ジェネパ Research Memo(6):2022年10月期通期予想は非開示。2021年11月売上は好調な出だし(1)
[22/02/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年10月期の通期業績見通し
コロナ禍による影響は非常に不透明かつ不確実なものであり、EC需要・巣ごもり需要の高まりはさらに見込まれる一方で、商品企画関連事業における工場の通常操業の制限等が起こり得ることから、現時点において合理的に先行きを算定することが困難とし、ジェネレーションパス<3195>は2022年10月期の見通しについて、今後の動向を見極めて業績予想の開示が可能になった時点で速やかに公表するとしている。なお、時期としては第1四半期決算通過後を目途に方向性が示される可能性が高いと弊社では考えている。
ECマーケティング事業においては、コロナ禍により先行きが非常に不透明かつ不確実な状況であるものの、売上高と利益のバランスを取ったうえで新しい生活様式に対応しながら事業を拡大させるほか、ECサポート事業及びメディア事業などにも注力していく方針である。商品企画関連事業においては、ECマーケティング事業で蓄積されたビッグデータを活用し、商品提案及び新規顧客開拓を加速させつつ、同時に商品の質を向上させるとともに、青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムの稼働率を向上させ、売上高及び利益の拡大に努めるとしている。
月次売上動向を見ると、5月及び6月は2020年の方はコロナ禍によるマスクなどの医療用消耗品や巣ごもりによる特需の影響が大きかったが、7月以降は、2021年の方が前年同月比でプラスの状況が継続している。また、2022年10月期の初月となる11月については、前年同月比34.7%増と好調な出だしとなった。緊急事態宣言が解除され、消費についてもリベンジ消費といった形で消費者の購買意欲が高まった面はありそうだ。また、ECモールがこれを逃さず積極的な施策を打ったことも奏功したと見られる。リベンジ消費の持続性については懐疑的な見方もあるだろうが、消費が落ち着いたとしても長引くコロナ禍を通じて消費者の購買行動がECに馴染んできている状況であることを勘案すれば、引き続き前年同月を上回る推移が継続する可能性が高いだろう。また、緊急事態宣言解除後もテレワークの比率が高止まりしている状況であり、コロナ禍収束後もテレワークを継続する企業が多いことから、緊急的な対応から購入した机などの家具についても今後は長期的な目線でより良いものに買い替える需要なども見込まれるだろう。
商品企画関連事業においては、ベトナムの厳格なロックダウンの影響から苦戦を強いられた。ただし、そうしたなかでも同社はロックダウン前から工員の移動が制限されることを早い段階で想定し、宿泊施設を設けるなどの対策等を行うことで、最小限の稼働を行うことができた。一方で注文量自体は多く、足元では全く生産できないといった最悪の状況からの改善が見られてきているようだ。世界的なコロナ禍によって完全回復の時期は不透明感が強まっているものの、2021年10月期に減損処理を行ったこともあり、コロナ禍の収束とともにV字回復となる可能性は十分あると弊社は考えている。
2. 事業戦略
同社のKPIの根幹となるのは、パートナー企業とパートナー企業が保有する商品となる。これらの商品に対して実施するデータマーケティングの精度を向上させるためには、より多くの商品データが必要である。国内の主要モールでの取り扱い商品数2.5億点程度のうち、同社はまずその1%(250万点)の商品の確保を目標として取り組んでいる。パートナー企業の増加は取り扱いジャンルの拡大を意味し、商品数の増加はトップラインの増加につながり、さらに多数のパートナー企業や商品が集まってくる好循環を生み出すと同社では見ている。
(1) ECマーケティング事業
トップラインの拡大を主目的として、引き続き売れ筋商品に関するデータを基に様々なジャンルで商品数を増やすことに注力していく。加えてマーケティングデータに裏付けられたPB商品の開発を推進し利益率の向上を図る計画であり、PB商品を開発していくための専任チームを設置する。また、ECサポート事業のためのノウハウの蓄積や開発技術の向上を目的として、自社内で運用上の課題等を抽出しシステム化対応を続けていくとしている。成長戦略に向けての具体的な施策・計画として、独自開発したGPMSの機能の高度化を行い、商品数、メーカー数、注文数の増加に対応するほか、システムの機能拡張、パフォーマンスの改善を行い、アライアンス業務、受発注業務のオペレーションのさらなる高速化を目指す。
(2) ECサポート事業
