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データアプリ Research Memo(3):業界をリードする技術力・製品力が強み

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. 事業概要
データ・アプリケーション<3848>は、ミドルウェアを中心とするソフトウェア製品の開発・販売・保守及び導入・運用支援サービスを展開するソリューションカンパニーで、EDIやEAIといったデータ交換・連携用ミドルウェアを中心に展開している。

(1) 製品群
主力製品は、あらゆる企業間商取引をカバーする「ACMS B2B」や、中小規模向けEDIクライアント「ACMS Lite Neo」などのACMS※シリーズとなる。また、戦略製品として、ACMSシリーズ最上位モデル「ACMS Apex」(2016年販売開始)、Web-EDIシステム基盤「ACMS WebFramer」(2013年販売開始)、データ変換・加工プラットフォームのAny系製品の後継シリーズであるデータ ハンドリング プラットフォーム「RACCOON」(2014年販売開始)の拡販を推進している。これらに加え、文書データ活用・EDI統合ソリューションとして「OCRtran」(オーシーアールトラン)もある。「OCRtran」は、「ACMS Apex」及びウイングアーク1st<4432>のSPA Cloudとの連携ソリューションで、アナログ業務をAI-OCRでデジタル化し、データ連携するソリューションである。

※「ACMS(Advanced Communication Management System)」は同社の登録商標となっている。


同社は、EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダーのポジションを確立している。販売実績としては、ライセンス累計出荷数は12,925本、戦略製品累計出荷数は491本、累計導入企業数は2,473社(2021年3月期末時点)、業種別構成比は流通・サービス業74.8%、製造業20.7%、金融業・公共他4.5%(2021年3月期)であった。いずれも安定的に伸長しており、今後も継続的な成長を目指している。

(2) 売上区分
売上区分は、「ソフトウェア」「リカーリング」「サービスその他」となる。「ソフトウェア」は高収益なコア事業で、主力製品(EDI系製品・EAI統合製品・Any系製品)及び戦略製品を売り切りで販売している。「リカーリング」はサブスクリプション型の安定収益事業で、サブスクリプション売上及びメンテナンス売上などからなる。「サービスその他」は、ソフトウェア製品販売に付帯するサービスの提供や、通信機器の販売などがある。2021年3月期の売上高構成比としては、ソフトウェアが33.3%、リカーリングが65.2%、サービスその他が1.5%となった。

同社は収益安定性の向上のため、ソフトウェアの売り切りからリカーリング(サブスクリプション)への戦略的シフトを推進している。これに加え、ソフトウェアは戦略製品(特に「ACMS Apex」)に注力する方針を打ち出している。このため、ソフトウェアの主力製品の売上は減少傾向となり、この結果ソフトウェア全体でも減収傾向となっている。なお、リカーリングは、導入企業数の積み上げに伴うメンテナンスの増加や、サブスクリプション伸長などにより増収基調であるものの、2021年3月期は会計方針変更の影響でメンテナンス売上が減少した結果、リカーリング全体でも減収となっている。

2. 特徴・強み
同社製品の大半は、大手SIerのシステム構築・ソフトウェア開発に組み込まれる形で販売される。このため同社は、研究開発型企業として、次世代製品トレンドなど市場動向を把握しながら製品開発・改良を続けている。この点が同社の強みの1つとなっている。

2021年3月期末時点での販売パートナーは、NEC<6701>、(株)日立ソリューションズ・クリエイト、SCSK<9719>、日本ユニシス<8056>、富士通<6702>、(株)日立システムズ、NTTデータ<9613>など全国54社となっている。大手SIerを中心に強力な販売パートナー網を構築していると言える。製品は販売パートナーのシステム構築・ソフトウェア開発に組み込まれる形で販売されるため、同社にとっては研究開発に専念できる点がメリットとなる。なお、研究開発費はおおむね売上高の2割程度で推移していることから、さらなる技術力・製品力向上が期待できる。

3. リスク要因
リスク要因としては、景気変動等による企業のIT投資抑制、競合激化、製品の致命的不具合(バグ)発生、製品の陳腐化や技術革新への対応遅れ、販売パートナーとの関係、法的規制などがある。

このうち、企業のIT投資については、DXの流れを背景に、一時的な抑制・停滞が発生しても中長期的には高水準に推移することが予想される。また、製品の致命的不具合に対しては品質管理体制の強化、製品の陳腐化や技術革新に対しては研究開発体制のさらなる強化を推進しており、これに関連して2020年4月には技術探求室を設置している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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