ミロク情報 Research Memo(4):6つの基本戦略を推進し、中期経営計画の達成を目指していく(1)
[21/07/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■「中期経営計画Vision2025」
2. 基本戦略
中期経営計画の達成を実現するため、ミロク情報サービス<9928>は以下の6つの基本戦略を推進していく。
(1) 会計事務所ネットワークNo.1戦略
会計事務所ネットワークNo.1戦略を実現するため、ERPシステム「ACELINK NX-Pro」の機能強化を図り、新たな業務効率化ソリューションをミロク会計人会連合会(ユーザー組織)との共同プロジェクトによって企画・開発を推進していく。会計事務所向けERPシステムの市場シェアは約25%と安定しており、約8,400所のユーザーがいるが、ERP以外のサービス(MJS M&AパートナーズのM&A支援サービス等)で取引のある会計事務所もある。こうした会計事務所に対してERPシステムの導入提案を行っていくほか、新たに独立開業する会計事務所などの新規獲得にも注力していく。
また会計事務所に対して顧問先企業への経営指導を行うためのツールを提供していくことで、顧客ロイヤルティの最大化に取り組んでいく。たとえば、顧問先企業の毎月の資金繰りデータや受発注データ等を収集しAI分析することで数ヶ月後のキャッシュ・フロー状況の予測が可能となるツールを会計事務所に提供する。同ツールを利用して税理士が顧問先企業に対してファイナンスが必要と判断したのであれば、そのアドバイスを行うと同時に金融機関の紹介を行うことができ、会計事務所にとっても顧問先企業に対する新たな付加価値サービスとなるためメリットが大きい。なお、こうしたツールについては統合型DXプラットフォームを通じて提供する予定である。
(2) 中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略
中堅・中小企業のDX化に向けた経営課題に応えるサービス領域の拡大と、コンサルティングによる価値創造の最大化に取り組むことで、総合的なソリューション・ビジネスを展開していく。
顧客企業が抱えるDX関連の課題は事業の成長段階や環境変化に応じて多種多様にあり、これらの課題に最適なソリューションをグループ会社のリソースも含めて選択、提供していくことで、顧客ニーズを取り込んでいく。たとえば、会計・税務分野であれば同社の専門領域であり、デジタルマーケティング分野であればトライベック、人事分野であればトランストラクチャ、採用分野であればアド・トップがコンサルティングサービスを提供していくことになる。このように経営に関する多様なコンサルティングニーズに対して、ワンストップでソリューションを提供できる会社は少なく、同社グループの強みと言える。
また、主力のERP製品については、AI機能拡充や、外部製品とのAPI連携を強化し、顧客企業の利便性を向上していくことで競争優位性を構築していくほか、クラウド化(IaaS化)とSaaS型新製品の企画開発を進め、クラウドサービスへの移行を加速していく方針だ。現在、販売形態はオンプレミス型とクラウド型(IaaS型)での提供となっているが、2026年3月期には「Galileopt」「MJSLINK」「ACELINK」ともクラウド型(IaaS型)もしくはSaaS型でのサービス提供が主体となり、オンプレミス型でのサービス提供は大幅に縮小するものと予想される。
そのほか、販売チャネルとして今後も直販がメインではあるものの、インプリメンテーションパートナーの育成により、販売代理店経由での販売も伸ばしていく考えだ。
(3) 統合型DXプラットフォーム戦略
同社では、統合型DXプラットフォームの構築によって、中小企業・小規模事業者のDXを推進し、生産性向上と売上拡大による企業の成長を支援し、ひいては日本経済の発展に貢献していくことを目指している。中小企業や小規模事業者にはデジタル人材が不足しているため、DXが思うように進んでいない企業も多い。このため同社の統合型DXプラットフォームは、ITの専門知識がなくても導入が容易なUI設計としており、必要な機能のカスタマイズが可能なほか、統一ダッシュボードで一元操作を実現可能とするなど、使い勝手の良さをコンセプトとして打ち出し、利用企業の拡大を目指している。