ECプラットフォームで蓄積されたビッグデータや高度な情報システムを活用し、EC事業を志向する企業のサポートを加速させていく方針である。中期的には、収集されるビッグデータや構築された情報システム、EC運営ノウハウについてパッケージ化を行い、リアルタイムでのマーケットへのアクセスを通じて日々更新していく。そしてこれらの施策を行うために、特にAI構築に精通するエンジニアの確保・教育に資源を投下していく計画である。パッケージの開発については、同社の自社開発のみでなく、既存のITツールのM&Aを視野に入れている。また、エンジニア人材の確保・育成においては、競争力の強化のためエンジニアの獲得を強化するとともに、エンジニアの成長を促す仕組みづくりを継続して行うとしている。
(3) 商品企画関連事業
コロナ禍の影響を大きく受けて売上・利益が大幅に減少した商品企画関連事業においては、開発体制や品質管理体制のさらなる強化を図りつつ早期黒字化を達成する計画である。また、アフターコロナを見据えて自社PBの開発に注力していくとともに、今までの国内顧客中心の体制から、海外子会社の中国及びベトナムを利用した中国及び欧米の顧客に向けた体制への移行を目指し開拓を開始する。中長期的には国内顧客を維持しつつ、海外顧客の割合を同程度まで増加させ安定的な拡大を図る計画だ。事業計画の達成に向けた施策として、売れ筋商品に関するデータをもとに様々なジャンルで商品数を増やすほか、高利益率を見込んだオリジナル商品を開発し拡大を目指す。成長戦略に向けての具体的な施策・計画としては、商品開発においてビッグデータを用いたマーケットのトレンド分析を行い、商品開発のスピードを加速させるほか、子会社工場にて品質管理人材の確保・育成の場を作り、新規協力工場に派遣できる人材に成長させ、協力工場の品質の維持向上を図る方針である。
(4) その他事業
収益事業として、売上・利益の拡大を加速させるべくビッグデータ分析のさらなる活用環境を整備していくほか、MISフレームワークを活用し、分析精度の向上を目指す。また横展開として、サイト売買やM&Aを積極的に活用し、複数メディアジャンルの立ち上げをねらう。複数のサイトに同社の分析ノウハウを適用することにより、売上利益の拡大を加速させる計画である。事業計画の達成に向けた施策として、ECマーケティング事業で取得できる売れ筋に関するデータを基に商品選定を行い、想定読者のニーズに合致した商品紹介を促進していく。記事のSEO対策としては、検索キーワードのボリューム・難易度から想定読者と流入数を推定するノウハウを用いて、記事ジャンルの多角化を図っていく。また、成長戦略に向けての具体的な施策・計画として、ECマーケティング事業で取得できるビッグデータの受け皿及び分析を可能とするシステムサーバーを設置・強化を進めるほか、現メディアのイエコレクション以外のジャンルでもメディアを構築する計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<EY>
1. 2022年10月期の通期業績見通し
コロナ禍による影響は非常に不透明かつ不確実なものであり、EC需要・巣ごもり需要の高まりはさらに見込まれる一方で、商品企画関連事業における工場の通常操業の制限等が起こり得ることから、現時点において合理的に先行きを算定することが困難とし、ジェネレーションパス<3195>は2022年10月期の見通しについて、今後の動向を見極めて業績予想の開示が可能になった時点で速やかに公表するとしている。なお、時期としては第1四半期決算通過後を目途に方向性が示される可能性が高いと弊社では考えている。
ECマーケティング事業においては、コロナ禍により先行きが非常に不透明かつ不確実な状況であるものの、売上高と利益のバランスを取ったうえで新しい生活様式に対応しながら事業を拡大させるほか、ECサポート事業及びメディア事業などにも注力していく方針である。商品企画関連事業においては、ECマーケティング事業で蓄積されたビッグデータを活用し、商品提案及び新規顧客開拓を加速させつつ、同時に商品の質を向上させるとともに、青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムの稼働率を向上させ、売上高及び利益の拡大に努めるとしている。
月次売上動向を見ると、5月及び6月は2020年の方はコロナ禍によるマスクなどの医療用消耗品や巣ごもりによる特需の影響が大きかったが、7月以降は、2021年の方が前年同月比でプラスの状況が継続している。また、2022年10月期の初月となる11月については、前年同月比34.7%増と好調な出だしとなった。緊急事態宣言が解除され、消費についてもリベンジ消費といった形で消費者の購買意欲が高まった面はありそうだ。また、ECモールがこれを逃さず積極的な施策を打ったことも奏功したと見られる。リベンジ消費の持続性については懐疑的な見方もあるだろうが、消費が落ち着いたとしても長引くコロナ禍を通じて消費者の購買行動がECに馴染んできている状況であることを勘案すれば、引き続き前年同月を上回る推移が継続する可能性が高いだろう。また、緊急事態宣言解除後もテレワークの比率が高止まりしている状況であり、コロナ禍収束後もテレワークを継続する企業が多いことから、緊急的な対応から購入した机などの家具についても今後は長期的な目線でより良いものに買い替える需要なども見込まれるだろう。
