GMOペパボ Research Memo(1):EC関連サービスの成長と金融支援事業の黒字化により業績は再び拡大局面へ
[22/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット上の表現活動を支えるインフラサービスに加えて、利用者同士をつなげるプラットフォームサービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」、ハンドメイドマーケットサービス「minne(ミンネ)」など。また、2019年より子会社でフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を開始している。なお、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、プライム市場に移行する予定となっている。
1. 2021年12月期の業績概要
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.9%増の11,879百万円と過去最高を更新したものの、営業利益は巣ごもり需要の拡大に伴い、2020年12月期下期以降にEC関連サービスの体制強化を行ったことによる人件費の増加を主因として同4.2%減の888百万円と減益に転じた。ホスティング事業が増収増益となったほか、金融支援事業も増収に伴い損失額が縮小したものの、人員体制の強化やプロモーション費用の増加によりEC支援事業が増収ながらも減益となり、ハンドメイド事業も巣ごもり需要の一巡で減収減益となった。EC支援事業とハンドメイド事業を合わせたEC流通額は前期比5.6%増と成長を持続したものの期初の目標には届かず、業績計画(売上高13,223百万円、営業利益1,114百万円)の下振れ要因となった。
2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の連結業績は、売上高で11,482百万円、営業利益で1,143百万円を見込む。「収益認識に関する会計基準」等(以下、収益認識基準)の適用による業績への影響額は、売上高で2,192百万円の減額、営業利益で8百万円の増額要因となり、従来基準で換算すれば売上高は同15.1%増の13,674百万円と2ケタ増収となるほか、営業利益は同27.7%増の1,135百万円となる見通し。すべての事業セグメントで増収増益を見込んでおり、EC関連サービスの流通額についても前期比11%以上の成長を目指す。また、金融支援事業についてはクラウドソーシングやEC系の大手企業との連携を進めていくと同時に、利便性の向上を図ることで請求書買取件数を伸ばし、事業開始以降初の黒字化を目指す。
3. 今後の成長戦略
同社は2025年12月期に営業利益で25億円を目標に掲げている。ストック型サービスとなるホスティング事業や「カラーミーショップ」で安定成長を図り、新規サービスを含むフロー型サービス等の収益力拡大を図ることで成長を加速していく。国内EC市場は今後も年率10%台の成長が続く見通しで、「カラーミーショップ」や「SUZURI」「minne」などのEC関連サービスを年率2ケタペースで伸ばしていくことが目標達成の鍵を握ると見られる。同社では、これらサービスにおいて機能の拡充や利便性向上、また各サービスの連携等に取り組むことで、利用者数の拡大と収益成長を実現していく方針であり今後の動向に注目したい。また、金融支援事業が利益成長フェーズに移行するほか、新規サービスとして「GMOレンシュ」のβ版を2022年1月にリリースしている。習い事教室を対象に集金・連絡業務をPC・スマートフォン上で一元管理できる会員管理クラウドサービスで、教室運営の効率化を支援するサービスとなっている。金融支援事業と同様、最初の数年間は先行投資期間となるが、中期的には収益貢献するものと期待される。
■Key Points
・2021年12月期は人件費の増加等により減益となるも売上高は過去最高を更新
・2022年12月期は収益認識基準の適用で売上高が目減りするものの、実質2ケタ増収増益見通し
・ストック型サービスの安定成長に加え、新規サービスを含むフロー型サービス等の拡大により2025年12月期に営業利益25億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット上の表現活動を支えるインフラサービスに加えて、利用者同士をつなげるプラットフォームサービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」、ハンドメイドマーケットサービス「minne(ミンネ)」など。また、2019年より子会社でフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を開始している。なお、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、プライム市場に移行する予定となっている。
1. 2021年12月期の業績概要
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.9%増の11,879百万円と過去最高を更新したものの、営業利益は巣ごもり需要の拡大に伴い、2020年12月期下期以降にEC関連サービスの体制強化を行ったことによる人件費の増加を主因として同4.2%減の888百万円と減益に転じた。ホスティング事業が増収増益となったほか、金融支援事業も増収に伴い損失額が縮小したものの、人員体制の強化やプロモーション費用の増加によりEC支援事業が増収ながらも減益となり、ハンドメイド事業も巣ごもり需要の一巡で減収減益となった。EC支援事業とハンドメイド事業を合わせたEC流通額は前期比5.6%増と成長を持続したものの期初の目標には届かず、業績計画(売上高13,223百万円、営業利益1,114百万円)の下振れ要因となった。
2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の連結業績は、売上高で11,482百万円、営業利益で1,143百万円を見込む。「収益認識に関する会計基準」等(以下、収益認識基準)の適用による業績への影響額は、売上高で2,192百万円の減額、営業利益で8百万円の増額要因となり、従来基準で換算すれば売上高は同15.1%増の13,674百万円と2ケタ増収となるほか、営業利益は同27.7%増の1,135百万円となる見通し。すべての事業セグメントで増収増益を見込んでおり、EC関連サービスの流通額についても前期比11%以上の成長を目指す。また、金融支援事業についてはクラウドソーシングやEC系の大手企業との連携を進めていくと同時に、利便性の向上を図ることで請求書買取件数を伸ばし、事業開始以降初の黒字化を目指す。
3. 今後の成長戦略
同社は2025年12月期に営業利益で25億円を目標に掲げている。ストック型サービスとなるホスティング事業や「カラーミーショップ」で安定成長を図り、新規サービスを含むフロー型サービス等の収益力拡大を図ることで成長を加速していく。国内EC市場は今後も年率10%台の成長が続く見通しで、「カラーミーショップ」や「SUZURI」「minne」などのEC関連サービスを年率2ケタペースで伸ばしていくことが目標達成の鍵を握ると見られる。同社では、これらサービスにおいて機能の拡充や利便性向上、また各サービスの連携等に取り組むことで、利用者数の拡大と収益成長を実現していく方針であり今後の動向に注目したい。また、金融支援事業が利益成長フェーズに移行するほか、新規サービスとして「GMOレンシュ」のβ版を2022年1月にリリースしている。習い事教室を対象に集金・連絡業務をPC・スマートフォン上で一元管理できる会員管理クラウドサービスで、教室運営の効率化を支援するサービスとなっている。金融支援事業と同様、最初の数年間は先行投資期間となるが、中期的には収益貢献するものと期待される。
■Key Points
・2021年12月期は人件費の増加等により減益となるも売上高は過去最高を更新
・2022年12月期は収益認識基準の適用で売上高が目減りするものの、実質2ケタ増収増益見通し
・ストック型サービスの安定成長に加え、新規サービスを含むフロー型サービス等の拡大により2025年12月期に営業利益25億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>