動物高度医療 Research Memo(1):犬・猫向け高度医療専門の総合動物病院
[21/07/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
日本動物高度医療センター<6039>(JARMeC=Japan Animal Referral Medical Center)は、ペット(犬・猫)向け高度医療を専門に行う総合動物病院(二次診療施設)を展開している。
1. 地域の「かかりつけの動物病院」との分業によって高度な動物医療を実現
ペットの飼い主にとっての「かかりつけの病院」となる地域の動物病院(一次診療施設)と連携し、一次診療施設からの紹介によって、一次診療施設では対処が困難な重度の患者動物に対して高度な専門医療(二次診療)を行う。飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として、動物医療に対する多様化・高度化のニーズが高まるなか、一次診療施設である全国各地の「かかりつけの動物病院」との分業によって高度で充実した動物医療を実現している。
2. 2021年3月期は増収だが人件費増加で減益
2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%増の2,847百万円、営業利益が同5.8%減の405百万円、経常利益が同8.9%減の410百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%減の285百万円だった。連携病院数、初診件数(紹介数)、総診療件数、手術件数が順調に増加して売上高は過去最高だったが、従業員数増加や待遇改善に伴う人件費の増加で減益だった。
3. 2022年3月期は利益横ばい予想だが保守的
2022年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比2.9%増の2,930百万円、営業利益が同1.1%増の410百万円、経常利益が同2.2%増の420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.7%増の290百万円としている。初診件数の増加(前期比3.1%増の7,140件を想定)で増収だが、大阪病院(2022年11月開院予定)も見据えた獣医師・動物看護師の増員に伴う人件費の増加などで、各利益は微増にとどまる予想としている。全体として保守的な印象が強いが、弊社では会社予想に上振れ余地があると見ている。
4. 動物医療業界の総合的企業を目指す
中期成長戦略には拠点と連携病院数の拡大、人材の育成・確保、M&Aも活用した新規事業の拡大を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。大阪病院の開業によって近畿だけでなく、中国・四国まで含めた西日本での連携病院数を拡大させる方針だ。新規事業ではペット用活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」の普及に向けて大企業との協業を推進している。動物高度医療の市場環境は良好であり、市場拡大余地は大きい。高度医療サービスを提供できる総合動物病院の強みを生かしながら、積極的な事業展開で中長期的な成長が期待される。
■Key Points
・ペット(犬・猫)向け高度医療専門の総合動物病院
・2022年3月期は利益横ばい予想だが保守的
・動物医療業界の総合的企業を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>
日本動物高度医療センター<6039>(JARMeC=Japan Animal Referral Medical Center)は、ペット(犬・猫)向け高度医療を専門に行う総合動物病院(二次診療施設)を展開している。
1. 地域の「かかりつけの動物病院」との分業によって高度な動物医療を実現
ペットの飼い主にとっての「かかりつけの病院」となる地域の動物病院(一次診療施設)と連携し、一次診療施設からの紹介によって、一次診療施設では対処が困難な重度の患者動物に対して高度な専門医療(二次診療)を行う。飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として、動物医療に対する多様化・高度化のニーズが高まるなか、一次診療施設である全国各地の「かかりつけの動物病院」との分業によって高度で充実した動物医療を実現している。
2. 2021年3月期は増収だが人件費増加で減益
2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%増の2,847百万円、営業利益が同5.8%減の405百万円、経常利益が同8.9%減の410百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%減の285百万円だった。連携病院数、初診件数(紹介数)、総診療件数、手術件数が順調に増加して売上高は過去最高だったが、従業員数増加や待遇改善に伴う人件費の増加で減益だった。
3. 2022年3月期は利益横ばい予想だが保守的
2022年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比2.9%増の2,930百万円、営業利益が同1.1%増の410百万円、経常利益が同2.2%増の420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.7%増の290百万円としている。初診件数の増加(前期比3.1%増の7,140件を想定)で増収だが、大阪病院(2022年11月開院予定)も見据えた獣医師・動物看護師の増員に伴う人件費の増加などで、各利益は微増にとどまる予想としている。全体として保守的な印象が強いが、弊社では会社予想に上振れ余地があると見ている。
4. 動物医療業界の総合的企業を目指す
中期成長戦略には拠点と連携病院数の拡大、人材の育成・確保、M&Aも活用した新規事業の拡大を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。大阪病院の開業によって近畿だけでなく、中国・四国まで含めた西日本での連携病院数を拡大させる方針だ。新規事業ではペット用活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」の普及に向けて大企業との協業を推進している。動物高度医療の市場環境は良好であり、市場拡大余地は大きい。高度医療サービスを提供できる総合動物病院の強みを生かしながら、積極的な事業展開で中長期的な成長が期待される。
■Key Points
・ペット(犬・猫)向け高度医療専門の総合動物病院
・2022年3月期は利益横ばい予想だが保守的
・動物医療業界の総合的企業を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>