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昭和産業 Research Memo(2):ボーソー油脂、サンエイ糖化が通期で業績に寄与、焼成パン事業は収益性が向上

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

昭和産業<2004>の2022年3月期の業績は、売上高280,000百万円(前期比9.4%増)、営業利益7,900百万円(同4.0%増)、経常利益9,000百万円(同2.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円(同40.7%減)とする期首計画を据え置いている。売上高については、収益認識に関する会計基準適用後では売上高は前期比17.4%増を見込んでいる。引き続き原料穀物相場上昇による影響が懸念要因となるが、価格改定による適正価格での販売の徹底や、ボーソー油脂、サンエイ糖化の業績が通期で寄与すること等により増収を見込んでいる。

また、第3四半期以降は、コロナワクチン接種率の進展などを受けた外食や土産などの業務用の需要回復といった動きが期待されると弊社では考えている。なお同社の油脂食品事業では、これからの市場環境の変化と価格改定の進捗を見守りながら、営業利益21億円の達成に向けて取り組む計画である。そのほか、上期に好調であった製粉事業の「焼成パン事業」においては、グループ4社の人員配置・工程管理改善による生産性改善、商品開発段階からの原価管理の徹底、商品アイテムの見直しによる生産効率の向上といった製造工程の一段の改善によって、引き続き好調が持続すると弊社は見ている。

サンエイ糖化との取り組みについては、サンエイ糖化の持つ独自商品「オリゴ糖酸」などを活用し、新たな機能性商品の共同提案を推進するほか、共同調達の推進による原料資材のコストダウンを図る。「結晶ぶどう糖」の国内生産量シェアは医薬用と食品用合わせて70%と高く、両社協働によるシナジーによる一段のシェア拡大余地はあると弊社は考える。

ボーソー油脂との取り組みにおいては、「米」という新たな油種を取り込み競争力強化を図っていく。家庭用では2020年に発売した600gの「健康こめ油」が好調となったことから、2021年9月に1,000gの大容量を発売した。ボーソー油脂は2期連続で黒字を見込んでおり、同社グループにとって強力なパートナー企業となる。

そのほか、植物由来食品の開発・販売強化については、上期の「大豆たん白」の売上実績が10億円となり、新たな健康訴求商品として、大豆胚芽そのものの風味と形状を生かした新素材「大豆Hi!芽」を開発した。ご飯・パン・菓子・冷食など用途が広がる商品でもあり、今後の可能性に注目したい。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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