ディーエムソリュ Research Memo(8):バーティカルメディア反転で大幅減益予想だが、やや保守的
[21/07/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績予想について、ディーエムソリューションズ<6549>は売上高16,299百万円(前期比11.5%増)、営業利益200百万円(同69.7%減)、経常利益193百万円(同70.8%減)、当期純利益102百万円(同76.1%減)を見込んでいる。国内経済は、ワクチン接種率向上への期待は大きいものの、コロナ禍により依然厳しい環境が見込まれており、同社が属する広告業界にも引き続き影響を与えると想定される。こうした状況下、同社は戦略的投資を積極的に継続し、事業強化及び人材育成に注力する方針である。なお、2021年4月1日付でビアトランスポーツを子会社化したため、2022年3月期は連結決算となるが、便宜上、2021年3月期非連結決算と比較している。なお、ビアトランスポーツの連結業績への影響はおおよそ、売上高で11億円の増収要因、のれんやM&A費用が発生するため営業利益で0.2億円程度の減益要因と推定される。
このような環境下、同社はダイレクトメール事業のDM発送において、コロナ禍の影響で開催中止が見込まれる集客を伴うイベントやセール、セミナーなどの告知物の発送減少を想定している模様である。また、インターネット事業では、検索サイトのアルゴリズム変更により足元で主力メディアサイトの検索順位が低調に推移していることを、相当保守的に想定しているようだ。しかし、ダイレクトメール事業で、ワクチンの普及などからDM発送が回復基調にあり、新たに稼働したフルフィルメントセンターが次々と稼働を伸ばしていることから、収益が前年を上回る可能性も少なくないと想定される。また、インターネット事業では、SEO施策に関して前期第4四半期から送客が落ちていることからスタッフが既に建て直しに動いており、今後業況が好転する可能性も残されている。以上のことから、同社の2022年3月期減益予想はやや保守的と思われ、現状の推移において必達の意志の表れと理解できる。
2つの事業の成長に新たな事業の成長が加わる
3. 中長期成長イメージ
中長期的には「withコロナ」の時代も想定する必要があるが、ワクチンや治療薬が登場すれば、おおむね過去の平時と同様の事業環境に戻ると考えられる。そうなれば、ニューノーマル対応を背景に事業内で多少の変更はあったとしても、「ダイレクトメール事業の事業拡大、インターネット事業の飛躍に取り組むとともに、2事業の連携が生む新たなソリューションへの展開を進め、事業規模拡大と企業価値向上を目指す」という同社の方針は大きくは変わらないだろう。
設立以来、同社は業容を拡大し売上を順調に増加させてきた。今後もダイレクトメール市場は縮小が続くと予測されているが、年賀状や請求書の業務を請け負わない同社にとって、高い開封率とそれに伴う高い広告効果が期待できる限り、シェアアップを重視する施策は生産的である。また、強化中の宅配便など小型貨物の市場は、ECの増勢とフルフィルメントセンターの増強に伴って拡大に弾みがついてきた。インターネット広告市場は引き続き高い成長を続けており、日進月歩の新技術を取り入れる必要はあるが、今後も同様の成長が期待できるだろう。ややボラティリティが大きいとはいえ、同社の強みとなってきたバーティカルメディアの成長も期待できる。さらに、ダイレクトメール事業とインターネット事業のシナジーを生かしたサービスや、EC・D2Cなどに関連した新規事業もいよいよ始まる。ダイレクトメール事業の安定成長とインターネット事業の高成長、そして両事業を生かした様々な新サービス・新規事業によって、同社は今後も成長を続けていくと予想する。2021年3月期の実績を考慮すると、遠からず営業利益で2ケタ億円が視野に入ってくるイメージだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績予想について、ディーエムソリューションズ<6549>は売上高16,299百万円(前期比11.5%増)、営業利益200百万円(同69.7%減)、経常利益193百万円(同70.8%減)、当期純利益102百万円(同76.1%減)を見込んでいる。国内経済は、ワクチン接種率向上への期待は大きいものの、コロナ禍により依然厳しい環境が見込まれており、同社が属する広告業界にも引き続き影響を与えると想定される。こうした状況下、同社は戦略的投資を積極的に継続し、事業強化及び人材育成に注力する方針である。なお、2021年4月1日付でビアトランスポーツを子会社化したため、2022年3月期は連結決算となるが、便宜上、2021年3月期非連結決算と比較している。なお、ビアトランスポーツの連結業績への影響はおおよそ、売上高で11億円の増収要因、のれんやM&A費用が発生するため営業利益で0.2億円程度の減益要因と推定される。
このような環境下、同社はダイレクトメール事業のDM発送において、コロナ禍の影響で開催中止が見込まれる集客を伴うイベントやセール、セミナーなどの告知物の発送減少を想定している模様である。また、インターネット事業では、検索サイトのアルゴリズム変更により足元で主力メディアサイトの検索順位が低調に推移していることを、相当保守的に想定しているようだ。しかし、ダイレクトメール事業で、ワクチンの普及などからDM発送が回復基調にあり、新たに稼働したフルフィルメントセンターが次々と稼働を伸ばしていることから、収益が前年を上回る可能性も少なくないと想定される。また、インターネット事業では、SEO施策に関して前期第4四半期から送客が落ちていることからスタッフが既に建て直しに動いており、今後業況が好転する可能性も残されている。以上のことから、同社の2022年3月期減益予想はやや保守的と思われ、現状の推移において必達の意志の表れと理解できる。
2つの事業の成長に新たな事業の成長が加わる
3. 中長期成長イメージ
中長期的には「withコロナ」の時代も想定する必要があるが、ワクチンや治療薬が登場すれば、おおむね過去の平時と同様の事業環境に戻ると考えられる。そうなれば、ニューノーマル対応を背景に事業内で多少の変更はあったとしても、「ダイレクトメール事業の事業拡大、インターネット事業の飛躍に取り組むとともに、2事業の連携が生む新たなソリューションへの展開を進め、事業規模拡大と企業価値向上を目指す」という同社の方針は大きくは変わらないだろう。
設立以来、同社は業容を拡大し売上を順調に増加させてきた。今後もダイレクトメール市場は縮小が続くと予測されているが、年賀状や請求書の業務を請け負わない同社にとって、高い開封率とそれに伴う高い広告効果が期待できる限り、シェアアップを重視する施策は生産的である。また、強化中の宅配便など小型貨物の市場は、ECの増勢とフルフィルメントセンターの増強に伴って拡大に弾みがついてきた。インターネット広告市場は引き続き高い成長を続けており、日進月歩の新技術を取り入れる必要はあるが、今後も同様の成長が期待できるだろう。ややボラティリティが大きいとはいえ、同社の強みとなってきたバーティカルメディアの成長も期待できる。さらに、ダイレクトメール事業とインターネット事業のシナジーを生かしたサービスや、EC・D2Cなどに関連した新規事業もいよいよ始まる。ダイレクトメール事業の安定成長とインターネット事業の高成長、そして両事業を生かした様々な新サービス・新規事業によって、同社は今後も成長を続けていくと予想する。2021年3月期の実績を考慮すると、遠からず営業利益で2ケタ億円が視野に入ってくるイメージだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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