ディーエムソリュ Research Memo(1):バーティカルメディアサービスとフルフィルメントサービスがけん引
[21/07/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. ダイレクトメール事業とインターネット事業が両輪
ディーエムソリューションズ<6549>は、ダイレクトメールとインターネット広告を通じて、顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)をつなぐ事業を行っている。ダイレクトメール事業では、ダイレクトメール(DM)の企画から印刷、封入・封緘、配送といった作業をワンストップで展開、単なるDMの発送にとどまらないソリューションを提供しており、大手上場企業など多くの顧客に利用されている。また、ECの成長を的確に捉えたフルフィルメントサービスも展開している。インターネット事業では、SEOノウハウをコアに、デジタルマーケティングサービスとバーティカルメディアサービスを展開している。2021年3月期における売上高構成比は、安定収益源のダイレクトメール事業が79.6%、成長ドライバー期待のインターネット事業が20.4%だった。
2. 強みを背景に新サービス開発や新規事業開拓を積極化
ダイレクトメールの市場は規模が3,400億円程度で微減傾向にあると言われているが、中小零細の事業者が多く、大手の同社でさえシェアが3%程度しかないため、同社にとって成長余地は大きい。加えて同社のダイレクトメール事業には、約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力、企画・デザインから発送までのワンストップソリューション、参入が難しい主力の中小規模顧客層、フルフィルメントサービスの応需能力などの強みがある。一方インターネット事業は、競合の多い厳しい環境だが市場全体が成長している。また、同社には、蓄積されたSEOノウハウ、バーティカルメディアやインターネット広告の運用ノウハウ、Webサイトの構築力といった強みがある。同社は、2つの事業の強みを背景に、M&Aや提携を積極的に進め、新サービスの開発や新規事業の構築を強化している。
3. M&Aや提携などにより越境ECやD2Cなどをリリース
同社は、業務提携により「越境EC物流アウトソーシングサービス」を展開する計画である。国内EC事業者の越境ECにおける手間やコストを軽減することを目指す。また、合弁会社Performance Technologies(株)を設立し、潜在ニーズの掘り起こしから新規顧客獲得までを一気通貫で行う、市場創造型の新たなデジタルマーケティング事業を展開する予定である。さらに、衣料品など輸入雑貨卸の(株)ビアトランスポーツを子会社化した。同社の強みを生かしてビアトランスポーツの収益改善を進めるが、ビアトランスポーツの海外商品を取り扱うノウハウも、同社越境ECサービスなどとのシナジーが期待できそうだ。このほか、化粧品のD2C事業やクラウド型発送代行注文システム「DMWEB」などの新規事業や新サービスもリリースした。
4. 検索サイトのアルゴリズム変更を背景に2022年3月期は保守的な予想
2021年3月期の業績は、売上高14,621百万円(前期比8.8%増)、営業利益659百万円(同210.8%増)となった。緊急事態宣言が発出された第1四半期にDM発送が苦戦したが下期に回復、フルフィルメントサービスも順調に成長した。一方、SEO効果や巣ごもり需要を背景に、利益率の高いバーティカルメディアサービスが収益を大きく伸ばした。2022年3月期の業績予想は、売上高16,299百万円(前期比11.5%増)、営業利益200百万円(同69.7%減)を見込んでいる。ダイレクトメール事業で新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を、インターネット事業では検索サイトのアルゴリズム変更の影響を保守的に見ているようだ。2021年3月期に高水準の利益を達成したこともあり、中期的には2ケタ億円の営業利益が視野に入りつつある。
■Key Points
・2021年3月期はダイレクトメール事業もインターネット事業も強みを発揮
・強みを背景に越境ECやD2Cなど新サービス・新規事業を積極的に展開
・2022年3月期は検索サイトのアルゴリズム変更でやや保守的な予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. ダイレクトメール事業とインターネット事業が両輪
ディーエムソリューションズ<6549>は、ダイレクトメールとインターネット広告を通じて、顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)をつなぐ事業を行っている。ダイレクトメール事業では、ダイレクトメール(DM)の企画から印刷、封入・封緘、配送といった作業をワンストップで展開、単なるDMの発送にとどまらないソリューションを提供しており、大手上場企業など多くの顧客に利用されている。また、ECの成長を的確に捉えたフルフィルメントサービスも展開している。インターネット事業では、SEOノウハウをコアに、デジタルマーケティングサービスとバーティカルメディアサービスを展開している。2021年3月期における売上高構成比は、安定収益源のダイレクトメール事業が79.6%、成長ドライバー期待のインターネット事業が20.4%だった。
2. 強みを背景に新サービス開発や新規事業開拓を積極化
ダイレクトメールの市場は規模が3,400億円程度で微減傾向にあると言われているが、中小零細の事業者が多く、大手の同社でさえシェアが3%程度しかないため、同社にとって成長余地は大きい。加えて同社のダイレクトメール事業には、約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力、企画・デザインから発送までのワンストップソリューション、参入が難しい主力の中小規模顧客層、フルフィルメントサービスの応需能力などの強みがある。一方インターネット事業は、競合の多い厳しい環境だが市場全体が成長している。また、同社には、蓄積されたSEOノウハウ、バーティカルメディアやインターネット広告の運用ノウハウ、Webサイトの構築力といった強みがある。同社は、2つの事業の強みを背景に、M&Aや提携を積極的に進め、新サービスの開発や新規事業の構築を強化している。
3. M&Aや提携などにより越境ECやD2Cなどをリリース
同社は、業務提携により「越境EC物流アウトソーシングサービス」を展開する計画である。国内EC事業者の越境ECにおける手間やコストを軽減することを目指す。また、合弁会社Performance Technologies(株)を設立し、潜在ニーズの掘り起こしから新規顧客獲得までを一気通貫で行う、市場創造型の新たなデジタルマーケティング事業を展開する予定である。さらに、衣料品など輸入雑貨卸の(株)ビアトランスポーツを子会社化した。同社の強みを生かしてビアトランスポーツの収益改善を進めるが、ビアトランスポーツの海外商品を取り扱うノウハウも、同社越境ECサービスなどとのシナジーが期待できそうだ。このほか、化粧品のD2C事業やクラウド型発送代行注文システム「DMWEB」などの新規事業や新サービスもリリースした。
4. 検索サイトのアルゴリズム変更を背景に2022年3月期は保守的な予想
2021年3月期の業績は、売上高14,621百万円(前期比8.8%増)、営業利益659百万円(同210.8%増)となった。緊急事態宣言が発出された第1四半期にDM発送が苦戦したが下期に回復、フルフィルメントサービスも順調に成長した。一方、SEO効果や巣ごもり需要を背景に、利益率の高いバーティカルメディアサービスが収益を大きく伸ばした。2022年3月期の業績予想は、売上高16,299百万円(前期比11.5%増)、営業利益200百万円(同69.7%減)を見込んでいる。ダイレクトメール事業で新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を、インターネット事業では検索サイトのアルゴリズム変更の影響を保守的に見ているようだ。2021年3月期に高水準の利益を達成したこともあり、中期的には2ケタ億円の営業利益が視野に入りつつある。
■Key Points
・2021年3月期はダイレクトメール事業もインターネット事業も強みを発揮
・強みを背景に越境ECやD2Cなど新サービス・新規事業を積極的に展開
・2022年3月期は検索サイトのアルゴリズム変更でやや保守的な予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>