システムサポート Research Memo(3):ソリューション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業を展開
[21/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
2. 事業内容
同社グループは、システムサポート<4396>と連結子会社6社で構成されており、事業セグメントとしては、ソリューション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業の3つのセグメントで開示している。直近5期間の事業セグメント別売上構成比の推移を見ると、ソリューション事業が約83%、アウトソーシング事業が約13%、プロダクト事業が約4%とほぼ安定して推移している。この間、全体の売上高は約1.6倍に拡大しており、3つの事業セグメントがいずれも同じペースで成長してきたことになる。
また、セグメント利益率(売上総利益率)について見ると、主力のソリューション事業が20%台前半、アウトソーシング事業が30%台前半で安定して推移しており、プロダクト事業は50%台と相対的に高い利益率となっている。このなかで、注目されるのはソリューション事業の安定性だ。システム開発業界ではプロジェクトの延伸や不具合の発生に起因して、収益性が安定しない企業が多いなか、同社は一定水準を維持している。これは同社が高い技術力とプロジェクト管理能力を有していることの証左といえ、同社の強みになっていると弊社では考えている。
(1) 事業セグメント別の事業内容
a) ソリューション事業
ソリューション事業では、独立系のIT会社として、顧客企業のITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守を中心に、各種クラウドサービスやERPパッケージの利用・導入に係る技術支援、データベース等のインフラ構築などを行っている。顧客は業種・業務を問わず幅広く、かつ開発の一連の工程をワンストップで対応できることが強みとなっている。
2021年6月期の売上構成比では、ITシステムの受託開発が4割強を占め、ERP関連サービス(SAP ERPの導入、保守・運用等)が2割強、残りがクラウド関連サービス(Microsoft Azure、AWS、ServiceNow※などのクラウドサービスの導入・移行支援)及びデータベース関連サービス(Oracleデータベースの設計、構築、保守・運用)となっている。また、受注のうち6割強は最終顧客からの直接受注となり、残りは大手SIベンダーなどを経由した二次請けとなる。直接受注の案件については利益率が比較的高く、また、顧客との関係もより深くなることで継続受注につながりやすい。一方、二次請けについては、金融機関向けシステムや基幹システムなど大規模プロジェクトが中心となり、プロジェクトも長期間にわたることから、安定した受注につながりやすいといった特徴がある。
※「ServiceNow」とは米ServiceNow, Inc.が提供する、業務の標準化を行うためのクラウドサービス。使用例として、企業の情報システム部門が業務効率化を目的に資産、ワークフロー、インシデント等を一元的に管理する際などに利用している。同社は日本企業としていち早く2015年にパートナー契約を締結しており、国内ではトップクラスの導入実績を持つ。
また、ソリューション事業の人員のうち8割以上はエンジニアで占められ、技術者集団となっていることも特徴と言える。営業人員が少ないのは、クラウドやデータベース関連等の案件については、それぞれの領域で高い技術力を有している人材を多く抱え、豊富な開発実績を持つことから、Microsoft、AWS、Oracleからの顧客紹介案件も多いためだ。
b) アウトソーシング事業
アウトソーシング事業では、子会社のイーネットソリューションズが運営している国内3ヶ所のデータセンター(東京、金沢)における運営サービスが売上の7割程度を占める。企業のプライベートクラウドのインフラ用あるいはBCP対策・データバックアップ管理用として利用されている。また、データセンターの顧客獲得のためのフック役となる付加価値サービスとして、2006年から地震情報と連動して社員の安否確認メッセージを自動で配信する緊急通報・安否確認サービス「Safetylink24」(現在の契約数は約800社)の提供を開始したほか、2010年には電子ワークフローシステム「ActionPassport」(同約300社)、2017年には日本アイ・ビー・エム(株)の「IBM Watson Explorer」(AIを活用した検索・分析プラットフォーム)を月額料金制で手軽に利用できるサービスの提供を開始している。これらの付加価値サービスは月額課金によるストック型ビジネスモデルとなっており、契約件数の積み上げによって収益が増加していくことになる。なお、2021年6月時点で、データセンターの利用顧客数は約1,000社となっている。
そのほかの売上としては、ソリューション事業で開発に携わったシステムに関する顧客企業への教育やヘルプデスクの運用保守、データ分析・入力サービスなどを行っている。
c) プロダクト事業
プロダクト事業では、同社グループによるプロダクト(ソフトウェア)の開発及び販売、サービス提供を行っており、顧客ニーズに応じたカスタマイズ開発にも対応している。販売については直販に加えて販売代理店も活用している。現在の主力製品は建築業向けの「建て役者」と卸・小売業界向けを中心としたモバイル受発注システム「MOS」となり、それぞれ売上高の3割程度を占めている。不定期にカスタム開発の大型案件を受注することもあるが、クラウド(SaaS型)サービスによる月額課金が売上の大半を占めており、契約件数の積み上げによって収益が増加するストック型ビジネスモデルとなる。
(2) グループ企業と従業員数
同社の子会社は、各社の専門領域において積極性・迅速性を持って常に顧客に新たなソリューションを提供するため、機能別・業種別に専門特化している。また、2021年6月末の連結従業員数は前期末比87名増の1,126名となっており、事業規模の拡大とともに年々増加している。このうち、同社単体の従業員数は全体の8割以上を占めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2. 事業内容
