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三栄コーポ Research Memo(2):健康と環境をテーマに「くらしに、良いもの」を世界で製造・販売する多機能商社

注目トピックス 日本株
■会社概要

1. 会社概要と沿革
三栄コーポレーション<8119>は、戦後間もない1946年に装飾品の輸出業務を目的に大阪で創業し、70年以上の歴史を持つ。現在では生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売りまでのサプライチェーンを幅広く手掛けている。海外は18ヶ所の拠点、国内直営小売店は67店舗を持つ、多機能な商社に成長した。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画に代表されるこだわりある商品のOEM調達など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。「くらしに、良いものを。」をコンセプトに、海外拠点で製造し日本市場のみならず海外市場に販売するグローバルな企業である。

同社は2020年初めに、100年企業を念頭に原点に立ち返り、企業理念と経営ビジョンを再考した。新たな企業理念は「随縁の思想」である。この言葉は、同社創業者が以前に掲げていたものである。「随縁」とは、仏教に由来し、「縁に従うこと」「縁に従って種々の相を生じること」を意味する。仕事だけではなく、人生において、人と人とのつながりが一番大切であることを企業理念に据えた。また経営ビジョンを、「三栄コーポレーションは真に優れた生活用品を提供します。「健康と環境」をテーマに健やかで潤いのあるくらしを創造します。」へ刷新した。これまでも「健康と環境」は同社のテーマだったが、同社の上質な製品・サービスへのこだわりは変わらない。その説明文に「くらしに、良いものを。」とあることからも、ステークホルダーにわかりやすく、シンプルなメッセージとなった。

2. 事業構成
同社の事業セグメントは、「家具家庭用品事業」「服飾雑貨事業」「家電事業」「その他」に分類される。「家具家庭用品事業」は国内外の大手企業に対してOEM製品を調達する事業がメインとなっている。自社のeコマースブランドも成長株であり、2021年3月期において全社売上高の53.5%を占める。「服飾雑貨事業」は、「BIRKENSTOCK」(シューズ)や「Kipling(キプリング)」(バッグ)など販売権を持つブランド商品の輸入販売及び国内外向けOEM事業を行っている。当該セグメントは全社売上高の26.4%を占める。「家電事業」は、OEM製品調達とブランドビジネスの両方があり、ブランドとしては、「Vitantonio(ビタントニオ)」(調理家電)や「mod's hair(モッズヘア)」(理美容家電)が主力である。全社売上高に対する構成比は14.4%となっている。「その他」の事業セグメントはペットショップなどを展開しており、全社売上高の5.8%を占める。

また、ビジネスモデルの面では、ブランド事業とOEM事業に分類される。ブランド事業は、海外ブランドや自社ブランド商品の卸売・小売りを主に国内で展開している。歴史があり日本で紹介されていないブランドを扱う。ブランド事業は、一般的にOEM事業よりも収益性が高いとされている。現状、全社売上高の33.2%(2021年3月期)であるが、将来的には40%程度を目指す。OEM事業は、顧客企業のニーズに合う商品の商品仕様検討、工場選定、価格交渉、生産管理、輸出入/物流など調達業務を行う。長年の海外展開で構築されたアジアにおける製造ネットワークと自社スタッフによる生産管理が強みであり、全社売上高の66.8%(同)となっている。歴史的には、OEM事業で培ってきた海外ビジネスの知識と経験を活用してブランド事業を展開した経緯があるが、現在では様々な面で相乗効果がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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