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アドバンクリエ Research Memo(8):2022年9月期業績は2ケタ増収増益となる見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2022年9月期の業績見通し
アドバンスクリエイト<8798>の2022年9月期の連結業績は売上高で前期比13.4%増の12,500百万円、営業利益で同12.7%増の2,300百万円、経常利益で同14.2%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同11.9%増の1,450百万円と2ケタ増収増益となる見通し。引き続き同社が強みとする先進テクノロジーを活用した優位性の高いサービスを提供していくことで、すべての事業セグメントにおいて増収増益を見込んでいる。

(1) 保険代理店
保険代理店事業では、将来の成長に向けた経営基盤を強化するため、店舗投資と人財投資を積極的に進める計画となっている。店舗投資としては全国のコンサルティングプラザを順次増床リニューアルしてく予定にしている。コロナ禍で駅前一等地のテナントが空き始めており、将来の事業拡大を見据えた好機と見て拡張を進めていく。現在の直営店舗の営業スタッフは約100名程度だが、店舗拡張によって2〜3年後に最大2.5倍まで増員できる体制を整備していく計画だ。

また、2021年11月末にはオンライン保険相談専門の「保険市場 スマートコンサルティングプラザ」を大阪本社内に新設した。直営店のカバーエリア以外の顧客にも、同社の高品質なオンライン保険相談のサービスを提供する。2021年7月にリモートペーパーレスシステムを導入しており、主要な取扱保険会社も同年9月までに同システムへの対応が完了したことから、今後はオンライン完結型の契約件数が伸びるものと予想される。紙ベースのやり取りがなくなることでさらなる生産性向上が期待できることになる。なお、実面談を顧客が希望する場合には、協業代理店等に送客することになるが、その際には希望する保険商品などもほぼ固まっているため、協業店にとっても効率の良い見込み客となる。「スマートコンサルティングプラザ」は当初3〜5名でスタートし、状況を見ながらネットリテラシーの高い若手社員や新卒社員を投入していく予定で、最終的には20名体制まで拡大することを想定している。前述したように、オンライン保険相談については訪問型営業と比較すると生産性も上回っており、全体の生産性向上に寄与する取り組みとして注目される。

新卒採用については2021年の30名弱から2022年は30名強に増加する予定で、2023年には100名と大幅増員する計画を立てている。同社の場合、新卒社員はまず営業部に配属され、その後、適正に応じて営業部門、管理部門、IT部門などに配属される格好となる。積極的な人財採用の背景には、今後の面談件数の大幅な増加を見込んでいることにある。SNSやAI技術を活用した効率的なWebプロモーション施策を展開していくことで、「保険市場」の集客数並びにアポイント数のさらなる増加を見込んでいる。

直近の申込ANPの月次動向を見ると、2021年10月は前年同月比8%減と3ヶ月ぶりの減少に転じ、また、前月比でも18%減と低調な滑り出しとなっている。これは新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、自粛ムードからの反動によって消費性向が高まった反面、保険に対する関心が一時的に後退したことが要因として考えられる。保険業界全体でも同様の傾向だったようだ。ただ2021年11月については好調に推移しており、特に対面販売は前月比30%増、前年同月比35%と大きく伸張した。

また、前期の利益率上昇に大きく貢献したWebプロモーションの効率化については、前期と比較して若干ながらも向上し続けているようで、オンライン保険相談の生産性向上と合わせて原価率の改善要因になるものと期待される。店舗投資や人財投資など固定費の増加はあるものの、増収効果やWebプロモーション費用の効率化、生産性向上によって保険代理店事業の利益率は17%前後と過去最高水準まで引き上げていくことを目指している。

(2) ASP事業
ASP事業では各種サービスの導入件数積み上げに取り組んでいくが、なかでも「Dynamic OMO」の拡販に注力していく方針だ。「Dynamic OMO」については、保険業界だけでなく大手銀行や証券会社、クレジットカード会社などそのほかの金融業界からも引き合いが増えてきており、こうした見込み顧客の取り込みを進めていく。「Dynamic OMO」は既述のとおり操作性に優れており、多くの説明資料を用いて顧客に商談を行うBtoC企業に適しており、同システムが評価されているポイントとなっている。また、日々現場から上がってくるリクエストに応じて機能拡充を進めることができるのも、汎用サービスにはない強みとなっている。銀行や証券会社では店舗数を削減して営業のDXを推進しており、「Dynamic OMO」の導入期待は大きい。コロナ禍が収束すれば保険代理店等では「Dynamic OMO」の利用時間が減少するリスクがあるが、オンライン営業にシフトする銀行や証券会社ではそういったリスクが低いこともポイントだ。前期のASP事業はコロナ禍の影響で1ケタ台の増収にとどまったが、2022年9月期は大幅増収を目指している。営業人員については前期と変わらないため、増収になれば利益率もさらに上昇することが見込まれる。

(3) メディア事業/メディアレップ事業
メディア事業については、保険会社の広告出稿意欲が回復してきたことから2022年9月期は増収増益が見込まれる。また、メディアレップ事業については、費用対効果の高い広告運用サービスにより、取引顧客数の増加も含めて増収増益を目指していく。保険業界が投下する広告費のなかでインターネット広告の占める比率はまだ低いものの、個人のインターネット利用時間の増加とともに、インターネット広告に対する予算も拡大していくものと思われ、成長余地は大きいと弊社では見ている。

(4) 再保険事業
再保険事業は、既存顧客からの再保険契約の積み上げにより増収増益が見込まれる。前期は前倒しで費用計上があったため減益となったが、その反動で2022年9月期は2ケタ増益となる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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