同社グループは、システムサポート<4396>と連結子会社6社で構成されており、事業セグメントとしては、ソリューション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業の3つのセグメントで開示している。直近5期間の事業セグメント別売上構成比の推移を見ると、ソリューション事業が約83%、アウトソーシング事業が約13%、プロダクト事業が約4%とほぼ安定して推移している。この間、全体の売上高は約1.6倍に拡大しており、3つの事業セグメントがいずれも同じペースで成長してきたことになる。
また、セグメント利益率(売上総利益率)について見ると、主力のソリューション事業が20%台前半、アウトソーシング事業が30%台前半で安定して推移しており、プロダクト事業は50%台と相対的に高い利益率となっている。このなかで、注目されるのはソリューション事業の安定性だ。システム開発業界ではプロジェクトの延伸や不具合の発生に起因して、収益性が安定しない企業が多いなか、同社は一定水準を維持している。これは同社が高い技術力とプロジェクト管理能力を有していることの証左といえ、同社の強みになっていると弊社では考えている。
(1) 事業セグメント別の事業内容
a) ソリューション事業
ソリューション事業では、独立系のIT会社として、顧客企業のITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守を中心に、各種クラウドサービスやERPパッケージの利用・導入に係る技術支援、データベース等のインフラ構築などを行っている。顧客は業種・業務を問わず幅広く、かつ開発の一連の工程をワンストップで対応できることが強みとなっている。
2021年6月期の売上構成比では、ITシステムの受託開発が4割強を占め、ERP関連サービス(SAP ERPの導入、保守・運用等)が2割強、残りがクラウド関連サービス(Microsoft Azure、AWS、ServiceNow※などのクラウドサービスの導入・移行支援)及びデータベース関連サービス(Oracleデータベースの設計、構築、保守・運用)となっている。また、受注のうち6割強は最終顧客からの直接受注となり、残りは大手SIベンダーなどを経由した二次請けとなる。直接受注の案件については利益率が比較的高く、また、顧客との関係もより深くなることで継続受注につながりやすい。一方、二次請けについては、金融機関向けシステムや基幹システムなど大規模プロジェクトが中心となり、プロジェクトも長期間にわたることから、安定した受注につながりやすいといった特徴がある。
※「ServiceNow」とは米ServiceNow, Inc.が提供する、業務の標準化を行うためのクラウドサービス。使用例として、企業の情報システム部門が業務効率化を目的に資産、ワークフロー、インシデント等を一元的に管理する際などに利用している。同社は日本企業としていち早く2015年にパートナー契約を締結しており、国内ではトップクラスの導入実績を持つ。
また、ソリューション事業の人員のうち8割以上はエンジニアで占められ、技術者集団となっていることも特徴と言える。営業人員が少ないのは、クラウドやデータベース関連等の案件については、それぞれの領域で高い技術力を有している人材を多く抱え、豊富な開発実績を持つことから、Microsoft、AWS、Oracleからの顧客紹介案件も多いためだ。
b) アウトソーシング事業
アウトソーシング事業では、子会社のイーネットソリューションズが運営している国内3ヶ所のデータセンター(東京、金沢)における運営サービスが売上の7割程度を占める。企業のプライベートクラウドのインフラ用あるいはBCP対策・データバックアップ管理用として利用されている。また、データセンターの顧客獲得のためのフック役となる付加価値サービスとして、2006年から地震情報と連動して社員の安否確認メッセージを自動で配信する緊急通報・安否確認サービス「Safetylink24」(現在の契約数は約800社)の提供を開始したほか、2010年には電子ワークフローシステム「ActionPassport」(同約300社)、2017年には日本アイ・ビー・エム(株)の「IBM Watson Explorer」(AIを活用した検索・分析プラットフォーム)を月額料金制で手軽に利用できるサービスの提供を開始している。これらの付加価値サービスは月額課金によるストック型ビジネスモデルとなっており、契約件数の積み上げによって収益が増加していくことになる。なお、2021年6月時点で、データセンターの利用顧客数は約1,000社となっている。
そのほかの売上としては、ソリューション事業で開発に携わったシステムに関する顧客企業への教育やヘルプデスクの運用保守、データ分析・入力サービスなどを行っている。
c) プロダクト事業
プロダクト事業では、同社グループによるプロダクト(ソフトウェア)の開発及び販売、サービス提供を行っており、顧客ニーズに応じたカスタマイズ開発にも対応している。販売については直販に加えて販売代理店も活用している。現在の主力製品は建築業向けの「建て役者」と卸・小売業界向けを中心としたモバイル受発注システム「MOS」となり、それぞれ売上高の3割程度を占めている。不定期にカスタム開発の大型案件を受注することもあるが、クラウド(SaaS型)サービスによる月額課金が売上の大半を占めており、契約件数の積み上げによって収益が増加するストック型ビジネスモデルとなる。
(2) グループ企業と従業員数
同社の子会社は、各社の専門領域において積極性・迅速性を持って常に顧客に新たなソリューションを提供するため、機能別・業種別に専門特化している。また、2021年6月末の連結従業員数は前期末比87名増の1,126名となっており、事業規模の拡大とともに年々増加している。このうち、同社単体の従業員数は全体の8割以上を占めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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