを発表している。

※「JAPAN Distribution Partner of the Year」は、販売実績や前年度からの成長、販売後のサポートサービスの提供において大きな成果を達成した日本のディストリビュータを表彰するもので、同社は2018年から3年連続の受賞となった。


なお、情報基盤事業(単体)におけるストック売上比率が前期の38.6%から64.0%と大きく上昇したが、これは新収益認識基準の適用によって、これまで非ストック売上として計上してきた保守一体の製品販売の保守部分や、一部のサブスクリプション型サービスをストック売上として計上したことが要因となっている。前期との連続性が無いため比較はできないが、今後もサブスクリプション型のサービス拡大が見込まれることから、ストック売上比率は緩やかに上昇していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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