CAICA Research Memo(2):金融機関向けシステム開発やブロックチェーン技術に強み
[21/07/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
CAICA<2315>は、金融業向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発等を行う「ITサービス事業」及び、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引事業、暗号資産に関する金融商品の開発・販売等を手掛ける「金融サービス事業」の両輪で事業を展開している。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発を中心として、長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、同社グループ全技術者(約400名)がブロックチェーン技術者になる計画を実行しているところも特徴的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、自社開発による高度なセキュリティ機能を実装した暗号資産交換業者向けオールインワンパッケージ「crypto base C(クリプトベース・シー)」の外販や暗号資産関連の新商品の開発・販売など、暗号資産ビジネスへの取り組みを加速していく方針である。また、第一種金融商品取引業であるeワラント証券(株)や暗号資産交換所を擁するZaif HDを自社グループ内に抱えるシステム開発会社という、他に例を見ないユニークな事業基盤を生かすことで、金融とITをシームレスに統合したこれまでにないタイプの事業モデルの構築(金融プラットフォーマー構想)にも取り組む方向性を描いており、同社は新たなステージを迎えようとしている。2021年3月には、これまで持分法適用関連会社であったZaif HDを連結子会社とし、暗号資産ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業等、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融業界向けのシステム開発が70%程度を占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(2次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においても事業基盤は安定している。また、大企業からの1次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。一方、暗号資産関連のシステム開発については、同社グループ内の暗号資産交換所「Zaif Exchange」のシステムインテグレーションを担うとともに、FinTech分野向けの自社製品として開発を進めてきた暗号資産交換所パッケージシステム「crypto base C」※1の外販等にも注力している。さらには、テレワークの広がりを受け、「セキュリティコンサルティング・サービス」※2や「テレワーク・クイックサービス」※3、ブロックチェーンコミュニケーションサービス「Gu-Gu(グーグー)」※4の提供も開始し、自社ブランド製品の販売比率向上にも取り組んでいる。他にも、ブロックチェーン技術を用いたアートの登録・管理システムの開発なども手掛けており、公証プラットフォーム「regist ART」を(株)レジストアート※5に提供しているほか、2021年3月にはNFTプラットフォーム(詳細は後述)の販売を開始し、アートや不動産取引などへの活用が期待されるNFT市場へいち早く参入した。
※1 既存の暗号資産交換所や新たな参入予定先など約30社をターゲットとして、高度なセキュリティ機能の実装などによる差別戦略を展開していく方針である。
※2 現状のセキュリティ脆弱性診断や、課題の顕在化、課題対応方法の提案など、セキュリティに関するあらゆる課題をサポートするサービス。
※3 テレワーク環境を導入していない中小規模企業向けに、アマゾンウェブサービス(AWS)のAmazon WorkSpacesで、いつでもどこでもセキュアなアクセスを可能とするクラウド型仮想デスクトップを最短3日間で構築するサービス。PC1台当たりの月額課金による収益モデルとなっている。
※4 2020年10月に販売開始した、テレワークにより不足している従業員間のコミュニケーションを活性化させるサービス。他のサービスと連携することを想定し、セキュアに情報連携・共有が可能なブロックチェーン基盤を採用している。2021年6月にはクシム<2345>が提供するオンライン学習管理システム「SLAP」との連携を開始した。
※5 ブロックチェーン技術による美術品登録サービス等を手掛けており、2018年3月に同社と資本業務提携を締結している。
(2) 金融サービス事業
2018年2月に連結子会社となったeワラント証券(金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業)を中心に金融商品の企画・開発・組成・販売等を手掛けており、特に暗号資産関連商品の開発・販売に注力している。また、2021年3月には暗号資産交換所「Zaif Exchange」を擁するZaif HDを連結子会社とし、暗号資産ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。eワラント証券は、カバードワラントの商品設計、システム開発、安定運用等について、高度な専門知識と経験を持つスタッフを擁するとともに、日本における代表的な小口投資家向け店頭カバードワラントである「eワラント」(eワラント証券の登録商標)を提供している。「eワラント」はこれまでオンライン証券を通じて取引されてきたが、2019年9月よりeワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」を開始すると、2019年12月にはEVOLUTION JAPAN証券(株)から「eワラント」の販売の取扱事業を譲り受け、さらなる販売体制の強化を図っている。また、今後の収益ドライバーとして期待されるCFDサービスも開始しており、事業拡大に向けて着々と基盤強化を進めてきた。2021年2月以降、暗号資産を原資産とした新商品、「ビットコインレバレッジトラッカー」「イーサリアムレバレッジトラッカー」「暗号資産先物インデックストラッカー」を相次いで発表し、2021年7月には暗号資産CFD取引サービスを開始した。