ディーエムソリュ Research Memo(4):強みは営業力、価格競争力、受託能力、フルフィルメントなど
[21/07/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■強みと戦略
1. 強みと課題
ディーエムソリューションズ<6549>の強みは、ダイレクトメール事業における約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力、企画・デザインから発送までのワンストップソリューション、参入が難しい主力の中小規模顧客層、フルフィルメントサービスの応需能力にある。インターネット事業においては蓄積されたSEOノウハウ、バーティカルメディアやインターネット広告の運用ノウハウ、Webサイトの構築力にある。こうした2つの事業を持つことで生み出されるシナジーも強みといえ、それぞれの事業価値を向上させるだけでなく、ネットとリアルにわたる新サービスや新規事業など新しい価値の創造にもつながっている。
(1) ダイレクトメール事業の強み
ダイレクトメールの市場は、規模が3,400億円程度で微減傾向にあると言われる。また、依然として小規模な印刷業者が印刷のついでに郵便の発送を代行していることが多い。このため、大手の同社でさえシェアが3%程度しかなく、集約化がようやく進み始めたニッチな業界と言うことができる。しかし、DMの減少要因は、インターネットの利用増加を背景に、同社では取り扱いのない年賀状や請求書が減っていることにあると言われている。したがって商用のDM市場は、実態としては言われるほど縮小している可能性は低く、また開封率の高さから高単価商材や好景気業種での利用が意外と多いこともあり、全体のトレンドと異なって堅調と想定することができる。
そのような業界において同社は約90人もの営業スタッフを抱え全国規模で営業を展開し、4,000を超える取引社数や多数の案件数を取り扱っているため、景気に左右されにくい構造にもなっている。同業の大手発送代行企業でも、同社ほどの営業体制にはないように思われる。また、同社のターゲットは、中小規模の案件が中心だが、中小規模案件は顧客ニーズに合わせてカスタマイズする能力が必要とされるため、参入が少なく競争が起きにくい上、高採算も狙うことができる。さらに、DM部門だけで自社デザイナーを数人抱え、商品企画のできる部署もあるため、発送代行にとどまらず、企画やデザインから顧客の求めに応じてワンストップのサービスが可能となっている。加えて、急成長するEC市場に対しては、フルフィルメントサービスの拡大で対応している。上場企業の資金力を背景に、余裕ある受託能力によって積極営業を下支えすることができる。全国屈指のスケールがあるため、ゆうメールやメール便の発送費などで強い価格競争力も維持している。
(2) インターネット事業の課題と強み
インターネット事業のボラティリティがやや高いことは課題と言える。ドッグイヤーの業界のため日進月歩で新しい技術が開発され、常に新たな技術に関するノウハウを導入しサービスを拡充させないと、即座に優位性が失われてしまうからである。また、デジタルマーケティングサービスもバーティカルメディアサービスも検索順位が優位性の決め手となるが、定期的に行われる検索エンジンのアルゴリズムの更新への対応がなかなか容易ではない。長年SEOのノウハウを積み上げてきたが、それでも集客が弱まることがあるため、さらにノウハウを積み上げていく必要があるだろう。だからこそ、20人ものスタッフがアルゴリズムの変更に対応しているSEOのノウハウは同社の強みの源泉ということができ、それをコアにしたバーティカルメディアやインターネット広告の運用ノウハウ、Webサイトの構築力に強みがあると言える。高成長が期待されるインターネット事業ゆえ、一定のボラティリティの中で最新の技術を追求していくことが肝心と考える。そのような市場構造の中で、同社のバーティカルメディアの成功体験が格段に増えているということは、まさに同社の強みの表れと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
1. 強みと課題
ディーエムソリューションズ<6549>の強みは、ダイレクトメール事業における約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力、企画・デザインから発送までのワンストップソリューション、参入が難しい主力の中小規模顧客層、フルフィルメントサービスの応需能力にある。インターネット事業においては蓄積されたSEOノウハウ、バーティカルメディアやインターネット広告の運用ノウハウ、Webサイトの構築力にある。こうした2つの事業を持つことで生み出されるシナジーも強みといえ、それぞれの事業価値を向上させるだけでなく、ネットとリアルにわたる新サービスや新規事業など新しい価値の創造にもつながっている。
(1) ダイレクトメール事業の強み
ダイレクトメールの市場は、規模が3,400億円程度で微減傾向にあると言われる。また、依然として小規模な印刷業者が印刷のついでに郵便の発送を代行していることが多い。このため、大手の同社でさえシェアが3%程度しかなく、集約化がようやく進み始めたニッチな業界と言うことができる。しかし、DMの減少要因は、インターネットの利用増加を背景に、同社では取り扱いのない年賀状や請求書が減っていることにあると言われている。したがって商用のDM市場は、実態としては言われるほど縮小している可能性は低く、また開封率の高さから高単価商材や好景気業種での利用が意外と多いこともあり、全体のトレンドと異なって堅調と想定することができる。
そのような業界において同社は約90人もの営業スタッフを抱え全国規模で営業を展開し、4,000を超える取引社数や多数の案件数を取り扱っているため、景気に左右されにくい構造にもなっている。同業の大手発送代行企業でも、同社ほどの営業体制にはないように思われる。また、同社のターゲットは、中小規模の案件が中心だが、中小規模案件は顧客ニーズに合わせてカスタマイズする能力が必要とされるため、参入が少なく競争が起きにくい上、高採算も狙うことができる。さらに、DM部門だけで自社デザイナーを数人抱え、商品企画のできる部署もあるため、発送代行にとどまらず、企画やデザインから顧客の求めに応じてワンストップのサービスが可能となっている。加えて、急成長するEC市場に対しては、フルフィルメントサービスの拡大で対応している。上場企業の資金力を背景に、余裕ある受託能力によって積極営業を下支えすることができる。全国屈指のスケールがあるため、ゆうメールやメール便の発送費などで強い価格競争力も維持している。
(2) インターネット事業の課題と強み
インターネット事業のボラティリティがやや高いことは課題と言える。ドッグイヤーの業界のため日進月歩で新しい技術が開発され、常に新たな技術に関するノウハウを導入しサービスを拡充させないと、即座に優位性が失われてしまうからである。また、デジタルマーケティングサービスもバーティカルメディアサービスも検索順位が優位性の決め手となるが、定期的に行われる検索エンジンのアルゴリズムの更新への対応がなかなか容易ではない。長年SEOのノウハウを積み上げてきたが、それでも集客が弱まることがあるため、さらにノウハウを積み上げていく必要があるだろう。だからこそ、20人ものスタッフがアルゴリズムの変更に対応しているSEOのノウハウは同社の強みの源泉ということができ、それをコアにしたバーティカルメディアやインターネット広告の運用ノウハウ、Webサイトの構築力に強みがあると言える。高成長が期待されるインターネット事業ゆえ、一定のボラティリティの中で最新の技術を追求していくことが肝心と考える。そのような市場構造の中で、同社のバーティカルメディアの成功体験が格段に増えているということは、まさに同社の強みの表れと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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