商品企画関連事業においては、ベトナムの厳格なロックダウンの影響から苦戦を強いられた。ただし、そうしたなかでも同社はロックダウン前から工員の移動が制限されることを早い段階で想定し、宿泊施設を設けるなどの対策等を行うことで、最小限の稼働を行うことができた。一方で注文量自体は多く、足元では全く生産できないといった最悪の状況からの改善が見られてきているようだ。世界的なコロナ禍によって完全回復の時期は不透明感が強まっているものの、2021年10月期に減損処理を行ったこともあり、コロナ禍の収束とともにV字回復となる可能性は十分あると弊社は考えている。
2. 事業戦略
同社のKPIの根幹となるのは、パートナー企業とパートナー企業が保有する商品となる。これらの商品に対して実施するデータマーケティングの精度を向上させるためには、より多くの商品データが必要である。国内の主要モールでの取り扱い商品数2.5億点程度のうち、同社はまずその1%(250万点)の商品の確保を目標として取り組んでいる。パートナー企業の増加は取り扱いジャンルの拡大を意味し、商品数の増加はトップラインの増加につながり、さらに多数のパートナー企業や商品が集まってくる好循環を生み出すと同社では見ている。
(1) ECマーケティング事業
トップラインの拡大を主目的として、引き続き売れ筋商品に関するデータを基に様々なジャンルで商品数を増やすことに注力していく。加えてマーケティングデータに裏付けられたPB商品の開発を推進し利益率の向上を図る計画であり、PB商品を開発していくための専任チームを設置する。また、ECサポート事業のためのノウハウの蓄積や開発技術の向上を目的として、自社内で運用上の課題等を抽出しシステム化対応を続けていくとしている。成長戦略に向けての具体的な施策・計画として、独自開発したGPMSの機能の高度化を行い、商品数、メーカー数、注文数の増加に対応するほか、システムの機能拡張、パフォーマンスの改善を行い、アライアンス業務、受発注業務のオペレーションのさらなる高速化を目指す。
(2) ECサポート事業
ECプラットフォームで蓄積されたビッグデータや高度な情報システムを活用し、EC事業を志向する企業のサポートを加速させていく方針である。中期的には、収集されるビッグデータや構築された情報システム、EC運営ノウハウについてパッケージ化を行い、リアルタイムでのマーケットへのアクセスを通じて日々更新していく。そしてこれらの施策を行うために、特にAI構築に精通するエンジニアの確保・教育に資源を投下していく計画である。パッケージの開発については、同社の自社開発のみでなく、既存のITツールのM&Aを視野に入れている。また、エンジニア人材の確保・育成においては、競争力の強化のためエンジニアの獲得を強化するとともに、エンジニアの成長を促す仕組みづくりを継続して行うとしている。
(3) 商品企画関連事業
コロナ禍の影響を大きく受けて売上・利益が大幅に減少した商品企画関連事業においては、開発体制や品質管理体制のさらなる強化を図りつつ早期黒字化を達成する計画である。また、アフターコロナを見据えて自社PBの開発に注力していくとともに、今までの国内顧客中心の体制から、海外子会社の中国及びベトナムを利用した中国及び欧米の顧客に向けた体制への移行を目指し開拓を開始する。中長期的には国内顧客を維持しつつ、海外顧客の割合を同程度まで増加させ安定的な拡大を図る計画だ。事業計画の達成に向けた施策として、売れ筋商品に関するデータをもとに様々なジャンルで商品数を増やすほか、高利益率を見込んだオリジナル商品を開発し拡大を目指す。成長戦略に向けての具体的な施策・計画としては、商品開発においてビッグデータを用いたマーケットのトレンド分析を行い、商品開発のスピードを加速させるほか、子会社工場にて品質管理人材の確保・育成の場を作り、新規協力工場に派遣できる人材に成長させ、協力工場の品質の維持向上を図る方針である。
(4) その他事業
収益事業として、売上・利益の拡大を加速させるべくビッグデータ分析のさらなる活用環境を整備していくほか、MISフレームワークを活用し、分析精度の向上を目指す。また横展開として、サイト売買やM&Aを積極的に活用し、複数メディアジャンルの立ち上げをねらう。複数のサイトに同社の分析ノウハウを適用することにより、売上利益の拡大を加速させる計画である。事業計画の達成に向けた施策として、ECマーケティング事業で取得できる売れ筋に関するデータを基に商品選定を行い、想定読者のニーズに合致した商品紹介を促進していく。記事のSEO対策としては、検索キーワードのボリューム・難易度から想定読者と流入数を推定するノウハウを用いて、記事ジャンルの多角化を図っていく。また、成長戦略に向けての具体的な施策・計画として、ECマーケティング事業で取得できるビッグデータの受け皿及び分析を可能とするシステムサーバーを設置・強化を進めるほか、現メディアのイエコレクション以外のジャンルでもメディアを構築する計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<EY>