今後も、Zaifグループとeワラントグループの連携強化により、デリバティブを含む、独自の暗号資産関連商品の開発・販売に注力していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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CAICA<2315>は、金融業向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発等を行う「ITサービス事業」及び、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引事業、暗号資産に関する金融商品の開発・販売等を手掛ける「金融サービス事業」の両輪で事業を展開している。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発を中心として、長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、同社グループ全技術者(約400名)がブロックチェーン技術者になる計画を実行しているところも特徴的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、自社開発による高度なセキュリティ機能を実装した暗号資産交換業者向けオールインワンパッケージ「crypto base C(クリプトベース・シー)」の外販や暗号資産関連の新商品の開発・販売など、暗号資産ビジネスへの取り組みを加速していく方針である。また、第一種金融商品取引業であるeワラント証券(株)や暗号資産交換所を擁するZaif HDを自社グループ内に抱えるシステム開発会社という、他に例を見ないユニークな事業基盤を生かすことで、金融とITをシームレスに統合したこれまでにないタイプの事業モデルの構築(金融プラットフォーマー構想)にも取り組む方向性を描いており、同社は新たなステージを迎えようとしている。2021年3月には、これまで持分法適用関連会社であったZaif HDを連結子会社とし、暗号資産ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業等、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融業界向けのシステム開発が70%程度を占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(2次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においても事業基盤は安定している。また、大企業からの1次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。一方、暗号資産関連のシステム開発については、同社グループ内の暗号資産交換所「Zaif Exchange」のシステムインテグレーションを担うとともに、FinTech分野向けの自社製品として開発を進めてきた暗号資産交換所パッケージシステム「crypto base C」※1の外販等にも注力している。さらには、テレワークの広がりを受け、「セキュリティコンサルティング・サービス」※2や「テレワーク・クイックサービス」※3、ブロックチェーンコミュニケーションサービス「Gu-Gu(グーグー)」※4の提供も開始し、自社ブランド製品の販売比率向上にも取り組んでいる。他にも、ブロックチェーン技術を用いたアートの登録・管理システムの開発なども手掛けており、公証プラットフォーム「regist ART」を(株)レジストアート※5に提供しているほか、2021年3月にはNFTプラットフォーム(詳細は後述)の販売を開始し、アートや不動産取引などへの活用が期待されるNFT市場へいち早く参入した。
※1 既存の暗号資産交換所や新たな参入予定先など約30社をターゲットとして、高度なセキュリティ機能の実装などによる差別戦略を展開していく方針である。
※2 現状のセキュリティ脆弱性診断や、課題の顕在化、課題対応方法の提案など、セキュリティに関するあらゆる課題をサポートするサービス。
※3 テレワーク環境を導入していない中小規模企業向けに、アマゾンウェブサービス(AWS)のAmazon WorkSpacesで、いつでもどこでもセキュアなアクセスを可能とするクラウド型仮想デスクトップを最短3日間で構築するサービス。PC1台当たりの月額課金による収益モデルとなっている。
※4 2020年10月に販売開始した、テレワークにより不足している従業員間のコミュニケーションを活性化させるサービス。他のサービスと連携することを想定し、セキュアに情報連携・共有が可能なブロックチェーン基盤を採用している。2021年6月にはクシム<2345>が提供するオンライン学習管理システム「SLAP」との連携を開始した。
※5 ブロックチェーン技術による美術品登録サービス等を手掛けており、2018年3月に同社と資本業務提携を締結している。
(2) 金融サービス事業
2018年2月に連結子会社となったeワラント証券(金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業)を中心に金融商品の企画・開発・組成・販売等を手掛けており、特に暗号資産関連商品の開発・販売に注力している。また、2021年3月には暗号資産交換所「Zaif Exchange」を擁するZaif HDを連結子会社とし、暗号資産ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。eワラント証券は、カバードワラントの商品設計、システム開発、安定運用等について、高度な専門知識と経験を持つスタッフを擁するとともに、日本における代表的な小口投資家向け店頭カバードワラントである「eワラント」(eワラント証券の登録商標)を提供している。「eワラント」はこれまでオンライン証券を通じて取引されてきたが、2019年9月よりeワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」を開始すると、2019年12月にはEVOLUTION JAPAN証券(株)から「eワラント」の販売の取扱事業を譲り受け、さらなる販売体制の強化を図っている。また、今後の収益ドライバーとして期待されるCFDサービスも開始しており、事業拡大に向けて着々と基盤強化を進めてきた。2021年2月以降、暗号資産を原資産とした新商品、「ビットコインレバレッジトラッカー」「イーサリアムレバレッジトラッカー」「暗号資産先物インデックストラッカー」を相次いで発表し、2021年7月には暗号資産CFD取引サービスを開始した。今後も、Zaifグループとeワラントグループの連携強化により、デリバティブを含む、独自の暗号資産関連商品の開発・販売に注力していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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