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NexusB Research Memo(3):M&Aで取得した海外Fintechが堅調に推移し、大幅増収増益を達成

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
Nexus Bank<4764>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、営業収益で10,913百万円(前年同期比10,658百万円増)、営業利益で2,617百万円(前年同期は138百万円の損失)、経常利益で2,630百万円(同141百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益で2,495百万円(同207百万円の損失)と大幅増収増益となり、過去最高業績を更新した。これは、2020年11月に子会社化した韓国のJT親愛貯蓄銀行の収益が堅調に推移したことが主因となっている。また、前連結子会社の株式譲渡に伴う子会社株式売却益754百万円を特別利益として計上している。

なお、四半期別の推移を見ると、第1四半期と比較して営業収益は若干増加した一方で、営業利益は4億円弱減少しているが、これは第1四半期に海外Fintechにおける貸倒引当金戻入551百万円を営業費用に計上(減額要因)したことが主因となっており、同要因を除けば営業利益も第1四半期から増益となっている。


Fintech事業がM&A効果で大幅増収増益に

2. 事業セグメント別業績
(1) Fintech事業
Fintech事業の営業収益は10,770百万円(前年同期比10,651百万円増)、営業利益は2,861百万円(前年同期は46百万円の損失)となった。このうち、海外Fintech(JT親愛貯蓄銀行)については、韓国政府による規制強化や新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞が懸念される環境下において、引き続き、徹底した顧客分析と審査を行いながら中金利帯の個人向け無担保貸付を中心に新規貸付を実施した結果、2021年6月末の貸付残高は1,912億円※に拡大した。また、業績面でも貸付金の拡大による利息収入の増加に加え、為替が期初前提レートの0.0907円/KRWに対して0.0965円/KRWと円安で推移したことにより、営業収益で10,501百万円、営業利益で2,921百万円と、それぞれ会社計画を上回って堅調に推移した。

※韓国現地の会計基準(K-GAAP)によるものであり、日本基準では1,897億円となる。


一方、国内Fintechの営業収益は268百万円(前年同期比149百万円増)、営業損失は59百万円(前年同期は46百万円の損失)となった。営業収益は、Nexus Cardを子会社化したことによる増加が主因となっている。なお、前連結子会社であるSAMURAI証券及びSAMURAI ASSET FINANCEの株式譲渡を2021年6月に実施したことに伴い、2021年12月期第2四半期より当該会社の業績を連結対象から除外している。また、利益面では2021年5月に実施したNexus Cardの商号変更に伴う費用、並びにデポジット(保証金)型クレジットカードサービスの新ブランドとなる「Nexus Card」の会員獲得に向けたプロモーション活動や、より安全なサービスを提供するための本人認証サービス(3Dセキュア対応)等の導入など先行投資を実施した結果、第1四半期と同程度の損失が第2四半期も続いた。なお、Nexus Cardの業績については会社計画どおりで推移している。

(2) ITソリューション事業
ITソリューション事業の営業収益は前年同期比1.3%減の106百万円、営業利益は同25.5%減の15百万円となった。営業収益は、「Fast Connector」シリーズを中心としたミドルウェアソリューションの新規顧客獲得が進んだことにより堅調に推移した。また、システム開発ソリューションについても、AWSに実装するWebアプリケーション開発やインフラ構築等の受注が堅調に推移したほか、プラットフォーム開発として不動産投資型クラウドファンディングシステムの提供を開始した。売上構成比で見ると、ミドルウェアソリューションが24.0%、システム開発ソリューションが76.0%となっている。なお、利益率が低下した要因としては、既存開発案件にリソースが集中したことが一因と考えられる。

(3) その他
その他として賃貸不動産事業を行っており、営業収益は前年同期比29.6%増の36百万円、営業利益は同32.6%増の33百万円となった。不動産賃貸(大阪市中央区東心斎橋)収益のほか、2021年6月に実施した株式譲渡に伴い、前連結子会社との内部取引の一部をその他の収益として計上したことが増収増益要因となっている。


JT親愛貯蓄銀行の貸付金拡大により総資産が増加

3. 財務状況
2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比11,179百万円増の223,546百万円となった。流動資産では、現預金が2,084百万円減少した一方で、銀行業における有価証券が2,322百万円増加したほか、営業貸付金が12,282百万円増加した。また、固定資産では有形固定資産が116百万円増加し、無形固定資産が28百万円減少した。

負債合計は前期末比7,337百万円増加の195,525百万円となった。流動負債では、銀行業における預金が10,277百万円増加し、未払法人税等が632百万円それぞれ減少した。また、固定負債では繰延税金負債が309百万円、長期預かり保証金が108百万円それぞれ増加した。なお、有利子負債は同564百万円減少の701百万円となっている。

純資産合計は前期末比3,842百万円増加の28,021百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益2,495百万円の計上等により利益剰余金が3,056百万円増加したほか、為替レートが円安に進んだことにより為替換算調整勘定が562百万円増加した。

経営指標について見ると、財務の健全性を表す自己資本比率は前期末の11.4%から12.5%に上昇している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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