分野別に4つのDXプラットフォームを用意しそれぞれでサービスを提供する。具体的には、顧客開拓等のマーケティングDX、フロントオフィス系のビジネスDX、バックオフィス系のオペレーティングDX、資金管理・調達などのファイナンスDXとなり、それぞれのプラットフォーム上に複数のサービスが提供されるイメージだ。
統合型DXプラットフォームについては、徹底したテストマーケティングを基に顧客に支持されるサービスを提供していくことで成長の好循環を造り出す戦略を掲げている。テストマーケティング(無償提供)は2021年7月から開始し、2022年4月より有償サービスを開始する予定となっている。無償期間中に会計事務所の顧問先企業などを中心に幅広い企業に使ってもらい、カスタマーサクセス施策と合わせて普及拡大につなげていく考えで、利用者が増えることによってサービス価値も高まり、獲得した収益を認知拡大と機能強化へ再投資するサイクルを構築していく。
トライベックが提供するCMS/Webサイト構築・UI改善サービスのほか、キャッシュ・フロー関連サービス、経営者同士がつながりを持つコミュニケーションツールを基本サービスとして提供することで顧客基盤を作る。また、オプションサービスとしてクラウド型ERPやマーケティングオートメーションツールなど、グループ内の製品だけでなくSFAやBIツールなど現在はグループ外の製品(他社製品)もプラットフォーム上に乗せ、サービスを提供していくことにしている。
同社では2026年3月期の目標として、ユーザー数3.5万社、ARPU(ユーザー当たり平均売上高)1.2万円/月、売上高50億円を掲げている。中小企業・小規模事業者向けSaaS・ソフトウェア市場のポテンシャルについて、同社は1.42兆円程度あると推計※しており、潜在的な需要は大きい。中期経営計画の達成に向けて統合型DXプラットフォームは重要な戦略となるだけに、今後のテストマーケティングの動向が注目される。
※調査機関による2019年の中小企業・小規模事業者のパッケージ及びSaaSの市場規模892億円に対して、同社グループのアンケート調査(「全社的にDXにすでに取り組んでいる」企業の比率6.3%)を基に推計。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2. 基本戦略
中期経営計画の達成を実現するため、ミロク情報サービス<9928>は以下の6つの基本戦略を推進していく。
(1) 会計事務所ネットワークNo.1戦略
会計事務所ネットワークNo.1戦略を実現するため、ERPシステム「ACELINK NX-Pro」の機能強化を図り、新たな業務効率化ソリューションをミロク会計人会連合会(ユーザー組織)との共同プロジェクトによって企画・開発を推進していく。会計事務所向けERPシステムの市場シェアは約25%と安定しており、約8,400所のユーザーがいるが、ERP以外のサービス(MJS M&AパートナーズのM&A支援サービス等)で取引のある会計事務所もある。こうした会計事務所に対してERPシステムの導入提案を行っていくほか、新たに独立開業する会計事務所などの新規獲得にも注力していく。
また会計事務所に対して顧問先企業への経営指導を行うためのツールを提供していくことで、顧客ロイヤルティの最大化に取り組んでいく。たとえば、顧問先企業の毎月の資金繰りデータや受発注データ等を収集しAI分析することで数ヶ月後のキャッシュ・フロー状況の予測が可能となるツールを会計事務所に提供する。同ツールを利用して税理士が顧問先企業に対してファイナンスが必要と判断したのであれば、そのアドバイスを行うと同時に金融機関の紹介を行うことができ、会計事務所にとっても顧問先企業に対する新たな付加価値サービスとなるためメリットが大きい。なお、こうしたツールについては統合型DXプラットフォームを通じて提供する予定である。
(2) 中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略
中堅・中小企業のDX化に向けた経営課題に応えるサービス領域の拡大と、コンサルティングによる価値創造の最大化に取り組むことで、総合的なソリューション・ビジネスを展開していく。
顧客企業が抱えるDX関連の課題は事業の成長段階や環境変化に応じて多種多様にあり、これらの課題に最適なソリューションをグループ会社のリソースも含めて選択、提供していくことで、顧客ニーズを取り込んでいく。たとえば、会計・税務分野であれば同社の専門領域であり、デジタルマーケティング分野であればトライベック、人事分野であればトランストラクチャ、採用分野であればアド・トップがコンサルティングサービスを提供していくことになる。このように経営に関する多様なコンサルティングニーズに対して、ワンストップでソリューションを提供できる会社は少なく、同社グループの強みと言える。
また、主力のERP製品については、AI機能拡充や、外部製品とのAPI連携を強化し、顧客企業の利便性を向上していくことで競争優位性を構築していくほか、クラウド化(IaaS化)とSaaS型新製品の企画開発を進め、クラウドサービスへの移行を加速していく方針だ。現在、販売形態はオンプレミス型とクラウド型(IaaS型)での提供となっているが、2026年3月期には「Galileopt」「MJSLINK」「ACELINK」ともクラウド型(IaaS型)もしくはSaaS型でのサービス提供が主体となり、オンプレミス型でのサービス提供は大幅に縮小するものと予想される。
そのほか、販売チャネルとして今後も直販がメインではあるものの、インプリメンテーションパートナーの育成により、販売代理店経由での販売も伸ばしていく考えだ。
(3) 統合型DXプラットフォーム戦略
同社では、統合型DXプラットフォームの構築によって、中小企業・小規模事業者のDXを推進し、生産性向上と売上拡大による企業の成長を支援し、ひいては日本経済の発展に貢献していくことを目指している。中小企業や小規模事業者にはデジタル人材が不足しているため、DXが思うように進んでいない企業も多い。このため同社の統合型DXプラットフォームは、ITの専門知識がなくても導入が容易なUI設計としており、必要な機能のカスタマイズが可能なほか、統一ダッシュボードで一元操作を実現可能とするなど、使い勝手の良さをコンセプトとして打ち出し、利用企業の拡大を目指している。
分野別に4つのDXプラットフォームを用意しそれぞれでサービスを提供する。具体的には、顧客開拓等のマーケティングDX、フロントオフィス系のビジネスDX、バックオフィス系のオペレーティングDX、資金管理・調達などのファイナンスDXとなり、それぞれのプラットフォーム上に複数のサービスが提供されるイメージだ。
統合型DXプラットフォームについては、徹底したテストマーケティングを基に顧客に支持されるサービスを提供していくことで成長の好循環を造り出す戦略を掲げている。テストマーケティング(無償提供)は2021年7月から開始し、2022年4月より有償サービスを開始する予定となっている。無償期間中に会計事務所の顧問先企業などを中心に幅広い企業に使ってもらい、カスタマーサクセス施策と合わせて普及拡大につなげていく考えで、利用者が増えることによってサービス価値も高まり、獲得した収益を認知拡大と機能強化へ再投資するサイクルを構築していく。
トライベックが提供するCMS/Webサイト構築・UI改善サービスのほか、キャッシュ・フロー関連サービス、経営者同士がつながりを持つコミュニケーションツールを基本サービスとして提供することで顧客基盤を作る。また、オプションサービスとしてクラウド型ERPやマーケティングオートメーションツールなど、グループ内の製品だけでなくSFAやBIツールなど現在はグループ外の製品(他社製品)もプラットフォーム上に乗せ、サービスを提供していくことにしている。
同社では2026年3月期の目標として、ユーザー数3.5万社、ARPU(ユーザー当たり平均売上高)1.2万円/月、売上高50億円を掲げている。中小企業・小規模事業者向けSaaS・ソフトウェア市場のポテンシャルについて、同社は1.42兆円程度あると推計※しており、潜在的な需要は大きい。中期経営計画の達成に向けて統合型DXプラットフォームは重要な戦略となるだけに、今後のテストマーケティングの動向が注目される。
※調査機関による2019年の中小企業・小規模事業者のパッケージ及びSaaSの市場規模892億円に対して、同社グループのアンケート調査(「全社的にDXにすでに取り組んでいる」企業の比率6.3%)を基に推計。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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